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[英語]多読のための読書ガイド

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どんな洋書を選んでいいかわからない人のために! 英語学習雑誌『多聴多読マガジン』の連載コーナー「多読のための読書ガイド」の記事をスピンアウト掲載。 英語多読に精通したプロたちによ… もっと読む
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#洋書多読

「皆で助け合おう、地球を守ろう」~英語多読のための読書ガイド [ノンフィクション]~

ノンフィクション編 ~2024年06月号~執筆:伊藤 晶子 (日本多読学会会員・公認会計士) 皆で助け合おう、地球を守ろう 今回はやさしい英語で世界の諸問題が読める本を2冊紹介します。 どちらもOxford Read and Discoverという子ども向けのノンフィクションシリーズの本です。 このシリーズは鮮やかな写真がたくさん使われていることが特徴で、豆知識コーナーもあり、飽きずに読み進められる工夫がなされています。 1冊目は、Helping around t

「人恋しいゾンビたちのお話」~英語多読のための読書ガイド [ファンタジー]~

ファンタジー編 ~2024年06月号~執筆:石黒 恵介 (会社員) 人恋しいゾンビたちのお話今回はゾンビが主人公の物語を紹介します。 基本的には「動く屍」なのですが、ホラー要素はなく、むしろやたらと人恋しいゾンビが登場します。 どちらも「他人とは明らかに違う自分」を肯定してくれる温かみのある作品となります。 Ghouliaでは、ゾンビの少女Ghouliaが友達作りに挑戦します。 彼女自身は、自分がゾンビであることには何ら疑問を感じておらず、単に個性と捉えています。

「本にまつわるミステリー“Death Sentences”に注目!」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~

ミステリー編 ~2024年06月号~執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ) 本にまつわるミステリー“Death Sentences”に注目! ジェフリー・ディーヴァー、トマス・H・クックなど、名だたる顔ぶれが参加する、本にまつわる短編ミステリーシリーズ、「Death Sentences: Short Stories to Die For」。 一話が15,000語程度と手ごろな長さで、書き手が実力派ぞろいなので面白さは保証付き、と多読におすすめのシリーズ

「David Walliams: うっとうしい気分を吹き飛ばせ!」~英語多読のための読書ガイド [児童書]~

児童書編 ~2024年06月号~執筆:小林 裕子 (桜蔭学園講師・SEG(エデュカ)多読講師) David Walliams: うっとうしい気分を吹き飛ばせ!今号は、梅雨のうっとうしい気分を吹き飛ばす、元気が出る作家の作品をご紹介したいと思います。 David Walliamsは英国ロンドン出身のコメディアン、俳優、脚本家、児童作家です。 代表作はGangsta Grannyで、テレビ映画にも舞台にもなりました。 この作品は、大嫌いなおばあちゃんの家に行かされた男の

「人気作品多数! Penguin Readers」~英語多読のための読書ガイド [多読用リーダー]~

GR/LR編 ~2024年06月号~執筆:古川昭夫(SEG英語多読教室主宰) 人気作品多数! Penguin ReadersPenguin Readersは、Penguin Random House UKが発行する8段階の段階別読み物(Graded Readers、略してGR)です。 大手の出版社が発行している強みを活かし、古典から現代作品まで人気作品が幅広く出版されています。 タイトルの一覧や朗読音声は公式サイト(https://www.penguinreaders

「世界のミステリースポット」~英語多読のための読書ガイド [ノンフィクション]~

ノンフィクション編 ~2024年04月号~執筆:伊藤 晶子 (日本多読学会会員・公認会計士) 世界のミステリースポット今回は、読んでわくわくする世界のミステリースポットについての本を2冊ご紹介します。 どちらも出版社ペンギン・ランダムハウスの子ども向けノンフィクションシリーズの本です。 このシリーズは、Who Was/Is?という伝記シリーズから始まり、What Is?という歴史上の事件シリーズ、Where Is?という世界の有名な場所を紹介するシリーズ等どんどん拡大

「ドラゴンの面倒を見てみよう!」~英語多読のための読書ガイド [ファンタジー]~

ファンタジー編 ~2024年04月号~執筆:石黒 恵介 (会社員) ドラゴンの面倒を見てみよう!今回はドラゴンにまつわるトラブルが巻き起こるシリーズをご紹介します。 「Naughty Dragons」シリーズでは、Ward一家が里親となり幼いドラゴン2匹を預かります。 本作のドラゴンは知能が高く人語を理解し言葉も話します。 ただし、相当にやんちゃ(naughty)です。 目を離した隙に次々とトラブルを引き起こします。 くしゃみ代わりに火の玉を吹くのは許せるとして

「文学的ミステリー A Vintage Shortのすすめ」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~

ミステリー編 ~2024年04月号~執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ) 文学的ミステリー A Vintage ShortのすすめA Vintage Shortは、電子書籍限定の短編作品のシリーズ。 ポーなどの古典作品から現代作家の作品まで、様々な作品を読むことができます。 今回はこのシリーズから文学の香りが漂うミステリーを二編ご紹介します。 一作目はイアン・マキューアンの『My Purple Scented Novel』。 イギリス文学界の大

「Cynthia Rylant : 始まりの季節に」~英語多読のための読書ガイド [児童書]~

児童書編 ~2024年04月号~執筆:小林 裕子 (桜蔭学園講師・SEG(エデュカ)多読講師) Cynthia Rylant : 始まりの季節に今号から新しく担当いたします。 今年度は作家別におすすめの作品を紹介していきます。 日本の4月は厚いコートを脱いで外に出かけたくなる、始まりの季節ですね。 そんな季節にぴったりの、心が洗われるお話を数多く書いているシンシア・ライラントから始めましょう。 ライラントは1954年、アメリカのヴァージニア生まれ、Missing

「気楽に読める短編集 NHK Simple English Readers」~英語多読のための読書ガイド [多読用リーダー]~

GR/LR編 ~2024年04月号~執筆:古川昭夫(SEG英語多読教室主宰) 気楽に読める短編集 NHK Simple English ReadersNHK Simple English Readers は、NHKラジオの英語語学番組『Enjoy Simple English』で放送されたテキストを元に構成された多読シリーズです。 1回5分のラジオドラマが元なので、5分程度で読める1編500語程度のストーリーが収録された短編集となっており、非常に読みやすい学習用リーダー

「みんなのマリオ!」~英語多読のための読書ガイド [ノンフィクション]~

ノンフィクション編 ~2024年02月号~執筆:伊藤 晶子 (日本多読学会会員・公認会計士) みんなのマリオ!今回は、日本の代表的なグローバル企業である任天堂を紹介する本と、任天堂躍進の原動力となったゲーム「マリオ」シリーズの生みの親であるゲームデザイナーの宮本茂氏の伝記を取り上げます。 まず、1冊目は『What Is Nintendo?』。 子ども向けノンフィクションシリーズの1冊です。 任天堂は1889年創業時は花札の製造をしていました。 3代目社長がゲーム機

「不思議な生き物との出会い」~英語多読のための読書ガイド [ファンタジー]~

ファンタジー編 ~2024年02月号~執筆:石黒 恵介 (会社員) 不思議な生き物との出会い今回は架空の生物に焦点を当てた2シリーズを紹介します。 「The Fabled Stables」シリーズでは、この世でふたつといない(one-of-a-kind)不思議な生き物たちが登場します。 主人公Auggieが世話役として働いているStable(厩舎)には、時に遠く離れた場所に繋がるポータルが現れ、彼を冒険へといざないます。 各巻、盗賊団Rooksの魔の手から生き物を救

「子どもが主役のミステリー」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~

ミステリー編 ~2024年02月号~執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ) 子どもが主役のミステリーこのコラムを読んでいる人の中には、子ども時代、自分と同じ年頃の子どもたちが謎を解くジュブナイル・ミステリーを心を躍らせながら読んだという人も多いのではないでしょうか。 今回紹介するのは子どもが主役のミステリーです。 一冊目は『The Mean Girl Who Never Speaks』。 「こども警察」に所属し事件の解決にあたるミアは、「意地悪な子

「災害を生き延びろ! “I Survived...”シリーズ」~英語多読のための読書ガイド [児童書]~

児童書編 ~2024年02月号~執筆:黛 道子(元日本保健医療大学教授) 災害を生き延びろ! “I Survived...”シリーズ今年度も引き続き、chapter books*をご紹介しています。 今回、ご紹介するのは、“I Survived...”という実際に起こった災害を背景に描かれたシリーズです。 歴史を振り返ってみると、地震、嵐、干ばつなどの天災や、戦争、事故、テロなどの人災に見舞われ、人類は何度も危機に立たされてきました。 その衝撃の大きさのため、人々の