朝に初雪
空気の粒どうし
引っ張られる冷たさが
顔の表情をうばっていく
いきなりだった
シベリアからの来訪者
凍える紅葉がアカ味を増し
震える黄葉がキイ味を洗う
つんと伸びた枝にも
器用にも雪はまとわりついて
しだいにシロ味を厚くして
しだる 弓のよう
足元不安な朝は
世情惑わすさまが露になる
触れたくない脆さに怯え
無力な憤りに息をつまらせる
風はせわしく 雪を踊らせ
群舞のさまは 見事なままに
視界をさえぎるも 激しい
初の舞台に こころ奪われる
雪に世情の厄がくるまれ
足元で溶けてゆけば
傘をさすのもためらい
冴えた道を待つ望みをみつける
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