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風の記憶、時の雫

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note をはじめてみようと思う。 秋晴れの空を眺めていたら、風がやってきて、 そのときにふと思ったわけです。
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2021年7月の記事一覧

純粋な夏休み

ひとつの秘密を 分かち合う友だちがいる人だけが 思い出の中に純粋さを持ち込める そんな気がする 繊細な美しさは、脆さを抱え込み 時に残酷で悲しい物語を用意する 秘密は、自分の中で変わる変化とともに 消えていくものだけれど 大切に思う人と共有できる秘密は 時を超えて生き続けるもの 夏休み 分かち合える秘密を探しに行こうか 君とふたりで

星明かり

夏の夜は星空がにぎやか 天の川が横切る空の端っこに立っている 人間の進化の過程でも 神話の時代を通り越しても何も変わらない 人の夜は街々がさわがしい 人の流れは星の流れのように途切れることはなく 命懸けは意思のままに 風の時代に乗るがままに変わることもなく 欲望と自制がせめぎ合い 羨望と野望が混ざり合う ココロは悩んでいる 本当はどうしたいのか どうすればいいのか 頼りにしていたカラダは不安を抱えて足踏み 何もかも失うことが怖いココロとカラダは 夜に星空を見上げた 手を

打ち水足らず

打ち水ではどうにもならない 夕立ちでもないと地面の熱は下がらない それも半端な夕立ちでは蒸すだけ 日差しのシャワーはちっともやさしくない 身まで焦がしかねない 夏はいったい何をする気だ 磨かれていない素材はここにある 焼いても蒸しても 素材を和えても素材単体よりもうまくなる 一陣の風が熱せられた土地を吹き抜ける 夏は季節を単純化してみせる ストレートな思いが力になる 耐えがたい暑さを乗り越えるその先に 磨かれた素材が思いに迫りくる 夏は黙して語らず容赦なく迫りくる

空が充つる夜

星が充つる夜 水面に落ちる影ゆらめき 夏が充つる空 水面に影も見えず 山は何を思い 海は何を問う 充ちたものは 何も語らず 体の音叉が 共鳴する場所がある その響きこそが 探しているものの鍵となる

耳鳴り

じんじん耳鳴りの奥の 深い ふかぁい奥の そのまた奥で ちいさな声がする 幼いこどものような 思春期の少女のような 懐かしい声が かすかに聞こえてくる 耳鳴りは不協和音 かと思えば オルゴールのような 美しい音色を響かせる 耳の奥のそのまた奥に 思い出が刻まれた 記憶の扉があることに 普段は誰も気づかない

鉄板焼き

鉄板の上で焼かれた時間 針が鈍い 鉄板焼きは好きだが 自分が焼かれるのはごめんだ 時計はダリの絵のように 溶けている 鉄板の上を渡るものだから 風は涼しさをなくした そこら中で肉が焼ける音がする 焼きすぎは勘弁 ここまで熱したら食えない 仕舞えない 面影だけは焼かないで 涼やかな記憶に仕舞う夏休み

東京五輪2020の開会の影

東京五輪2020の開会式がついに始まる。 本来なら紆余曲折を乗り越えて、 とでもいうところだけど、 乗り越えていない問題がそのまま残っている。 その中で強行される感じがして 納得感が感じられない。 嘘で始まり、嘘を重ね、誤魔化し続けてきた 闇が重なり積もってきている。 まだまだ隠れていた問題は発覚するだろう。 それらはオリパラが終わっても きっと解決の日の目は見ない。 納得もいかないまま、 モヤモヤが晴れないまま、 虚しい時間だけが進んで行く気がする。 だけど、それでい

大暑

今日は二十四節気の「大暑」 二十四節気でいえば夏の終わりの区切りに入る。 次は8月7日の「立秋」となる。 夏の終わりの区切りに入ったとはいえ、 梅雨明けすぐで夏本番のはじまりはじまり。 しかも連日猛暑ときた。 余程の用事でもなければ外出する気にもならない。 かといって、家でだらけているわけにもいかず、 どうするか悩んでいたら昼寝しすぎた。笑 ま、仕方ないね。この暑さだもんな。 ちょうど学校は夏休みに入った時期に当たるので、 昼寝をしていると、時間の針が一気に遡る。 小学

アンテナ

ぼくらは叫ぶ。そして落胆する。 声は聞こえても、声は届かない。 アンテナは痛んでなくても 向いている方向が違う。 壁があるわけではない。 閉ざしているわけでもない。 声は方向性を持っている。 だから音は拾えても、声にはならない。 だれも直そうとはしない。 今の状態が一番心地よいと思っている。 やがてアンテナは錆びつき動かなくなる。 世論が届かないのはそういうわけだ。

梅雨が明けたら

昨日、四国地方の梅雨が明けた。 日本各地が次々と明ける中、 なかなか四国地方は明けない日が続いた。 そして、昨日明けたわけだが、 今年の梅雨は65日間という 観測史上最長となった。 梅雨が明けた途端、猛暑の日が襲ってきた。 それで気づいたのだが、 いきなり、わしわしと蝉の大合唱だ。 梅雨が明ける前は、まだ蛙の合唱が 聞こえていたと思うのだけど、 この変わりようは何だ。 そして、ついこの間まで 新型コロナウイルス感染症対策の警告が 毎日行われていたのだけど それも梅雨明けの

2つの覚悟

たいていの人は、人生において 2回は覚悟をするときがあると思います。 一つ目は結婚するとき。 パートナーと2人で人生を生きていくとき、 男性は妻となる女性に対して、 この人の人生も背負うのだという 覚悟が生まれます。 二つ目は子どもができたとき。 どんなことがあってもこの子を守るのだ という覚悟。 これは女性の方が強いと思います。 私はこの二つを「いのちの覚悟」と称しています。 この他にも大病したときも覚悟は芽生えますね。 生と死を身近に意識したときに生まれる覚悟です

花が咲く時

今、君に会いたい 花が今このときに咲くように 自分にとって必要な瞬間を知っている 花が咲く時を知っているように ぼくは君を求める時を知っているはず 今この時しかない時を知っているはず その衝動を疑わない 突き上げる思いを疑わない 抑えきれない感情を疑わない 誰かに邪魔されようと 制約されようとも 今だからこそ君に会いたい 会わなければいけない気がした 会って君を抱きしめることしか 思いつかなくても構わない 今、会うことが大切な時と告げている

一つの地球、何度目かの人類

星は降らない ただそこにある 人類が生まれるずっと前から 長い歳月のそのまた遥か遠く 恒星の宿命を負い 輝き続けて その一部が地球に 何光年もの旅の果てに 届いているにすぎない 人類が知性を獲得したのち その事実に意味づけをした そして神話が生まれ 時間の概念が生まれ 暦ができた 暦を司る者は 大きな力を得て 一族の支配者になっていった やがて人類は進化をし 文明が花ひらき 固有の文化が生まれた 何万年もの間に 自然から畏敬を持って学び 人間の暮らしに役立ててきた知恵

想像する力

どんな制約があろうとも 想像することは誰にも止められない どんなに苦しくとも 想像する力をなくさない限り未来はある 誰にも平等にある想像する力 誰がなんと言おうとも自由な力だ 想像力が乏しいと感じるなら 自分が自由に制限をかけているからだ 自由の世界で思い込みは プラスにもマイナスにも作用する 想像する力は思い込みが力を与え やがて創造する力を生み出す 誰にも平等にある創造する力を 自ら止めることはない