「 採用! 『 テープスタンピング 』」
表紙:テープスタンピング | 裏表紙:デボス(型押し)加工
※ 『 テープスタンピング 』 とは?
こんにちは、現場の前田です。
今回ご紹介するのは、有限会社篠原紙工さまよりご依頼いただいた 「 株式会社むすびさまの会社案内の表紙 」 です。
シックで濃いめのグレーの表紙の全面を彩る、埋め込まれたような表現は 『 テープスタンピング 』 加工を。裏表紙は箔を使用せずにデボス( 型押し )加工のみでガッツリと圧をかけて表現しています。
テープを押すごとに、押される図柄も変化する
全てが一点一点違う表情になることが大きな特徴
裏表紙には強烈な圧でデボス( 型押し )加工
昨年 2020年の年末からご相談をいただいたお仕事であり、 『 テープスタンピング 』 加工のご依頼は 「 デザインのひきだし41 」 の表紙で使って頂いて以来となります!
有限会社篠原紙工 ディレクター 吉永久美子さまが 『 テープスタンピング 』 加工をご提案して下さり、加工するにあたっては、株式会社むすびの大輪恭平さま・金澤繭子さまと打ち合わせの場を設けて下さいました。
そこでアイデア出しを行った際の加工プランを大輪さま・金澤さまがデザインとして 『 テープスタンピング 』 に取り入れて下さいました。
私が新たに編み出した 『 テープスタンピング 』 加工を、このように案件やお仕事として採用いただけることはとても嬉しく、励みになります。
『 テープスタンピング 』 の仕様と特徴
表紙と裏表紙の用紙はトーンF(CG7)4/6判Y目<160kg>とNPCC#28を合紙(ごうし)した素材で、厚みはおおよそ2.5mmくらいのものに加工しています。『 テープスタンピング 』加工 は土台の紙の厚みが厚い方が埋め込まれた表現がより出しやすくなります。
使用したテープはマスキングテープと同じ素材
うっすらと透けて、紙の地色も反映させてくれる
角度によってはブラックパールのようにも見える
テープスタンピングの面積は220×150mm。
使用したテープの素材は マスキングテープの素材と同様のものを使用。これは「 デザインのひきだし41 」 の表紙では不透明のテープ素材を使用していたので、素材の違いでだいぶ印象が変わったように感じます。
黒1色の印刷と赤みが強く感じられる26号金の箔で製作した極太マスキングテープを箔押し機にセットして、『 テープスタンピング 』 加工を施しています。
スタンピングされた図案の輪郭がかすかに丸みを帯びる
土台の紙とは違ったテープの材質が埋め込まれることで生まれる
心地よい違和感
加工ポイントは、より精度ある 『 テープスタンピング 』 を実現させるため、220×150mmの 『 テープスタンピング 』 の面積を110×150mm・110×150mmと上下に分割して2回に分けて押しているところです。
文字部分の加工は細かい文字の表現のため、マスキングテープが破れてしまわないように、且つ、埋め込まれた表現がしっかりと出るよう注意しながら加工にあたりました。
箔は赤みのある金色を使用
金箔を散りばめたようなデザインが魅力的
金箔の押し位置も一冊ごとに異なる
マスキングテープは、黒で印刷した部分と印刷なし( テープの白い地の部分 )の部分のコントラストがはっきりしているところや、無作為に散りばめられた26号金の金箔がアクセントとなっております。
また、更にはテープの印刷されていない部分はうっすらと透けて台紙のトーンF(CG7)の色が透け出て、どこかパール調の光を帯びて見えます。
箔材の代わりにテープを用いて図柄を押す加工
箔押しならぬ、テープ押し 『 テープスタンピング 』
表紙の文字は 「 利き手とは逆の左手で描いた文字 」 だそうで、 『 テープスタンピング 』 で表現された有機的な手描き文字と裏表紙のデボス加工による表現の組み合わせが、まるで古代文字が刻み込まれた一枚の石板にも見えるような仕上がりになりました。
吉永さま、大輪さま・金澤さま、この度は、新技法 『 テープスタンピング 』 を取り入れていただきましたこと、また、その加工をお手伝いさせていただき、ありがとうございました!
【 箔押し加工 】
有限会社コスモテック 現場リーダー 前田瑠璃
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362
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