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やりすぎ教育

非常に興味深い本だった。
特に印象的だったのがp22の以下の部分。

『将来が安泰なら勉強しなくてもよい』これが、残念ながら現在の日本の『勉強』『学び』の正体のように思います。本当に学ぶことが楽しいとか、深く考える力をつけるとか、人生を豊かにする学びを身につける、ということは二の次で、『他人との比較で高い評価を受けるステータスとしての学歴があればいい。大学は授業よりも多様な体験ができで人間関係が広がる部活やサークル、バイトが大切で、授業のほうは単位がそろって卒業できればいいし、資格が取れて就職できればいい』少なからぬ本音はそこにあり、でもそのステータスのために小学生のころからあるいはすでに就学前から競争を始めているのです。

社会的に成功するために必要なことは、教育を受けることではなく、学歴を得ること。一定レベルの能力を備えていることは、どの大学を卒業しているかによって測られる。その評価(≒学歴)を得るために、子供に必要以上の競争を強いているのが現状。『教育熱心』と『虐待』は紙一重だという主張も印象的であった。

日本の将来のため、教育改革の必要性を訴える識者は多いが、いかにして学歴を得るか、ということに必死になっている現状の日本からは、これからもイノベーションは生まれないような気がする。

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