見出し画像

足の臭いと汗に悩んだら...

通常よりたくさん足をかく多汗症という病気があります。女性よりも男性に多く、高齢者より若年者に多いのが特徴です。国際多汗症学会によると人口の約3%が多汗症に悩んでいると言われています。

遺伝性があることはわかっていますが、正確な原因はわかっていません。通常は暑いと汗をかきますが、多汗症の方は暑い時に限らず足をかいてしまいます。

足の臭いが気になる方は、実は多汗症によって靴や足が細菌の巣窟になっているのかも。
足の裏に大量の汗をかくため靴の中がビショビショになり足が滑ってしまいますし、いつも汗をかいて皮膚がふやけているので細菌が増殖しやすく、白癬などの感染も多いです。

緊張したシチュエーションでは気づかれることを心配してますます汗をかいてしまいます。足の裏が多汗症の人は手のひらもたくさん汗をかくことが多いです。
10代のうちは特に手の汗と足の臭いが気になって不安神経症になる方もいるぐらいです。

自宅で出来るケア
足をしっかり毎日洗うことはもっとも重要です。抗菌石鹸で毎日足、特に足指の間までをしっかり洗うこと。洗い終わったらしっかりと拭き取って乾かし、乾燥のためのパウダーをつけること。汗を閉じ込めるのではなく放散するようなタイプのソックスをはくこと。制汗剤なども有効です。綿100%のソックスは湿気を吸収しますが放散しないため避けた方がよいでしょう。
一日何度かソックスを交換するのもいいでしょう。学校や職場に行くとき何枚かソックスを持参して日中に交換するようにしましょう。

診察と治療

重症度の判定はStruttonらが自覚症状により以下の4段階に分類したHyperhidrosis disease severity scale(HDSS)を用います。
 (1)まったく気付かない、邪魔にならない。
 (2)我慢できる、たまに邪魔になる。
 (3)どうにか耐えられる、しばしば邪魔になる。
 (4)耐えがたい、いつも邪魔になる。
 このうち(3)、(4)が重症です。またヨードデンプン法という検査法もあります。

治療は症状によって可能です。市販の制汗剤もありますし、塩化アルミニウムを塗布するのも有効です。ボトックス注射は汗腺の筋肉を麻痺させることで6-9か月効果が続きますので、春に注射することで春夏はさらっとした足になり、そして冬には乾燥し過ぎないようにすることが可能です。重症の方には腰部交感神経節ブロックを行う場合もあります。


医師に行くべきタイミング
 足の裏の汗が多いと思う人は皮膚科や形成外科を受診してください。多汗症の方は足や手の汗だけでなく、腋窩や顔や頭部の汗も気にしている方が多いです。下北沢病院足の美容外来でもボトックスや塩化アルミニウムの治療が可能です。

足を清潔に保つ日ごろの努力で多汗症の二大合併症である足の臭いや感染症は防ぐことが可能です。それでも足の汗と臭いに悩んだ方は当院にご相談ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?