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映画「僕が宇宙に行った理由」を届けると決めた、小金澤さんにインタビュー!

日本の民間人初となる国際宇宙ステーション(ISS)滞在を果たした、前澤友作氏の宇宙旅行に完全密着したドキュメンタリー映画、「僕が宇宙に行った理由」。
少年時代から宇宙に興味を持ち、民間人が宇宙に行けると知ってから人知れず宇宙旅行に向けてプロジェクトを始動していた前澤氏が、数カ月にわたる過酷な訓練生活を経て長年の夢を叶える姿は、多くの人々に感動を与えました。

今回は、そんな感動作の配給会社であるナカチカピクチャーズ代表、小金澤剛康氏にコスモ女子がインタビューさせていただきました!

なお、当インタビューをさせていただくきっかけになった、コスモ女子で開催した「僕が宇宙に行った理由」感想レビューイベントについてはこちらをご覧ください。

「僕が宇宙に行った理由」に携わったきっかけ

コスモ女子:
本日はよろしくお願いいたします!今回のインタビュアー全員2回以上映画館に足を運ぶほど大好きな作品なので、とても楽しみにしていました!

まずはこのような素晴らしい映画を配給してくださりありがとうございます。
いきなり初歩的なご質問なのですが、前澤さんの映画ができるとなったときに、配給会社はどのように決まるのでしょうか?

小金澤氏:
そうですよね。基本的に配給会社が映画をつくるために一緒にお金を出してつくるというパターンと、できあがったときにどこか配給会社を探すというパターンがあります。もしくは企画段階のときに配給会社が持つパワーを頼って、もしくは売り込んで、一緒に共同でプロジェクトを進めて行くというパターンと、いろいろあるんですよ。

そんな中、本作はもう出来上がっていたんです。基本的に。
なぜなら、前澤さんと平野さんが宇宙に行った時にずーっと平野さんがカメラ回してたんです。僕もびっくりしたんですけど、ZOZOの時代から映像で記録を残すというカルチャーがあったんです。

コスモ女子:
映画を観て思いました!14年前の映像なども出てきたので。

小金澤氏:
かっこいいですよね、普通議事録ですよね(笑)。
もともと映像で残すというカルチャーがあって、とりわけ平野さんは映像に残して編集するのが得意だし、実際宇宙に行くってなったときもプロフェッショナルなので、撮り方も上手ければ、なにもかも上手いわけです。

そこで監督がこれを映画として一本にまとめてはどうかという風に思い立って。編集された段階で、プロデューサーからこの作品を配信すると話があって、ご紹介いただいたのかきっかけです。

僕らは映画配給会社なので、映画館にその映画をお届けして、映画館の数を決めたり、宣伝をしてみなさんにお越しいただいて、チケットを買ってもらって、というのが仕事です。普通、配信はそれがすべて終わった時にやりますよね。
ところが当初は上映せずに配信からいくという意見もあったようです。

感動の打ち上げシーン

そんなわけで「配信どう?」みたいな感じで話をもらって、観たわけです。その時点でいろんな配給会社の方々にお話はすでにいっていたと思いますし、興味があった配給会社があったという話ももちろん聞いています。

「いきなり配信かー。」みたいな感じでスマホで見るわけですよ。

で、ローンチのシーンで泣いちゃって。

あれ?と思って。

その時点で飛び立っている人を前澤さんだと意識していない自分がいるんです。

宇宙に行ったことがない一民間人が、行くためにめちゃくちゃ頑張るんだけど、検査不合格になってしまったりして、また頑張って。ようやく飛び立つってときに、前澤さんの顔を観て、自分は前澤さんだと思っていない。つまり努力してやっと乗り越えた隣の家の山田さんなのか田中さんなのか、民間人の誰か、みたいな感じで見ちゃってるんですよ。

そうなると、もうその人が飛び立っている時に、ガーーーという発射音とともにロケットが上がって行く瞬間を見て、自分ごとになって泣いてしまって。

これはすごい作品なんじゃないかと思って、大至急この監督に会わせてくれと僕から連絡しました。

「これは絶対映画化したほうがいい」と監督に初めてお会いした時にちゃんとお伝えしたのと、やるんだったらしっかりと全国でたくさんの人に観てもらいたいという話をしました。

コスモ女子:
映画の打ち上げシーンで前澤さんと平野さんが宇宙に行ったときに、それ以外の方が自分ごとになって涙していらっしゃるのが印象的でした。私もこれはすごいインパクトがあることなんだなと思いました。

小金澤氏:
実際に打ち上げご覧になったことってあります?

コスモ女子:
リアルではないです。打ち上げ場所には行ったことがあるんですけど。

小金澤氏:
音圧がすごいらしいんですよ。

コスモ女子:
コスモ女子でも何回も見たことがあるって言う方がいてすごいよかったって話を聞くので本当に体感したいです。
今年はコスモ女子の人工衛星の打ち上げがあるので、実際にみんなで見に行きたいねって言っています。

小金澤氏:
それは仲間になりたい方かなり多いんじゃないですか?特に学生なんてね。

コスモ女子:今学生会員も増えています!前澤さんもそうですけど、コスモ女子の活動を通じて宇宙を身近に感じてもらえたらと思っています。

現物のソユーズの展示

▲コスモ女子撮影

小金澤氏:
今回日本橋と渋谷で、現物のソユーズを展示したじゃないですか。いかがでしたか?

コスモ女子:
実物を見て、焦げた跡を見てすごいなと思いました。めちゃくちゃ狭かったですし、これで宇宙行ったんだっていう感動と、いろんな感情が湧いてきました。

小金澤氏:
日比谷で展示した時に想定より遥かに超えて人がいらっしゃったんです。もともと人通りが多い場所なのですが、そうじゃなくてソユーズを見たくて来ましたって方々がたくさんいたんですね。そのうち結構目立ったのが小学生の子でした。

「お父さん、これに人乗ってるの?」って小学生が聞いてるわけですよ。
あと黒焦げも、大気圏に突入している角度で焦げ具合が全然違うんですけど、ああいうのを実際に見られる機会ってそうそうないわけで。現物ならではの体験だからやってよかったなって思いましたね。
あの子たちに与えるインパクトと夢と将来設計の方針変更ってどうなるんだろうって思いますよね。

映像とかネットで見るのとでは全然違いますから。

僕も実際に今日も衛星の地上局のスペック見させていただいて、資料では見ていたもののすごいなって思ってますもんね。
全然操作できるように見えないですもん。

コスモ女子:
頑張ってます笑!

小金澤氏:
いやー信じられない。こういうのも子供たちに見せていただくといいですよね。

映画を通じて届けたいこと

コスモ女子:
いろんな方々に感動をもたらした映画ですが、小金澤さん自身が映画を通じて一番伝えたかったことはなんですか?

小金澤氏:
ありきたりな言葉になってしまうんですけど、今って人の努力を斜に構えて、笑ってしまう傾向がなんとなくあると思うんですね。
コスモ女子のみなさんもそうじゃないですか、めちゃくちゃ努力するじゃないですか。

そういう人に対してそんなことできないよって声が届きますよね。
前澤さんがやっていることは結局金持ちの道楽でしょって言われるでしょうし、チームもそう言われたし、そういう映画だよねって僕も言われました。
それでも行くぞってなって、7年間必死に努力して本当に宇宙に行ってしまうということが、金持ちの道楽とか老後の楽しみとかいうレベルでは絶対に実現できない領域なんです。努力は報われるとは言わないけど、周囲の人達に絶対にその想いは届くし、何かを成し遂げることは間違いないってことを、この映画はちゃんと伝えてるんですよ。

我々もプロモーションで、前澤さん、平野さんも、小木曽さんが訓練したり手術を受けたり、かなり努力してるってことを表に出すことをとても意識しましたね。

コスモ女子:
私も宇宙業界に携わっていてこんなことを言うのもなんなのですが、もともとは前澤さんがお金持ちだからできることでしょって思っていました。でも実際に映画を観て、裏の努力や何年も前から抱いていた夢をやっと実現されたという背景を知って、前澤さんも周りのチームの方々のことも大好きになりました。

小金澤氏:
みなさん思われたと思うんですけど、確かにまずはお金がなきゃ行けないですよね。でもお金があるだけでは行けないんですよ。そこが面白いんですよね。

平野監督がすごいなと思うのが、前澤さんのチームなので多少バイアスとかかかると思うのですが、そこを極力客観的に撮ってるんですよね。
なので、先ほど申し上げた通り、前澤さんが宇宙に行ったんだって言うふうに途中から観てないんですよ・
本当に一民間人が失敗して、それでも立ち上がって行ったっていう生々しい事実を客観的に伝えるってことにすごく徹底してるんです。

この映画、ナレーションがないことにお気づきになられましたか?
何かと説明したくなるじゃないですか、ドキュメンタリーって。それなのに一切ないわけです。あの監督の面白いところはそういうところですよね。

コスモ女子:
私は映画を観た時に、最初から映画を撮ることを決めていて、10年以上前から映像を撮り溜めていたんだって思っていました。

小金澤氏:
そう見えますよね。でもそうじゃないんですよ。そこがすごいですよね。

宇宙に行って、映画にして、ビデオ販売して、最後は配信していっちょ儲けようぜっていうのは全くみなさん考えてないです。本当にないです。

みんなの夢を叶えた宇宙旅行

小金澤氏:
舞台挨拶でも言ってましたが、前澤さんは宇宙に行きたいっていう夢を叶えたわけですよね。
そして映画監督になりたいと思っていた平野さんの夢も同時に叶えた。

映画に出ていた方のほとんどが映画のプロジェクトのメンバーなんですよ。
みなさん前澤さんのところにいらっしゃる方々なので何やらせても優秀なわけですよ。でもやっぱり最後は一人でも多くの人に映画を観てほしいなっていう想いで、一枚岩でやっていた気がします。
監督自身もすごいプロも―ションされていましたが、平野監督を喜ばせたいっていう想いもとても強かったし、いいチームだったなと思いますね。

コスモ女子:
途中で上場のシーンが出てきたと思います。もちろん上場は素晴らしいことですが、それに匹敵するくらい、いろんな人が陰で動いて努力してこの作品になったんだろうなと感じました。

小金澤氏:
単なる前澤映画じゃないんですよね。民間人が束になって、宇宙専門ですって人も一人もいないですからね、みなさんと一緒ですよ。
完全なる素人が束になって集団になって全員で努力して宇宙に行ったっていう、民間人が努力して成し遂げた夢の物語なんです
ここが共感できる方がかなりいると思いました。

幼少期に宇宙に憧れつつ、自分ごとではなかった小金澤氏が、映画に携わる中でだんだん自分ごとになっていったエピソードが、私たちコスモ女子の活動と重なる感動のインタビューでした。
小金澤さん、ご多忙中お時間を作ってくださり本当にありがとうございました!

インタビューを読んで映画が観たくなった方はぜひ配信で見て下さい!


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