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「自分でやった方が早い」がチームをダメにする

ある企業の管理職Aさんの話。

先日Aさんから
「波上さん、私やってしまいました・・・。せっかくチームがまとまりつつあったのに、余計なことしちゃいました・・・」と報告がありました。
彼女のチームは、10代から60代まで幅広い年齢層のメンバーで構成されていて、雇用形態もさまざま。「みんなが働きやすく、できるだけ自分がいなくても現場が回るような環境を作る」という目標を掲げて、Aさんは真摯にチームに向き合っていました。個性的なメンバーもいて当初はなかなかまとまらなかったチームでしたが、彼女は一人ひとりの声を拾いつつ、メリハリをつけてうまくチームをまとめていました。
そのうちチームメンバーの意識も上がり、できるだけみんなで助け合って日々の業務に取り組んでいこうという状態にチームが成長していました。


そのような中、先日のこの発言。

何があったのか詳細を聞いてみました。
どうやら、ある業務に対してみんなでやろうと決めているのに、特定の人だけしかやっておらず負担になっているという不満を、メンバーの1人から聞いたとのこと。
そこでAさんがどういう行動を取ったのか尋ねてみると
「みんなが公平に業務を担当するように、私がルールを決めて分担表を作ってしまったんです」とのことでした。

さて、なぜAさんは自分の行動を「やってしまった・・・」と感じているのでしょうか。あなたがチームワークを高めるために、メンバーの主体性を大事にしているリーダーなら、その理由にすぐに気づくはずです。

リーダーとは任せて見守るのが仕事

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従来の管理型組織では、上の階層が意思決定をしてそれを下位に下ろして指示を出すといういわゆる上位下達が有効な方法でした。ところがこれだけ変化のスピードが急速な中、常に上が物事を決めるというパターンでは変化に適応できないと言われています。

特にコロナ禍において、常に顧客に接している現場の声やアイディアは経営の観点でも重要なリソースの一つであり、組織のメンバーが主体的に考えて意見を交えることが不可欠です。

そのような環境におけるリーダーの役割とは、組織やチームの方向性を示しつつ、ある範囲の秩序の中で、メンバーに仕事を任せて、メンバーが考えて動けるように後方支援することです。リーダー自身が決定し部下に指示を出し、その命令に忠実に動く兵隊のような人を育てるのではなく、この状況だとどうすればいいのか考えさせて、みんなで話し合ってみんなで決めていくというチームにすること。そのための環境を整えることがリーダーの仕事です。


(チーム状態によっては管理型の方が有効な場合もありますが)Aさんのチームの場合、メンバーの意識も高まりチームとして次のステップを上がっている段階です。そういうチームの状態であれば、課題に関してみんなで意見を出し合って、どうすることがいいのか決めるということができるはず。
現場からの意見を出し合って解決策を決定した方が、メンバーの納得感が深く、メンバーが自分ごととして主体的に動くということを、Aさんは理解しているのです。
ところが、つい「自分が決めた方が早い」と拙速に結論を出してしまったことをAさんは「やってしまった・・・」と感じたのです。


手放そう

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「部下が受け身で困っている」という悩みを抱えているリーダーほど、部下に「任せる」「委ねる」ということができていないケースが多いと感じています。つい自分が決めた方が上手くいくとか、そのほうが早いという思いから、自らが先導して物事を進めてしまい、結果、部下は指示待ちの状態になっているのです。部下に受け身になってほしくないと思いつつ、実際は自らそう仕向けてしまっているのです。

といいながら、私もつい「自分が考えた事業だから自分がやった方が早い」と抱え込んでしまうことが多いので、リーダーの気持ちは共感できます。
でもいつまでも自分で抱え込んでしまうと、部下が育ちませんよね。
さらに言うと、こうした行動は部下やチームの成長の機会を奪っていることになりますね。

任せて、見守る。

忍耐がいることですが、リーダーが抱えているものを少しずつ手放してみましょう。
すぐに成果を求めずに、一段一段階段を登るように、部下やチームの成長を後押ししてみましょう。最初は背中を押してあげるために大きなエネルギーが必要かもしれませんが、そのうちリーダーが背中を押さなくても、メンバー同士で自ら階段を軽やかに登り始めますよ!



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