対決の海外ドラマ【社会派ドラマ対決】
米国のドラマで最も充実したジャンルのひとつが、現実の問題や社会が抱えた矛盾を題材にした“社会派”。米国のリアルを学べる点と、作り手から見る者へのメッセージが明確な点が魅力です。だからこそ米国の文化や市民生活を生々しく切り取っており、台詞を重視した作品も多く、日常で重要な英語表現や固有名詞が学べるのも価値があります。
『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』は、邦訳もされた同名のノンフィクションが原作。1996年に米国で発売されたオピオイド系鎮痛剤“オキシコンチン”は麻薬になりうる危険なものでしたが、製薬会社はその事実を隠して宣伝をし、同社は何年にもわたって莫大な利益を上げました。
そのおかしさに気づいた人々は製薬会社に対し、巨額の賠償請求訴訟を起こします。そんな史実に基づいた物語は、勇気をもって立ち上がる人々の姿が静かな、しかし熱い感動を呼びます。中心人物の医師役を演じたのは映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』の実力派マイケル・キートン。第1話を映画『レインマン』のバリー・レヴィンソンが監督しており、見応えたっぷりです。
『レベル 正義の反逆者』は、ジュリア・ロバーツが第73回アカデミー賞で主演女優賞に輝いた映画『エリン・ブロコビッチ』で彼女が演じたヒロインのモデルになった、実在の女性運動家を下敷きにしたもの。
法律事務所で働くが弁護士の資格を持たないアニー(ケイティ・セイガル)は正義感が強い女性。ある大企業が作った人工心臓弁の不具合で大変な目に遭った人々のため、大企業を訴えようと立ち上がります。
アニーは3人の子供がいながら私生活を後回しにしがちで、3度目の結婚も危機を迎えていきます。かなり気が強いアニーはそれゆえに好き嫌いが分かれるかもしれませんが、曲がったことが嫌いな性格はドラマのヒロインとしてチャーミング。ドラマを見るだけで、米国社会の勉強にもなります。
今回の記事は上記のマガジンに掲載されています。
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