見出し画像

話を聞いてもらうことがパワーになる!

新型肺炎拡大の影響によって自宅で過ごす時間が長くなればなるほど、未来について考えることが増えていませんか。

コロナショック後の未来については、多くの人々が「こんな風になるのではないか」と予想しつつも、誰にもまだ明確には描けず、今後の自分や自分を取り巻く環境について考え始めると不安で押しつぶされそうになってしまうという方も少なくないかと思います。

私もその一人ですが、意識的にオンラインでミーティングやセッションなどを通して他者とコミュニケーションを取ることにより、励まされることが多いなと感じています。不安で悩んでいる時ほど人との対話が大きなパワーになるなと感じています。

今に限らず、私自身何度も人との対話によって救われたことがありますが、今回は「誰かに話を聞いてもらうこと」のパワーを客観的に感じることができた経験についてお伝えします。

ある経営者に対してコンサルティングを行った時のエピソードです。


「こんなこと誰にも話せなかった。スッキリした!」

創立30年、20名規模の技術系企業経営者からのご相談。

「社内にはどんな課題がありますか?」と質問をしたところ

「社内の雰囲気がとても悪い・・・」とのこと。

詳しく話を聞き進めていくと、社長がどんどんヒートアップしてきて、話が止まらない止まらない・・・自分自身の生い立ちから会社を設立した時の話、現状に対する課題、不満、社員に対する思いなど、話が出てくる出てくる。

・事業を起こした背景

・売り上げが良かった時期の社内の状況

・事業低迷により社員を一気にリストラ、ナンバー2である常務と二人だけで昼夜必死で働き続けたこと

・事業が持ち直して改めて「強い組織を作ろう」と社員を厳しく教育した過去

・全部自分でコントロールしないと事業が進まないと「管理すること」に躍起になったこと

・常務と現場社員の仲が悪く、常務を飛び越えて社長である自分に仕事の相談がくるということへの不満

・常務としては部署のリーダーに現場を仕切って欲しいと思っているが、リーダーと常務のコミュニケーションがうまく取れていない

・長い間一緒に頑張ってきた常務には「言わなくてもわかる」という仲だと思うが、最近の彼の言動が社内不和の原因になっていると感じている

・社長である自分としては、もちろん社員を大事に思っている(けど厳しくしていた過去から今更それを社員には言えない)


ひとしきり様々な話が出たところで、現段階で何が起きているのか、このように整理し少しだけ助言をしました。

画像1

社長からの情報で考えられることは、3つの関係性で不和が起きてしまっているということ。

①社長と常務の関係性

②常務と現場の関係性

③社長と現場の関係性

対話を促したり、それぞれの役割を明確にして相手を理解するための仕掛けを考えたりと、それぞれの関係性を構築するためにどんなアクションが有効かアドバイスしました。


本来であれば、社長の話だけではなく、常務、主任、現場の方々からのヒアリングや定量的なデータなども分析して、課題に関する真因を深掘りする必要がありますが、一旦現状を整理するという視点でコンサルティングを実施しました。

組織コンサルタントとしては、これからがスタートというところですが、話を終えて私のアドバイスを聞いた社長の感想として

「なんだかスッキリした!こんなこと誰にも話せないしね。」

というコメント。

「自分ではわかっているつもりだったけど、やっぱり社長である自分と常務が向き合っていないことが、今の雰囲気を作ってしまっているんだよね。まずは常務とゆっくり話をしてみるよ。ありがとう!!

とおっしゃって清々しい表情で帰られました。


その後、何度か社内の変化をご報告いただいていますが、最近でも

「自分が現場に入りすぎていたような気がして、今は自ら手放してみているよー。どうなるかはこれからだけど、アドバイス受けたことを踏まえて様子を見ながら進んでみる。話を聞いてもらえて本当によかったさー!また何かあったら相談させてくださいねー」

という明るい反応が多く、毎回社長からの近況報告が楽しみの一つになっています。


自分の現状や思いをアウトプットするだけでパワーになることがある

コンサルタントとして、こちらの社長に対しては特別大きなサポートをした訳ではありません。ただ社長の話を聞き、現状を整理しただけ。

話を聞いてもらい、現状を整理するだけで、こんなにも人が軽やかになるのかと驚きました。コンサルティング後に社長のとても明るくスッキリした表情を見て、「話を聞いてもらうこと」がいかにパワフルなのかということを客観的に実感することができました。


最後に

経営者に限らず、現状や思いが自分の中だけでぐるぐると回って、何かモヤモヤとしてしまっているという方々は多い気がします。

特にこのご時世。コロナショックによって、あらゆる制限をかけられ、自宅で悶々と過ごす方にとっては、なおさらではないでしょうか。


そんな時は、一人で抱え込むのではなく、友人や仲間、心許せる人、信頼できる人に、自分の話を聞いてもらいませんか。心が軽くなりますよ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?