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つれづれの道草

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こちらとあちらなんて。

久しぶりに映画を二本観た。『アフター アース』も良かったが、『ボーダレス 僕の船の国境線』は、途中からおめきと涙が噴き出して止まらなかった。
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    望みどおりなんだから。

    望みどおりなんだから。

    先週、歯が取れた。いかにもメキメキーッと、へし折れ感たっぷりな音を耳にした2日後。
    いずれこの日を迎えることは、歯医者さんから聞いていた。
    弱いのよ。差し歯は。
    聞いてたよ。
    神経取った歯は折れやすく、差し歯も場所柄難しい角度でつけてあるって。

    仮にS歯科医院としよう。
    このS歯科医院の治療内容に満足していれば、喜んでこのわたしのどうしようもない厄介な歯をさし出そう。
    口を開けたまま15分以

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    光陰矢のごとし。

    今日、ダン吉の頭のてっぺんにつむじがないことに気づいた。10云年前帰省した夜、めちゃめちゃはしゃぐ少年の姿でむしゃぶりついてきた。以降寝床はまったく別だが、ときおり夢を訪ねてやってくる。姿は人間の子でも、どう考えても気配がダンちゃんなのだ。ずいぶんおじいちゃんになったけど、夢では元気な少年。もうあの地団駄付き高速逆回転で、ンこの舞をすることはないけど、ご飯と散歩であげる声は、ありがたいことに変わりない。白髪混じりの頭の匂いを嗅いで、わしわしする。腕にまとう鼻づら。ギャップあり過ぎ正式名、…ダンディー。
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    やむなし。

    今朝は、きれいな六角の結晶が目玉焼きより先にフライパンの中に出来上がっていた。
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      なんとか、帰宅。

      ここも。
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        晴々

        あのどうにもしようのない、きれいで厄介な大量の雪が、みるみる解けて地面に空にかえってゆく。
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          いろいろと降参。

          だれもいない。
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            雪掻きの合間。

            白はすぐこぼれて消え、赤は結構残った。
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              声にならなくても感じ、ふるえること

              自分が実感できる時間の限界を超えて存在するものは、ただあるだけでこちらの深いところを揺さぶる力がある。かつて、『脱皮する家』という、十日町にある古民家アートの入口をくぐった。窓越しのかしましい蝉の声と、目に染みる鮮烈な草木の緑。深い色の木目。高い梁。そこに彫刻刀の一彫り一彫りのダイナミックな刻み。今現在と百年を越える人の営みの気配が交錯して、気づけば涙が顎まで伝っていた。彫った学生の一人が、無邪気に問うた。なぜ泣いているのかと。懸命に答えようとしたが、波に揉まれるまま形にならないまま流れて消えた。
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              解凍

              整骨院を辞めて、3週間経った。日を追うごとに、身体のあちこちに緊張が解ける前の痛みが浮き上がってくる。両手の水かき、骨間筋、右ふくらはぎ、左腰、下腹部、臀部…。肉と脂、乳製品を今まで通りの量摂ると、頭痛がする。わたしの身体の書き換えが進んでいる。やるせない感情に足を取られることもあった。でも、今噴き出している様々なもの全部が、そこでわたしが生きながらえるために、凝り固まって支えてくれていたのだとも思う。NOと言える道を選ぶ道筋をつけてくれたのだとも…。体内外の一斉清掃は、まだしばらく続きそうだ。
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              瓢箪から駒。

              今日は、大野慶人氏の舞踏と講演を楽しむ予定だったが、あいにく、地域の卓球大会の選手となり、4時ごろまで身動きとれなかった。うん十年ぶりの卓球…。3試合とも全部負けたが、ものすごく楽しかった。ホンの僅かなタイミングや角度でinとoutが変わる。上手い人の球を受けるのがまたオモシロイ。すべて新鮮。参りましたって、気持ちよく言える。そしてまた、構え直す。もう少し長く楽しみたいと思ってしまった。うーん、それには練習だね〜。今あるこの身体でできること、いろいろ確かめたくなるね。ワクワクの箱に一つ追加。
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              かけら

              今朝どっと降った雪はゆっくりと道路から消え、夕方から4人の女性の公演を観に行ってきました。10代から70代のそれぞれの生き様が、空間の中で立ち上がる、そのあるままを見守りました。客席のこちらと舞台のあちら。踊りだけでは入り込めない部分に、演者の語りかけが滑りこんで、取り残されることがなかった。踊りのためだけにある肉体とは全く別物の、リアルなひとを、翻って自分が、浮き彫りとなる不思議な公演。良いとかそうじゃないとかから解放された感じが、新鮮で良かった。そしてあの彼女の白い腹部と静かな眼、伸びた背…。
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              シナプス再生

              こんなモノクロに近い風景の中、向かい風に逆らい上り坂を踏ん張って進む夢をむかし何度か見た。5日前のこのときは、山の木々から雪が吹き降ろされる美しさに、助手席の子に撮ってと頼んだ。ついさっき開いて驚いた。一気にむかしの感覚と繋がったから。そして、それが懐かしくてめんこく思えるなんて、ありがたい。わたしでどうにもならないことが、こんなに簡単にほぐれて柔らかい気持ちになれるんだ。ありがとう。前より楽にこの一歩が出せる。
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              月より餅。

              昨日、吉備津神社の近くの静かな夕景。今日は夕方の月と金星の接近、雑煮を食べてて、逃した。…餅が食べたくて食べたくて。あさりで決めようと静かにコブシを突き上げ、昆布と椎茸で出汁とって、もうわれを忘れててんこ盛りの餅をば、噛む間も惜しんで、飲んだ。美味かったよ。モチは、飽きん。おかわりは、ガマンしたんだよ。だのにTVの家族の歌合戦に気を取られ、がんばれ〜っ！なんて言って。そして、月は山の奥へと沈みましたとさ。