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ジャコ・パストリアスとアナキズムと

ジャコ・パストリアスを初めて聴いたのは中学生の時、確かラジオの追悼特集番組で。
その時は「超速速弾きの人」くらいの認識しかなかったけれど改めて聴き直してみたらもう、、、ギターを弾いているのかと思うほどメチャクチャメロディアスで、、、。
もう、、、何でこんなにベースが歌っているの!!!
それにあのハーモニクスは何だろう?? 
あんな音は誰にも出せない!!
これほどエモーショナルな、メロディアスなベーシストは私が聴いた限りではまずいないし、まるで誰の影響も受けていないかのような
音もフレージングも唯一無二。
このクリエイティビティの純粋性とオリジナリティはきっと度が過ぎたんだね。

これは誰が聴いても不世出のミュージシャン、文句なしにファースト・コールでしょう。
でも惜しくも35歳で亡くなってしまった、、、悲し過ぎる。
晩年の彼は変人扱いされてジャズクラブからもしめ出されホームレス状態になり、ニューヨークの公園でベースを抱えたジャコが目撃されている。
もうこの時の彼はどんな人の助けも借りなかったという。
周りから見れば彼は完全にイカれた人なんだけど、私の目には彼は自由と尊厳を徹底して守ったようにしか見えないのだ。

肉体的にはボロボロだったけれど、
彼はミュージシャンとして最も大事なものを誰かに明け渡すことがなかった。
自分の寿命は早めてしまったけれど、ミュージシャンとしては理想的な生き様だと思う。
幸福とは決して他人がジャッジ出来るものではない。
周りからすればもっと生きて欲しかった、もっとたくさん演奏を聴かせて欲しかったのは分かる。
彼の肉体はこの世から去ってしまったとしても
彼のスピリットは間違いなく多大な影響を及ぼしている。

結局、行き着くところはアナキズムなのか。
自由を阻害するものをことごとく排除して、真の純粋性だけを掴みにいく。
破壊された廃墟のような狂気の先にある儚くも絶対的な美を見るようなイメージ。






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