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藤黄色の龍

嫌なことがあった日は、

娘と同じ歳の龍のカイちゃんが私のもとにやって来て私を乗せてくれる。

黄色とも金色とも言えない美しい色と、毛並みという方が近いふかふかした体。大きな頭に身をもたげたり、すりすりしたり、私をぐるぐる巻にして包んでくれたりする。

今日も少しの嘘に心が痛んで変な脈になったので、それを察知したカイちゃんはすぐに飛んできた。

「あーカイちゃん。ありがとう。」

カイちゃんを触ると身体中がざわついて、電流が流れたような感覚になる。気持ちいい。

鳥肌って言うと、何となくヤバいんじゃね?って思われそうだけど、鳥肌にちょっと近い。でもとても心地よくて電気風呂に入ってるみたい。


(カイちゃん、タビトって本当に平気で嘘をつくのよ。その些細な嘘が少しずつ溜まっていくんだよね。)って言わない。

カイちゃんには言葉がいらない。話さなくてもゆったりと癒されていく。

カイちゃんかわいい。カイちゃんの主であるお姫様もとても穏やかで優しい。

あぁまたあの海に行かなきゃ。絶壁の社を想い浮かべる。

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