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存続の危機!?京都の歴史ある天文台「花山天文台」を護る活動とは

みなさんこんにちは!コスモ女子のユキです。

10月12日に、コスモ女子会員限定のイベントが開催されました。
今回は、コスモ女子メンバーようっちさんから、京都の「花山天文台」についてお話をうかがいました。

花山天文台を護る活動の様子を情熱たっぷりに教えていただきましたので、みなさんにお届けします!


花山天文台の存続の危機に出くわしたようっちさん

幼少のころからヒーロー物やSFが好きだったようっちさん。

高校では天文部に所属していたものの、夜空が明るい都会の高校だったため、星はあまり見えず、唯一見える月の観測やスケッチ、計算をおこなっていました。

それからしばらく天文からは離れていたものの、関西に戻った際にご縁があり、花山天文台が存続の危機にあることを知ります。
なんとか存続させるため、天文台の魅力を伝えるグループに参加し、応援をすることになりました。


世界的にも貴重な花山天文台の魅力

花山天文台は、京都市の山科区に位置し、3つある京都大学付属の天文台の1つです。
1929年に設立され、大学の天文台としては日本で2番目に古いものとなっています。

最近では、残念ながら光害や空気の濁りなどで京都の観測環境が悪化しているため、人工衛星のデータ解析や研究、理論や数値シミュレーションの研究をしている状態です。
そのほか、京都大学の学生や近隣の高校生の学習の場としても使用されています。

夜間の観測環境は悪化したものの、昼間の環境は問題がないため、太陽フレアの研究が進行中。
前台長の柴田一成氏は太陽フレアの第一人者で、特殊な望遠鏡を用いた太陽の観測で成果をあげられています。

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花山天文台には「45cm屈折望遠鏡」があり、これは世界的にも大変貴重なものです。
架台には天体追尾機能が備わっており、そこには「ガバナー調速機」と呼ばれる装置が使われています。

現存し、実際に稼働しているものは世界でもここだけなのだとか。
原理としては時計と同じであり、おもりが動いていく動力で追尾していく仕組みとなっています。

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ハレー彗星観測のために買った、「ザートリウス18cm屈折望遠鏡」もあります。
今も太陽観測に使われており、現役としては日本最古の望遠鏡です。
最古ではあるものの、観測データは最先端の研究にも使われています。

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別の敷地にある太陽館には「70cmシーロスタット望遠鏡」があり、日照にあわせて館内の分光器に光を送り続けています。
建物全体が望遠鏡のようになっており、現在は実習で使われています。

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ところが、京都大学は岡山に最先端の望遠鏡を作りました。
その結果、花山天文台は国からの支援を受けられなくなってしまいます。
なんとか天文台を残していくために柴田前台長を始め、さまざまな研究者の方が支援に立ち上がっており、その輪が広がっています。


花山天文台を護るための活動とビジョン

国からお金が下りなくなったことで、自らお金を工面する必要が出ました。
そのため、現在ではさまざまなイベントを開催しています。

天文台だけでなく天文自体をたくさんの方に身近に感じてもらい!という想いから、オンラインを中心としたイベントをスタートし、精力的に活動中です。
また、10年間という期限付きの出資金を元に財団法人を設立。
財団では天文台にいろいろな人が訪れ、天体に自由に触れ、楽しめる施設作りを目指しています。

まずは100人規模のセミナー配信が、第1の目標。
そのほか、学生の実習を毎日受け入れること(現在は年間30日の受け入れ)や天体観望会、講演会やワークショップ、コンサート、展覧会などのプランを立てています。
そのための技術・文科系イベントも開催に向けて準備中です。

インターネットやSNSによる発信も始まっています。
具体的な活動の第1弾として、宇宙をテーマにした絵本を作成しました。
ゆくゆくは四次元シアターができるようなホールやプラネタリウム、モノづくりをテーマにした施設を作ろうとしています。

最終的には天文台をみんなの宇宙テーマパークにしたい!と、ビジョンを語っていただきました。


現在の活動内容を一部紹介!

①2018年の火星大接近など、時事ネタ天文イベント
アマチュア天文家の方々が望遠鏡を担いで参加し、そのときどきで話題の宇宙ネタについて、熱く語り合うのが楽しい!と語るようっちさん。
イベントの臨場感が伝わってきて、わたしもぜひ参加してみたい!と心が踊りました。

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②存続そのものを応援するクラウドファンディング
ロックバンド「Queen」のギタリスト「ブライアン・メイ」氏も天文台を訪れたことがあります。
ブライアン氏は宇宙物理学者の顔も持ち、柴田前台長と仲が良く、応援にきてくださったそうです。
その際、「45cm屈折望遠鏡」に「Forever」とサインを残していきました。
現在も残っているそうですので、訪れたらぜひ見てみたいですね!

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③若手の研究者たちが今取り組んでいる最新研究を話す「金曜講話」
論文で発表されたばかりの最新のネタやあまり知られていない話を聞くことができ、大変おもしろいと好評です。
もともとは京都の駅前や丸の内で行われていましたが、現在はオンラインで開催されています。

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天文台をなんとかしたい!という熱意から、創意工夫を凝らして活動されている姿に、胸が熱くなりました。
また、それを語るようっちさんもキラキラとしていて、見ているこちらも楽しくなるイベントばかりでした。


さいごに

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今回、ようっちさんの紹介によって、花山天文台という歴史ある施設を知る機会となりました。

花山天文台には宇宙研究の歴史に貢献してきた貴重な資産があり、「次世代に継承しよう!」という想いを護るため、ようっちさんを始めとしてさまざまな方が必死に活動している姿に感動しました。
わたしたちコスモ女子も、立場は違えど同じ宇宙を愛する者同士、手を取り合って進んでいきたいと思いました。

わたしたちコスモ女子は、2022年度に女性中心のチームで人工衛星を打ち上げるという目標を掲げ、日々活動しています。
今回の勉強会を通して、わたしたちの行動が未来の宇宙技術の発展に繋がる一部なのだと改めて実感し、勇気をいただきました。

これからも宇宙に関するイベントや勉強会を始め、日々活動していきます!
今後とも、コスモ女子の活動をお見逃しなく!


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