視覚障害者の生活の工夫―コーヒードリップ②

以前、コーヒーをドリッパーで淹れることが、私にとっては曲芸技術を極めるような、まるで綱渡り状態で怖いという話を出したら、ある方が、「ティーバッグ式のコーヒーがある」と教えてくださった。

調べてみると、確かに、ある。
慣れていないものを調べることに非常に時間がかかる上、いずれにせよ購入するまでには時間がかかるだろう。と、同時に、これはもしかして、個包装のドリップバッグの点線を切らず、周囲の(コップにひっかけるための)厚紙を丁寧に剥がしてそのままコップの放り込めば同じことができるのでは、と、ふと思いつき、さっそくやってみた。

ちなみに、前回の記事で書いた、ティーバッグを「作る」案、緑茶などを入れるための小さな袋(ティーバッグのようになる)を手に入れたので、それにコーヒー粉を詰めて1回だけやってみたのだが、あまりうまくいかなかった。
というのも、粉を袋に入れるときに、コーヒー粉は細かいためどうしても周りに散ってしまう。また、あまり触るわけにもいかないのでどれくらい入ったか量がわからず、しかも袋の口を閉めるとき(外側に折れ曲がっている袋の口をひっくり返すようにすることで内側に閉じる仕組み)、かなりこぼれた。
そして、コップに入れて湯を注いだとき、やはりしっかり閉じられているわけではないため、隙間から大分コーヒーの粉が外に出てきてしまっていたようだ。
まだ1回目、私のやり方も要領がよくなかったかもしれない。ドリッパーに湯を注ぐよりは断然、恐怖や緊張、危険も少ないため、またいろいろと試しながらやってみようとは思うのだが。

今回は話を戻して。うまく写っているだろうか…。

個包装ドリップバッグを、点線を破って開くところを破らず、周りの厚紙を…剥がそうとしたが、なかなかかなりしっかりとくっついていて時々穴が開きそうな危険を感じたため、ある程度できそうなところまで剥がし、これは普段濃く出るもので、少し量を多く出すことができるので、コップではなくポットの中へ。容量が多いため、液体プルーフの助けも借りず、温感と勘で半分くらいだろうか、注いだ。
その後、箸で何度か上げ下げしたりまわしたりしてみたが、どうだろうか。

当たり前と言えば当たり前だが、ドリッパーで淹れているときと香りの立ち方が全く違う。あまり引き立つ香りがないため、結局飲んでみるまで濃さはわからないと実感。
しかし、それなりにしっかりと抽出はされていた。
もうしばらく入れたままにしておこう。

私にとってはやはり、香りがしっかりと立ってくれることも楽しみのひとつ、朝の行事となっていたので、選ぶことのできる方法が増えたと考えよう。
危険度は高い曲芸ではあるが、やらずにいたら、本当にサーカス芸のようなもので、できなくなっては困る。
やはりドリッパーで淹れる技術の中で、何かうまく危険を減らす工夫を考案することは継続しながら、しかし、あまりスリルを感じたくはないとき、時間があまりない時にはこちらを使おう。
ティーバッグ式も、やはり一度購入してみる価値はありそうだ。
香りが立つように、そして濃く出てくれたら、私としては満足なのだけれども。

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