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少年隊35th anniversary BEST 通常盤〜勝手に解説編(Disc 1) 「仮面舞踏会〜ABC」

【Disc 1】
01. 仮面舞踏会
02. デカメロン伝説
03. ダイヤモンド・アイズ
04. バラードのように眠れ
05. STRIPE BLUE
06. 君だけに
07. ABC
08. LADY
09. SILENT DANCER
10. ふたり
11. What's your name?
12. じれったいね
13. まいったネ 今夜

『少年隊35周年記念BESTアルバム通常盤』はこちらからも予約可能のようですので、よろしければご利用ください。


【森泉スミレによるアルバム解説編】

『仮面舞踏会』 85.12.12発売 オリコンチャート1位 
作詞 ちあき哲也 作曲 筒美京平 編曲 船山基紀
累計売上数 478,010枚

少年隊のデビュー曲であり、最大のヒット曲。
巷で「少年隊」と言えばこの曲と「君だけに」をイメージすると思う。
イントロがとてもインパクトのある曲なので
リアルタイムで耳にしていた世代の方ならきっとフレーズを憶えているだろう。
アレンジャーである船山氏にとってものすごいプレッシャーだったとか。
最初の何かが崩れるような音は実は打ち込みではなく
SHOGUNというロックバンドの大谷和夫氏による手弾きで制作。
このイントロの変拍子のリズムの違和感が何度も巻き戻したくなる。
昭和歌謡の濃いテイストとちょっと照れてしまうようなエロティックな歌詞。これは矢沢永吉などを手掛けていたちあき哲也氏に、錦織氏のリクエストで依頼した。
実はTYPE A,B,Cと3種類あってA面に仮面舞踏会、カップリング曲にそれぞれ違う曲が収録。
B面にはTYPE A 「春風にイイね!」TYPE B 「ONE STEP BEYOND」は全英語詞 TYPE C 「日本よいとこ摩訶不思議」はヨッちゃんこと野村義男作詞作曲隠れた名曲。


『デカメロン伝説』 86.3.24発売 オリコンチャート2位 
作詞 秋元康 作曲 筒美京平 編曲 新川博
累計売上数 269,570枚

この曲はニッキの声をサンプリングしたものと「ドレミラ〜ミレド ラシドミ〜ドラソ」という音階を歌うちょっとコミカルなイントロは面白い。
曲中の至るところに仕掛けのような部分があるが
歌詞がイマイチ曲に乗り切れていない感が否めない。
シングル売上としては3位を飾っているのだけども、
私にとってはこの曲で「チャラい」というイメージがついてしまった。
少年隊には光GENJIのようなチャラ可愛らしいイメージは似合わないのではないでしょうか。



『ダイヤモンド・アイズ』 86.7.7発売 オリコンチャート1位
作詞 川田多摩喜・神田エミ 作曲 長沢ヒロ 編曲 戸塚修
累計売上数 144,700枚

作詞は川田多摩喜、神田エミのお二人の名義となっている。
川田多摩喜氏は久保田早紀、原田知世など様々なアーティストの楽曲などを手掛けておられるが詳しい経歴は不明。
神田エミ氏は「新婚さんいらっしゃい」の初代司会者という面白い経歴をお持ちの方である。
他、少年隊『PLAYZONE “MYSTERY”』の6曲の作詞も手掛けておられるようだ。
作曲家はベーシストで近藤真彦などにも作品を提供。
この曲とカップリング曲の「レイニー・エクスプレス」との間で
どちらをA面にするか事務所内で揉めていたと何処かで聞いたことがあるが
確かにどちらも捨てがたい。B面は個人的に大好きな作家、宮下智作詞作曲の作品でちょっぴり切なくなるような歌です。
編曲の戸塚修氏は近藤真彦の「愚か者」のアレンジを担当した人。



『バラードのように眠れ』 86.11.28発売 オリコンチャート1位
作詞 松本隆 作曲 筒美京平 編曲 馬飼野康二
累計売上数 230,660枚

さて、ここからゴールデンコンビの作家陣の参加で勢いを増す少年隊。
歌詞もサウンドもとてもカッコイイ。
この曲以前にどことなく存在していた昭和歌謡の匂いがフェイドアウトして
洋楽マニアが唸るような洗練された曲を次々と打ち出して行きます。
私が知りたいのは作家だけでなく、参加ミュージシャンの名前。
誰が演奏されているのか気になりませんか?
ご存知の方がおられましたら是非教えてください。              
歌詞の中に出てくる電話番号「4009」を「フォー・ダブル・オー・ナイン」と読むパートがありこれをヒガシが担当しているのだが、ヒガシの「FOUR」の発音が意外にも英語らしくて良かった。これは喜多川氏のこだわり?



『STRIPE BLUE』  87.3.3発売 オリコンチャート1位
作詞 松本隆 作曲 筒美京平 編曲 馬飼野康二
累計売上数 251,590枚

この曲はミュージシャンの間でも人気が高い一曲。
タイトル通りの白地に青のストライプの衣装は、私的に納得いかなかった覚えがある。ちょっとベタ過ぎない?縦縞ストライプといい、デカメロン伝説のメロンといい。(衣装がメロン色)
そんな事はともかくとして、この曲、さすがゴールデンコンビだけあり
今聴いても全く古さを感じさせない素晴らしい曲。
夏の儚さのような、若さ溢れる爽やかな少年隊をこの一曲にギュッと閉じ込められていて、レコードに針を落とすひと時だけのタイムトリップがいい。
少年隊の曲はベースラインがカッコイイ曲が多い気がする。
誰が聴いても文句なしの名曲揃いでしょう。


『君だけに』 87.6.24発売 オリコンチャート1位
作詞 康珍化 作曲 筒美京平 編曲 馬飼野康二
累計売上数 287,500枚

個人的にはもっと再評価されるべきと思っている作詞家の康珍化さんの作品ですが、女性が男性から最も聞きたい言葉をアイドルに言わせているのがニクイ。
わかっちゃいるけど聞くのをやめられない。
そしてエンディングのSpace感、この余韻の持たせ方に職人技を感じる。
この曲は少年隊主演のSF映画「19ナインティーン」の主題歌にもなっていたので
どこかムード音楽っぽい浮遊感のあるアレンジになったのでしょうか。
編曲者の馬飼野康二さんは映画音楽をBGM用にアレンジするお仕事をされていたようなのでここが腕の見せ所だったのかも知れない。
ちなみにこの映画の原作と脚本は作詞家の康珍化氏が担当。
あと、「君だけに」は美しい振り付けでも有名ですが、
振付師の山田卓氏は譜面が読める方で、あの振り付けは楽譜を見ながら作られていたのだそう。あの指を鳴らすチップ音も山田氏のアイデアとか。
少年隊メンバーの錦織氏曰く、この曲はそれまでのようなリズミカルな曲調とは違うスローな曲で結構物議を醸した曲だったらしい。
それをあの振り付けで美しくまとめたのが振付家の山田卓氏。
記憶に深く刻まれている方も多いのではないだろうか。曲と踊りが一体となり、全てが有機的に機能した作品。これはヒットしないはずがない。
後に少年隊の代表曲の一曲となった。


『ABC』 87.11.11発売 オリコンチャート1位
作詞 松本隆 作曲 筒美京平 編曲 船山基紀
累計売上数 254,170枚

さて、この曲は私が少年隊の曲の中で最も好きな曲であり、
これは作曲家筒美京平の最高傑作の一つなのではないかと思っている。
松本隆さんとのコンビは最強であることを証明したような曲でもありますね。
私が80年代に於いて最もその名を強烈に脳裏に焼き付けたのは
やはりこの御二方なのです。このコンビでの作品が86年〜87年にかけて
「バラードのように眠れ」「STRIPE BLUE」と続き、
「ABC」でそのパワーがピークに達した。
機が熟した感じがあったのをリアルタイムで肌で感じていた。
この曲もミュージシャンの間で人気が高いと聞く。
Tats Yamashita氏もお好きのようで。
ノーナ・リーヴスの西寺郷太氏もこの曲を絶賛されているが、
本当に人気の高い作品なのである。
ゴージャスで厚みのある、アナログとデジタルの絶妙なバランスで融合しているサウンドは今聴けそうで聴けないと思う。
私が以前から述べているのは、やはり80年代歌謡曲は85〜87年が黄金の時代だった。
まるでパズルのピースを合わせたように
少年隊3人の声にぴったりとマッチしてうまくブレンドしているのが素晴らしい。
アレンジはデビュー曲「仮面舞踏会」を担当した船山基紀氏で
プロデュース側も並々ならぬ力を注いでいたことがうかがえる。
パフォーマンスでマイクスタンドを蹴るところがあるのも有名なのではないだろうか。
どこを取っても「ABC」が最強の一曲でしかない。

(参考:Wik! https://w.atwiki.jp/orideta/pages/118.html


「少年隊」とは
田原俊彦や近藤真彦のバックダンサーなど、数年間の下積み期間を経て
1985年12月12日『仮面舞踏会』でレコードデビュー。
デビュー時のキャッチフレーズは「日本発、世界行」
デビュー当時のレコードレーベルはワーナー・パイオニア(現ワーナー・ミュージック・ジャパン)全米デビューも予定されていた。

1986年に少年隊主演ミュージカル「PLAYZONE」開幕。
その後2008年までの23年間に渡って、毎年オリジナルのミュージカルを上演していた。
この間少年隊としての音楽活動だけでなく、それぞれ個人での舞台、映画、テレビ番組、ラジオ番組出演など多岐に渡って活動している。
2008年のPLAYZONE公演を最後に、現在までグループとしての活動はほとんど行われていなかったが
2020年9月20日、メンバーである錦織一清と植草克秀が同年を以てジャニーズ事務所を退所することを発表した。
尚、東山紀之は今後も事務所に残って活動をする。グループとしての活動は事実上活動休止ではあるが、同事務所所属のグループとしての「少年隊」という名前は存続する。
2020年12月12日、デビュー35周年の記念として、全シングルベストアルバム 『「少年隊」35th Anniversary BEST』をリリース予定。
完全受注生産限定版では全シングルを含め過去にリリースされた楽曲の新録音版、未CD化の曲も収録。(現在、受注生産限定盤の申し込みは終了しています。)


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