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勝手に鉄道検定:219問目

難易度 : ★★★★★★★★★☆(Lv. 9)

【問219】2021年1月現在、日本で唯一のアプト式機関車が活躍する区間として正しいのは「アプトいちしろ駅」から何駅までの間か?

1. 長島ダム駅
2. ひらんだ駅
3. 奥大井湖上駅

明日1/25(月)の11:45頃までは、Twitterにて実際にご解答いただけます。
現在解答できる鉄道検定のツイートは、固定ツイートに設定しています。
https://twitter.com/cosine_travel


ご覧いただきまして、ありがとうございます!
「勝手に鉄道検定」の記事は、2部構成となっています。

・問題の「出題
・前の問題の「解答・解説」(簡易版)


この記事では、下記の内容をお伝えします。

・問219の「出題」
問219 : アプト式機関車が走行する区間

・問218の「解答・解説」(簡易版)
問218 : 在来線や新幹線における軌間の説明

※「出題」は、記事の冒頭にてさせていただきました。

問211~問220のテーマは、「線路・設備」です。
主に線路など、鉄道が走るための設備に関する問題を出題します。
問211から問220にかけて、難易度がどんどん上がっていきます

詳しい「解答・解説」は、こちらの記事をご覧ください。
※上記の記事は、「1/26(火)」から閲覧可能となります。

「勝手に鉄道検定」の問題一覧は、下記の記事にまとめています。


問218の「解答・解説」(簡易版)

正解は、「3. 広軌」です。
1435mmの軌間は、広軌ではなく標準軌です。

2本のレール間にある幅のことを軌間(きかん)、またはゲージ(Gauge)といいます。
このお話は、問213でも扱いました。

ゲージという言葉は、鉄道模型のNゲージで知ってる方も多いと思います。
Nゲージは、軌間が9mmなのでNineの頭文字を取ってNゲージです。


鉄道模型なので9mmと狭いですが、実際の鉄道ではもっと広いです。
ここで、日本で使われているゲージの種類を説明します。
そのゲージを採用している路線の例も紹介しています。

ナローゲージ
軌間 : 762mm
特徴 : 建設費が安価な軽便(けいべん)鉄道で多く使われた
例 : 三岐鉄道北勢線、四日市あすなろう鉄道(内部線・八王子線)

狭軌(きょうき)
軌間 : 1,067mm
特徴 : 現在、JRの在来線のほぼ全てで採用されている
例 : JR山手線、名鉄名古屋本線、近鉄南大阪線、三岐鉄道三岐線

馬車軌(ばしゃき)
軌間 : 1,372mm
特徴 : 馬車鉄道で多く使われた
例 : 京王京王線、都営地下鉄新宿線、函館市電(2系統・5系統)

標準軌(ひょうじゅんき)・国際標準軌
軌間 : 1,435mm
特徴 : 現在、全ての新幹線一部の私鉄線で採用されている
例 : 東海道新幹線、JR田沢湖線、京急本線、近鉄大阪線

三岐(さんぎ)鉄道近鉄のように、同じ鉄道会社であっても路線によってゲージが異なる例もあります。

標準軌であるJR田沢湖(たざわこ)線も、元々は狭軌でした。
とある理由から、狭軌から標準軌へとゲージを変えることになりました。
このように、ゲージを変えることを改軌(かいき)といいます。
では、なぜJR田沢湖線は改軌をする必要があったのでしょうか?

これについては、是非ご自分で調べてみてください。
秋田新幹線について調べると、答えが分かるはずです。

ところで、762mmや1435mmなどゲージの数値は覚えにくいかと思います。
700mmや1400mmのように綺麗な数値だったら、覚えやすかったでしょう。
しかし、メートル法でなくヤード・ポンド法に変換するとスッキリします。

762mm → 2フィート6インチ
1,067mm → 3フィート6インチ
1,372mm → 4フィート6インチ
1,435mm → 4フィート8.5インチ

※1フィート=304.8mm、1インチ=25.4mm

4フィート8.5インチに関しては端数がある感が多少ありますが、メートル法での数値よりは綺麗です。

どうして、ヤード・ポンド法で表記すると綺麗な数字になるのでしょうか?
それは、ヤード・ポンド法を使用しているイギリスに関係します。

イギリスは、世界で初めて鉄道を開通させた国です。
鉄道に関するノウハウが少なかった日本は、イギリスの支援なども受けつつ日本で最初の鉄道である新橋駅~横浜駅を開通させました
この名残から、ゲージの数値はイギリスで使われているヤード・ポンド法に準拠したものとなっています。

問題の選択肢に「広軌」がありましたが、ここまで広軌の話がありません。
広軌(こうき)は、国際標準軌よりも広いゲージを指します。
ロシアやインドなどの海外では広軌の採用例が多くありますが、日本を走る普通鉄道では広軌の採用例はありません

しかし、かつては1,435mmの国際標準軌を広軌と呼んだ時期がありました。
日本では狭軌の路線がメジャーであり、明治・大正期には施設鉄道法により狭軌(1,067mm)以外の敷設が原則認められていない背景がありました。
そんな背景もあり、国際的な狭軌を日本では標準軌と呼んでいました
日本の標準軌(1,067mm)よりも広いものは全て広軌だったので、馬車軌や標準軌も当時の日本では広軌と呼ばれることがありました。

今はJRの公式文書などでも1,435mmを標準軌と呼ぶことになっていますし、国際標準軌である1,435mmを広軌と呼ぶのは間違いと言えます。


この記事を読んで、いつも利用する路線のゲージを意識してもらえるようになったら嬉しいです。
とは言え、一目見てもどの種類のゲージなのかは分からないと思います。
しかし、狭軌と標準軌を同時に見るとゲージの違いがよく分かります。

では、狭軌と標準軌を同時に見られる場所とはどこでしょうか?
色々な場所がありますが、問220に関連するお話なのでここでの紹介は割愛させていただきます。


ここまでご覧いただきまして、ありがとうございました!
明日以降の「勝手に鉄道検定」も、よろしくお願いします!

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