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【コスモ女子勉強会】宇宙を文化圏に!ひとつの流れ星から宇宙の未来を切り拓く

【宇宙×エンターテインメント】ALE 岡島礼奈さんから学ぶ、宇宙開発のこれから

こんにちは!今回はコスモ女子ライターのなっつがイベントレポートを担当します。

2021年4月14日に株式会社ALE代表 岡島礼奈様を講師に迎え、「宇宙×エンターテインメント」をテーマに勉強会を行いました。

人工流れ星という、非日常の体験を全世界に届ける”Sky Canvas”プロジェクトをはじめとするALE社の取り組みや、事業が形になる過程のお話を通して、
“宇宙はもう、すぐそこまで来ている”ことを大いに実感した時間となりました!


ALEの3つの活動領域

「星取県」と呼ばれるほど、星がきれいに見える鳥取県で生まれ育った岡島さん。
学生時代は天文学を専攻されていたそう。
よく、「天文学って何の役に立つの?」「宇宙のことを知って何になるの?」と言われることが多かったんだとか。

岡島さんは、「科学は、人類のイノベーションを起こすときの土台になると信じている。そこに貢献していきたい」という信念を持ち、「科学を社会につなぎ 宇宙を文化圏にする」ことをミッションとして仕事をされています。

そのミッションのもと、ALEが行っている事業がこちらの3つ。

①Sky Canvas(宇宙エンターテインメント事業)
②Atmospheric Data(大気データ取得)
③Small Satellite(小型人工衛星技術の研究開発)

まずは、これらの事業内容を順に紐解いていきましょう。


流れ星の科学で空を彩る”Sky Canvas”

「夜空を流れ星が飛び交う光景、一度は見てみたい!」

わたしに限らず、そう思っている人は多いのではないでしょうか。
夜空を星たちが一気に流れている、そんなロマンチックな瞬間に立ち会ってみたいものです。

でも、流れ星が見えるのは一瞬。その一瞬で願いを3回唱えることは至難の業。
星が1つ流れたあと、次の星が見えるのは数十分後。


“流れ星が一気に流れてくる光景を見たい。それは、必ず体験として形にできる。”


「そんな想いのもとつくられたのが”Sky Canvas”なんです。沢山の人が宇宙や科学に興味をもつきっかけが作れたら。」と語る岡島さん。

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流れ星のもととなる物質を人工衛星に搭載し、放出することによって人工的に流れ星を再現。
このSky Canvas、なんと世界中のどこでも流れ星を流すことができるそう!
計算上では、1つの流れ星を直径200kmというとても広い範囲で観測することができます。

現在は、「流れ星を活かして観光名所をつくることが出来ないか」という観点から、観光関連での活用が検討されているそうです。
導入が進んでいけば、「このエリアに来ると流れ星が毎晩見える!」なんてことも現実のものに!
「このような場所が広がっていくことで、観光に訪れる人が増えていき、地域の活性化に繋がると考えます。」と岡島さん。

2023年からサービス開始が予定されているSky Canvas。
宇宙に興味を持つ人が増えていくことや地域を元気にしていくものとして期待が高まり、今からワクワクが止まりません!


”宇宙を利用する立場”として仕事をする

ALE社は、よく「宇宙エンターテインメント企業」と捉えられるそうですが、エンターテインメントだけでなく、科学的な貢献・人類の持続的な貢献というビジョンのもと、
・大気データの取得
・小型人工衛星技術の研究開発(宇宙デブリ発生防止装置の開発)
にも取り組んでいます。


●大気データの取得

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「流れ星を流すことで大気のデータも取得できるのではないか?」
という発想からスタートしたこちらの事業。

今までは、気象庁が提供されているデータを民間企業がカスタマイズすることが多かった分野ですが、これからはデータ取得の段階から民間企業の参入が増えてくるのではと言われています。

「地表近くで起こっている現象が、中間圏で繋がっている。そこが分かると、精度よく様々なメカニズム判明に繋がると考えている。」と、中間圏のデータを取得する価値を教えていただきました。

気候変動メカニズムの解明を通して、災害対策や船舶・航空の経路最適化、エネルギーや農業等における生産計画の生産流通計画の精緻化、といった分野への活用も期待されています。



●小型人工衛星技術の研究開発(宇宙デブリ発生防止装置の開発)

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宇宙デブリとは、宇宙にある”ごみ”のこと。
コスモ女子勉強会でも、過去に取り上げたことがあるテーマです。

【コスモ女子勉強会】知らなかった!宇宙のゴミの影響と未来のための対策

使用出来なくなったロケットの破片などが、衛星と接触することが増えており、宇宙デブリの発生防止が課題となっています。

すでに発生している宇宙デブリを落とす取り組みを行う企業が増えているなか、ALE社では「これから打ち上げる」人工衛星などに対するアプローチ方法で、取り組みを進めているそうです。

その仕組は、あらかじめデバイスを取り付けておき、人工衛星やロケットが役目を終えたときにデバイスが展開し軌道離脱させることで、人工衛星などを大気圏に再突入・焼却廃棄させるというもの。
参考:株式会社ALE 公式HP


こちらは、なんとJAXAと共同で開発を行っています!

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宇宙デブリの発生防止に向けた取り組みは、国際的に議論が進んでいくと想定されていますが、壮大な可能性を秘める宇宙の環境をクリーンにするために、一刻も早い実現が期待されています。


日本の宇宙産業の可能性

ここ数年の間に宇宙産業に参入してくる方は、宇宙がビジネスになるという確信をもっている人だといいます。

「今までになかった視点を持ち込めるという意味で、バックグランドに宇宙を持っていない方の力も非常に大事だと考えます。」と岡島さん。

「現在の宇宙ベンチャーの課題は、宇宙にはロマン・夢があるとよく言われること。夢じゃなくて、現実になる。マネタイズされて、商業化される未来が必ずくる。」
というお話が特に印象的でした。

宇宙への裾野が広がりを見せ、業界全体がチャレンジに対して寛容になってきた今、自由な発想やアイディアでデザインが描かれ、様々な取り組みが生まれていく、そう実感した勉強会でした!


さいごに

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さいごに、ALE社が2基の人工衛星を打ち上げたときの想いも語っていただきました。

「自分の衛星がのっていると思うと、打ち上げが純粋に楽しめなくなります!」
「ドキドキの連続ですが、通信が出来たときの安心感はこれ以上ないものです。」

臨場感がとても伝わってくると同時に、打ち上げた2基の人工衛星を”この子たち”と表現されていたことに、本当に愛着があるんだなと、わたしも胸が熱くなりました。

2022年度中に人工衛星の打ち上げを予定しているコスモ女子一同にとっても、刺激を受けたと同時に身が引き締まる想いです。

今まで自分たちが夢のようなことだと思っていたことは、もう現実のものになろうとしています。
今後の展望に、改めて期待が膨らむ時間となりました。


「女性中心のチームで人工衛星を打ち上げる!」
宇宙に興味を持たれた方は、ぜひ一緒に盛り上げていきましょう!



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