点字教室 第2回目

第2回 点字教室


点字教室、第2回目に行ってきましたので記録します。

この日は、朝から窓の外から恐ろしいほどの雨の音。
この日は可燃ごみの収集日。階段を少し降りてそこからたった5歩のところにゴミ捨て場があるのですが、白杖と傘なしに玄関から出ることも怖気づき(まだ私の中に、たった5歩のゴミ出しだけのために白杖を出動させたくないという心理がある)、ゴミ箱がまだ半分しか埋まっていなかったことをいいことに、ゴミ出しも断念してしまいました。

そんな日でしたので、どうやら教室の受講生さんおひとりから最初に先生におやすみの連絡があったらしく、それから生徒さん全員に送ったとのことで、私にも先生から「雨風が強くて足元が危ないのでお休みできますがどうしますか?」とメールが来ていました。

連絡はありがたかったのですが、私としては点字は極力早く習得したい、しかも最近の雨をものともしない外出続きで、私自身なんとも驚くほど玄関から外へ出る行動が早くなっており(少し前までは買い物ひとつに玄関どころか部屋の扉を開けるにも何時間もかかっていたのに!)、まあ何とかなるだろうという感覚、更には折角先週からひとりで歩けるようになった高田馬場駅と山口から点字図書館までの道を確実に覚えたいという気持ちもあり、結局、「行きます」という返信をして、少し早めに玄関を出たのでした。

家のほぼ真ん前のバス停からひとまずバスに乗り、ありがたくも優しいかたの声誘導で上野駅まで辿り着き、上野駅のホームで電車を待っていたら……何やら俄かに雨が強まり、かつて聞いたことのないような轟音。ホームの大雨という意味でも聞き慣れていなかったのかもしれませんが、それでも、このまま行って大丈夫だろうかとさすがに怖気づくような音。
しかしながら、ここまできて引き下がるのも、しかも恐らく午後終わるくらいの時間からは雨があがるという予報があったので、とにもかくにも前進し、電車に乗って高田馬場へ。

着いたときには大分小ぶりになっており、傘は差したものの、ゆっくりと誘導ブロックを伝いながら無事到着。

到着してみると、なんと、受講生さん全員おやすみとなったようでした。
中にはお仕事のあとに来るようなかたもおられたようで、危険と判断されたのでしょう。
おかげで、先生をひとりじめ。
まあ、毎回、先生なりボランティアアシスタントさんなりがマンツーマンでついてくれるのでいずれにせよ1対1なのですが、それでも広い部屋で完全に2人きりという何とも贅沢な時間となりました。
しかも、私は前回が初めてで先生がついてくださり、今日は他のかたがついてくださるはずだったので、2連続で同じ先生についていただくこともできたのでした。

点字教室 この日にやったことは…

さて、内容ですが。

私は独学で一応50音は覚えていたということもあり、本当に初めてのかたよりスピードは速いのかもしれませんが。

初回(先週)、一番最初は触覚テスト。これを2枚行いました。
詳しくは前回の記事をご覧ください。
その後、ア行…つまり母音をやって、ア行だけで作られた単語をいくつか読み、
次の用紙をもらうとそこにはナ行が。つまり、3点(読み側では左側下段)に1つ点が加わります。ア行+ナ行の単語をいくつか読み、

そして次の用紙は、「メ」(6点全部)と、ワヲン。つまり、中段と下段だけを使う文字。
ここで早々にワヲンを持ってくる理由のひとつとして、ワやヲが入ると簡単な文章を作ることができる、ということ。
そして、ア行+ナ行+ワヲンで構成された単語たちを読んで…その途中で終わっていました。

そしてこの日は、続きからそのページを最後まで読んだあと、
次の用紙に。
今度は、ハ行でした。
左側の下段(つまり3点)が母音に加わるナ行に続いて、同じく3点+その隣の6点、つまり、母音に下段の2点が加わるのがハ行です。
つまり、3点だけ(ナ行)をやったから、次は3点と6点であるハ行。3点を使うものから制覇していこうという策でしょうか。(と、先生が言っていました。なるほどそういうことか。)

ここからは、単語だけではなく、簡単な短い文章を読む練習にうつっていきました。
「へいわな にほん」だとか、「あの はなわ なんの はな」など。
(ちなみに点字は音を表す<表音文字>であるため、助詞の「~は」と書く場合、ワヲンのワを使います。同じく、例えば行き先など「~へ」と表したいときは、アイウエオのエを使います。点字は意味文字である漢字がなくすべて50音表記のため、haと読んだりwaと読んだりする「は」などを文章の中で使い分けられると、どちらと読むのか予測できなかったり、別の意味の単語にも読めたりしてしまい、誤読してしまうわけですね)

さて、次は…
カ行でした。
3点が抜けて、6点のみ。
先生が仰るには、これで「3点」を打つ子音は制覇したので、さあでは満を持して右側の点に行こう、ということではないかなと。

ア行・ナ行・ワヲン・ハ行・カ行で構成された単語をいくつか読み、その後、同じくそれらで構成された文章をいくつか読みました。

この日はもう1枚。
次は…ラ行!
さっき(カ行)は6点だったのが、一個上(中段)にあがり、母音に5点を加える形。そして、つまりは、上4点(上段・中段)のみで構成される5音。

ラ行の文字をランダムにしばらく読んだあと(上に書いておりませんでしたがすべての行のページでこれは最初にやっています。)、
ア行・ナ行・ワヲン・ハ行・カ行・ラ行で構成された単語をしばらく読み、その後また、これらで構成された文章を。
「はわいの ほのるるに いく」など、それなりに単純ではありますが意味を成す、メッセージや書置きにもできそうな文章も出てくるようになりました。


この日は、ここまで。
あとは、サ行、タ行、一番点数の多くなるマ行、ちょっとイレギュラーなヤユヨをやったら、50音制覇となります。
この日、3つの行をできたのだから、次の一週間で読みをもう少し確実に早く読めるよう鍛えて行けば、次回で50音制覇を目指すことができるかもしれない……私の友人たちが点字を手伝ってくれたり新しく点字に興味を持ち出して私をあっという間に追い越さん勢いで習得し出したりして、私も勢いづいています。

点字教室 その後/点字のコツ

更にこの日、雨で自立訓練の訓練生たちもおやすみが多かったのか、それともそうでなくとも待っていてくださったのかわかりませんが、点字教室の終わり頃を見計らい日点で最初に話を聞いてくれその後も何かと気にかけてくださっているスタッフさんが声をかけてくださり、先週お話させていただいた機械の音声操作などの情報に強いスタッフさんに繋いでくれてまたいろいろと相談してくることもできました。


しかし、点字教室に通い始めてこの2週間で何より気付きを得たのは、「読み」は、「慣れ」。
指の感覚は今更…だとか、私の指はそんなに敏感ではないから…とか、こんな小さな点の指先弁別閾ぎりぎりのものを感じて判別するのは神業の特殊能力だろう…とか、そんなものはただの言い訳に過ぎないと身体でさとりました。
墨字で文字を習ったかたも、小さい頃~中学くらいまで、国語の授業で「はーい次はこれですよー」と次々、文字や常用漢字が出ていくつもいくつも練習してくる宿題を出され、「こんなにたくさん覚えられるか!!」…と、なりましたよね。
あの時は、こんなものを全部覚えているのはきっと博士だ、国語の専門家だ、なんて思っていましたが、今や普通に日常で何とも思わず、手が勝手に書いているくらいに使っていますよね。

それと全く同じ状況なのだと、つくづくさとっているこの2週間です。
というのも、ただただ、しかも今までの独学と違いちゃんと決まった文字・行ずつだんだん増やしながら触っていくと、そして毎日、点字が少しずつ身近な存在になり、触れる頻度が多くなっていくと、いつの間にか読めるようになってきている。そして、頭ではしばらく考えていても、実は身体が先に「ナ」とか「へ」とか、形で覚えていてそれを認識して、実は身体のほうが先に答えてくれているという文字も随分増えてきました。

この日、帰りに、山手線のホームドアの点字プレートを読んでみました。
山手線は本数が多く待ち時間が短いので流石に数分では読み切れませんでしたが、予測もあわせれば、「……やまのてせん(……の部分は、実は何かテープのようなものが貼ってあり点がわかりにくく読めなかった)/いけぶくろ うえの ほーめん いき/7ごーしゃ 4ばん どあ」あれ?もう一行あって全部で4行読んだような覚えがありますが…まあ、こんなところ、いつの間にか読めるようになっておりました。
そして、数符(数字の前に数字を表す記号がつく)が出てきた時に、「お、数符だ」と判別できるようになった。これは、やはり50音の中にない、という判断が早くなるための50音へのまんべんない慣れと、数符そのものに対する慣れでしょう。

こうなってくれば、もう、文字というものを読めるようになってきた小さな子どもが街を歩きながら意味なくあらゆる看板の文字を手あたり次第(目あたり次第?)読み上げまくるような状態ですね。(笑)

そうして、初めて文字という新しい世界を知った子どもは育っていくのです。

机の上にいつも、レシートの裏紙(資源をそのまま捨てるのも…という感覚もあり)にその日や近日中のタスクなどの覚書をしており、これを私は午前中に視覚に負担をかけながらがんばって使っている癖があったのですが、視覚の負担を減らす一助・視覚に頼って見落とす危険を減らす・点字の訓練、という一石二鳥三鳥を兼ね、机の上の覚書を点字に変えよう、メモ帳と小型点字器を常に手元に置いて置き、しょっちゅう触れるようにしてメモもすべてこれに切り替えよう、と決意。

そうでなくとも、日点のスタッフさん達も、私が日常いかに視覚の負担なく過ごす工夫ができるようになるか、手を尽くして一緒に考え共有してくださっているのだから。こんな無駄なところで負担をかけていては。


駅の券売機がしゃべる?!

そして…この日の収穫、もうひとつ。
何せ大きな部屋を先生と2人きりでしたので、点字をやりながら雑談にも花が咲きました。
その中で、ICカードのチャージや残高確認などはどうしていますか?と。
駅員さんに全部お願いし、残高確認はたまに都バスに乗る時に運転手さんに見ていただいている、というと、
「駅の券売機がしゃべるの、知ってます?」

…券売機がしゃべる!なんと!

券売機はほとんど電子画面操作で、電子画面操作なのにも拘わらずなぜだか電子画面を見て操作せねばならない横のボタンたちにだけ点字がついていて、その点字も案外間違いが……というような印象がありました。
その券売機が、まさか音声操作ができるなんて。

これは、実は私はまだ試しておりません。
近日中に、試す予定ですので、また報告いたしますが…

話によると、たまにボタンが固かったり結局うまくしゃべらない、壊れている子もいるようなのですが、
券売機は、電子画面があって、その下?斜め下?あたりに、テンキーがあるそうですね。実は私は券売機自体ほとんど触っていないので、券売機にどんな配置で何がついているのか良く知らないのですが…
このテンキー、電話と同じ配列だそうです。つまり、左上から1,2,3。次の横列が4,5,6。次が7,8,9。4つ目つまり一番下段の横列がアスタリスク記号、0、シャープ記号だそうです。
この、アスタリスク記号(つまり左下のボタン)を押すと、音声案内が始まるのだそう。
ただ、注意は、ここでしゃべらない子がいるそうです。
なので、アスタリスクを押して、しゃべってもしゃべらなくても、その次に「2」つまり上段の真ん中のボタンを押すと、音声案内で「チャージ」になるそうです。
その後、音声で、「カードを入れてください」なり言ってくれるそうなのでその声に従って操作すれば、チャージができる。入れる金額も、テンキーで指定できるそうです。
チャージと同じ操作でカードを入れると、「現在残高〇〇円です。チャージ金額を入力してください」のように言われるそうなので、この時に残高確認ができる。確認だけで良ければ、そのまま、左の方…と言っていたかな?「取り消し」ボタンがあるそうなので、これを押せば残高確認だけできる、というわけですね。
ただここでも注意は、取り消しボタンと一緒に、大抵「呼び出し」ボタンがあるそうで、間違えると駅員さんが来てしまう(笑)
ただ、取り消しボタンには「とりけし」、呼び出しボタン脇には「よびだし」と、点字表記があるそうなので、濁点記号のない方、もしくは最初の文字が「と」の方を選びましょう……いや、やはり最初は一応ちゃんと4文字全部解読してからの方が良いですね。

私自身、また試してみてから、新しい記事にて追って報告いたします。

駅の券売機の音声案内、これはどこにもできるなんて情報、ないので、知る人ぞ知る技なのだと思いました。

ICカードの残高確認は携帯電話でいつでもできる

他、携帯電話を扱えるひとは、さすがにチャージはできませんが携帯電話をかざすだけでICカードの残高確認をすることのできるアプリケーションがあるそうです。

ATMも喋るのですよ

それから…私は既に何回か使い…ながらほとんど結局職員さんに頼んでしまうのですが、ATMも横の受話器で音声操作ができます。通帳記入と預け入れができます。振込は音声操作ではできません。
ちなみに私が最初、迷った(確かここの記事でも書いた気がします)のですが、ATM操作でも受話器をとった途端に最初に「アスタリスクを押せ」と言われます。アスタリスクの位置は、電話配列と同じテンキーだと一番下段の一番左、つまり全体では左下のボタンがアスタリスクです。
ATMでも券売機でも音声操作で使う…そうか、これは、覚えておいた方が良いらしいと私は判断したのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?