【コスモ女子勉強会】異業種から宇宙業界へ！新しい価値をつくる仕事と女性のキャリア
2023年5月22日に株式会社ワープスペース 取締役副社長CFO・北原氏（以下、北原氏）をお迎えし、「異業種から宇宙業界へ！新しい価値をつくる仕事と女性のキャリア」をテーマに勉強会を開催しました。
北原氏は以前、コスモ女子の『お仕事図鑑』にも取り上げさせていただきました。
今回は、文系・金融業界から宇宙ベンチャーへ転職をされた経緯や、今後の株式会社ワープスペースの展望をお話いただきました。
宇宙とはまったく違う分野からでも、経験を活かし宇宙ベンチャーや宇宙業界で活躍できることを知り、今後のキャリアや宇宙業界で働きたいという方にとって参考になるお話ばかりでした。
環境の変化をきっかけに女性としてのキャリア・生き方を考える
北原氏がキャリアを意識したのは、小学生時代のご経験がきっかけでした。
父親の仕事の都合でサウジアラビアで小学生時代の4年半を過ごされ、両親の働く姿を身近で見ていたそうです。
当時のサウジアラビアでは、様々な制限があり日本企業の進出も少なく、周りに「働いている大人」がたくさんいる環境。そのため北原氏は自然と「将来キャリアをどう積んでいくか」について考えるようになりました。
しかし大学進学後も具体的にやりたい仕事が定まらない中、「理想の職業」よりも「理想の働き方」を考え、外資系の金融業界へ就職されました。
外資系金融業界では、女性も活躍しやすい環境が整っていたり、休暇や自分の時間を確保できたりと、しっかり仕事にも取り組みながらメリハリのある働き方が出来ると感じたのがその理由です。
金融業界在籍中は、投資運用部門に所属し、社内のSDGs活動にも取り組みました。グローバルな環境下で、女性活躍を推進するネットワーク委員会の中核として活躍、キャリアを積み上げました。その後、「自分の生き方」や「キャリアの見直し」について再度考え、29年にわたる外資系金融機関から離れることを決意。
仕事で携わったSDGsやESG投資（※）の本質に関心を持ち、同時に親の介護や新型コロナの蔓延など環境の変化をきっかけに大きな1歩を踏み出しました。
※ESGとは、環境（Environment）、社会（Social）、統治（Governance）の頭文字を取った言葉。企業が成長していくために欠かせない3つの要素から企業を分析し投資を行うことをESG投資と言います。
宇宙業界でこれまでの経験を活かすには
北原氏は退職後、関心があったSDGsやESG投資などやりたかったことに積極的に取り組まれました。
具体的には、在職時に取得した]SDGsファシリテーターや臨床美術士の資格を活かしたワークショップ、女性活躍推進のご経験から女性の働き方についてのアドバイス、海外文化交流事業の取組みなどです。
様々な活動をしていく中で「何がしたいか」を模索していたころ、友人から「宇宙ベンチャーで財務担当を探しているので話をきいてみないか」という突然のお誘いを受けました。
まったく異業種である宇宙の分野で働くことは想定していませんでしたので、今後のキャリアややりがいも考えながら、色々と検討しました。
どんなことをするのか、どんな人と働くのか、何が身につくのか、そもそも何を知っておかなければならないのかなど、悩みの種はたくさんありました。そんな中で宇宙ベンチャーで働く人から直接話を聞く機会もあり、仕事のイメージができてきたそうです。
宇宙業界への転職を決意したものの知識もない状態からのスタートなのでエンジニアの方にも積極的に質問をしながら知識を身に付けてきました。
ただ、「異業種からきた」ということが逆に強みとなり、周りの方が親切にいろいろなことを教えてくれました。様々な方々のご支援のおかげで自分がまったく携わってこなかった「宇宙業界」でも望んだ働き方ができているのだと思います。
宇宙ベンチャーで必要とされる人材とは？
北原氏から宇宙ベンチャーで必要とされる人材をお伺いしました。
そもそもベンチャー企業は限られた人数で仕事をするため、意見を出す、話を聞くなどのコミュニケーションが最も重要だと思います。
また、グローバル展開しており外国人材も登用しているため社内の会議は英語で行われます。英語を話すのが得意ではなくてもコミュニケーションを取ろうとする姿勢やどういうことをやりたいのかという自分のビジョンを持つこと大事だとお話がありました。
コスモ女子も「宇宙業界のジェンダー平等の実現に貢献する」というビジョンや「宇宙業界最大の女性が活躍するアクティブなコミュニティになる」という想いのもと活動を進めています。こういった姿勢の部分が新たな業界に入り込む際のキーポイントになるなと感じました。
また、宇宙ベンチャー企業は技術面など専門性が求められます。しかし、エンジニアだけではビジネスは行えないため、北原氏のように財務をはじめ広報などの業務も重要になります。
北原氏も金融業界で培った財務という経験はもちろん、女性活躍推進やSDGsファシリテーターなどの経験を宇宙ベンチャーでも活かしていらっしゃるように、１つ１つの経験が宇宙業界で活きることを知りました。
さいごに
今回は、株式会社ワープスペース取締役副社長CFO・北原氏をお迎えし、「異業種から宇宙業界へ！新しい価値をつくる仕事と女性のキャリア」をテーマにお話いただきました。
さらに勉強会の後には、コスモ女子会員限定の交流会も開催！
宇宙ベンチャーで働く上でのやりがいや苦労話からはじまり、、火星の通信におけるタイムラグが解決できるのかといった素朴な疑問までたくさん質問させていただきとても有意義な時間となりました。
今回のイベントで、エンジニアに限らず文系というところからも宇宙業界という異業種へのキャリアチェンジができることがわかりました。
これまでの経験も踏まえ、私も「宇宙業界で働く」という夢がより近くに感じることができました。
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