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風の記憶、時の雫

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note をはじめてみようと思う。 秋晴れの空を眺めていたら、風がやってきて、 そのときにふと思ったわけです。
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2016年11月の記事一覧

初雪

朝に初雪 空気の粒どうし 引っ張られる冷たさが 顔の表情をうばっていく いきなりだった シベリアからの来訪者 凍える紅葉がアカ味を増し 震える黄葉がキイ味を洗う つんと伸びた枝にも 器用にも雪はまとわりついて しだいにシロ味を厚くして しだる 弓のよう 足元不安な朝は 世情惑わすさまが露になる 触れたくない脆さに怯え 無力な憤りに息をつまらせる 風はせわしく 雪を踊らせ 群舞のさまは 見事なままに 視界をさえぎるも 激しい 初の舞台に こころ奪われる 雪に世情の厄が

秋送り

窓に差した日が消えかかるとき 降りかかる帳に戸惑う私がいる どうしてこんなにも 君のことを考えてしまうのだろう 茜雲が現れる空を見るとき 足元から巻き付いた風が体を昇り 耳元から離れていくとき さびしさを残していくのはなぜだろう 足早に秋が冬に手を伸ばすと 抑えきれない思いが私を責める 行き違い 勘違い 読み違い いつも脚がすくんで遅れてしまう私に 時間は手を差し伸べてくれる 夜も静かに寄り添ってくれる 点したあかりは包み込んでくれる 閉じたまぶたが不安より安堵をくれる

間合い

待っていた
 ずっと待っていた
 ずっとずっと待っていた

 この風を待ち続けていた

 あんなにも胸を締めつけていた 
あのまま憎んでいたかもしれない
 そんな時間を放り投げて

 秘かに待ち望んでいた
 凪がせる風を
 ただただ待ち望んでいた

 待っていた
 ずっと待っていた
 ずっとずっと待っていた

 この日差しを待ち続けていた

 あんなにも胸に張りつめていた
 そのままほぐれずにいたかもしれない
 そんな時間を解き放ち

 季節をめくる風とともに


一歩一歩

一歩前へ踏み出した右足が 
後ろの左足に問うた 
   大丈夫か
   今度は君が一歩前へ出てくれ

 左足は遅れてはいないで応えた
   平気だ  一歩前へいくぞ

   そうだ 大丈夫だ
   そうだ 平気だ  このリズムを忘れるな 

リーダーの右足は
 左足をかばいながら問うた
  まだまだ行けるよな 

フォロワーの左足は
 右足の気遣いに自信強く応えた  当然だまだ行けるさ 

 そうだ 大丈夫だ 
 そうだ 平気だ
   この呼吸を忘れるな

  そ