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【コスモ女子×宇宙ベンチャー】宇宙業界のSDGsの先駆け!東大発の技術で小型衛星のこれからを切り開く、Pale Blue(ペールブルー)浅川氏から学ぼう

コスモ女子は、2021年8月26日に株式会社Pale Blue(ペールブルー)代表取締役である浅川 純(あさかわ じゅん)氏をお迎えし、ご講演いただきました。

近年、多くの国や民間企業などが人工衛星の打ち上げに取り組んでおり、宇宙分野への注目が高まっています。
一方、役割を終えた衛星やロケットの残骸は宇宙ゴミとなり、その数は1億個以上と言われ、稼働している衛星との衝突が懸念されるなど、深刻な問題となっています。
宇宙ゴミが増加する原因の1つとして、小型衛星のほとんどに「推進機」が搭載されていないことが挙げられます。

そこで注目されているのが、Pale Blueが開発する小型推進機です。

この推進機は”水”を推進剤として利用することで、圧倒的な小型化と低コスト化を実現し、宇宙ゴミ問題の解決が期待されています。

今回は、Pale Blue 代表の浅川氏が宇宙に興味をもったきっかけや、創業に至るまでの経緯、そしてPale Blueの取り組みについてご講演いただきました。

【公式】株式会社Pale Blue

<目次>
(1)Pale Blueについて
(2)宇宙に興味をもったきっかけ
(3)創業に至るまで
(4)さいごに


Pale Blueについて

2020年4月に研究室の同期メンバー3人と設立。

事業内容は「水を推進剤とした推進機を提供することで、小型衛星の利用幅を圧倒的に拡大させ、研究・産業・市場ポテンシャルを開放する」こと。

はじめは創業メンバー3名で活動を続けていましたが、わずか1年で18名までチームを成長させ、推進系エンジニアや電気系エンジニアだけでなく、事業開発を世界に発信していく仲間など、多くの優秀な仲間と活動を続けています。


宇宙に興味をもったきっかけ

思い返すと、はじまりは中学3年生のころだったと思います。
学校で「将来何をやりたいか」について紙に書く機会があったので、はじめて自分の将来について真面目に考えました。

その時、ぼんやり浮かんできたのが「宇宙」という言葉。
父がUFOや宇宙人に関するテレビ番組が好きで、幼いころに一緒に観ていたことが影響していると思います。

高校時代は部活一筋でサッカーに打ち込んでいましたが、高3の夏に引退し、大学の進路を考えている時に、担任の先生から「東大に行け!」と言われました。

はじめは「東大なんて本当にいけるのか?」と思っていましたが、先生にすすめてもらった「ドラゴン桜」という漫画に影響を受けて、東大を目指しはじめます。

そこから「東大に行って何をするのか?」と思った時に、中3のころに書いた「宇宙」というワードを思い出しました。
宇宙関連についてネットで調べているうちに、東大の航空宇宙工学科の存在を知り目標にすることを決意。

東大に入学後、最終的に航空宇宙工学科に進みましたが、小型の人工衛星が宇宙空間で自由に動き回るためのエンジンを研究することになりました。

そして、学部・修士・博士過程で3種類の研究(火薬推進・プラズマ推進・水推進)に携わることができました。

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創業に至るまで

○Astroscale社との共同研究〜火薬を使ったエンジンの開発〜
まずはAstroscale(アストロスケール)社との共同研究から大学院の修士の研究生活がはじまりました。

Astroscale社は2013年に創業した会社で、宇宙ゴミの除去サービスを提供し、長期的な宇宙飛行の安全を確保することを使命とする民間企業です。
【公式】株式会社Astroscale

当時、宇宙ゴミの除去の方法が、宇宙ゴミに衛星を付着させ、火薬を使ったエンジンで大気圏に落とすというやり方でした。
そのため、火薬を使ったエンジンの研究開発を共同で行っていました。

○JAXAとの共同開発1~プラズマを使ったエンジンの開発~
次に、プラズマを使ったエンジンの研究開発にも関わることができました。

これは東大とJAXA(宇宙航空研究開発機構)が共同開発していた超小型深宇宙探査機(プロキオン)に搭載された、小型のプラズマを使ったエンジンです。
このプロジェクトは、企画から打ち上げまで1年半という短期間で遂行されました。

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(写真|左:はやぶさ2、右:超小型深宇宙探査機/PROCYON)


○JAXAとの共同開発2~水を使ったエンジンの開発~

博士課程に進んでからは、水を使ったエンジンの研究をはじめました。

この時、東大とJAXAが共同で超小型衛星(エクレウス)を開発するプロジェクトがはじまり、推進機として水エンジンが選ばれました。
エクレウスは、プロキオンよりもさらに小さい探査機で、パソコンを少し分厚くした程度の大きさです。

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(写真|超小型衛星エクレウス)


○起業やスタートアップを学ぶ「アントレプレナー道場」との出会い
取り組んできた研究にベンチャー的な要素が加わったのが、「東京大学アントレプレナー道場」との出会いでした。

この道場は、起業やスタートアップについて初歩から体系的に学べるプログラムです。
水を推進剤としたエンジンが世の中の課題をどう解決し、どのような価値が提供できるのかを考え、事業計画を立てました。

事業計画は何度もブラッシュアップを重ねて、最終的に「宇宙に電力インフラ(発電所)をつくる」という計画となり、プレゼン発表で優秀賞を取得。

また、さまざまなビジネスコンテストで発表を重ねていくうちに、投資家の方とご縁があり、文科省の創業支援で総額1億円の資金提供を受けるに至りました。

ここでの技術開発が、今のPale Blue の礎となっています。

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さいごに

「人生かけて、可能な限り宇宙のいろいろな所を切り開きたい」と話す浅川氏。
これまで取り組まれてきたご経験から、「宇宙分野には可能性がたくさん詰まっていること」「誰でも宇宙に関われること」、そして「宇宙は純粋に楽しいということ」など、メッセージをたくさんいただきました。

わたしたちコスモ女子は「世界初!女性を中心としたチームで人工衛星を打ち上げる」プロジェクトを始動しており、2022年度に人工衛星の打ち上げを予定しています。

今回の勉強会を通して、わたしたちの行動ひとつひとつが夢の実現に繋がっていると改めて実感し、勇気をいただきました。

これからも宇宙に関するイベントや勉強会を始め、日々活動していきます。
今後とも、コスモ女子の活動をお見逃しなく!


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