勝手に鉄道検定:220問目
難易度 : ★★★★★★★★★★(Lv. 10)
【問220】三線軌条が敷設されている区間として、間違っているものはどれか?
1. 刈和野駅~神宮寺駅
2. 羽前千歳駅~北山形駅
3. 金沢八景駅~六浦駅
明日1/26(火)の11:45頃までは、Twitterにて実際にご解答いただけます。
現在解答できる鉄道検定のツイートは、固定ツイートに設定しています。
https://twitter.com/cosine_travel
ご覧いただきまして、ありがとうございます!
「勝手に鉄道検定」の記事は、2部構成となっています。
・問題の「出題」
・前の問題の「解答・解説」(簡易版)
この記事では、下記の内容をお伝えします。
・問220の「出題」
問220 : 三線軌条が敷設されていない区間
・問219の「解答・解説」(簡易版)
問219 : アプト式機関車が走行する区間
※「出題」は、記事の冒頭にてさせていただきました。
問211~問220のテーマは、「線路・設備」です。
主に線路など、鉄道が走るための設備に関する問題を出題します。
問211から問220にかけて、難易度がどんどん上がっていきます。
詳しい「解答・解説」は、こちらの記事をご覧ください。
※上記の記事は、「1/26(火)」から閲覧可能となります。
「勝手に鉄道検定」の問題一覧は、下記の記事にまとめています。
問219の「解答・解説」(簡易版)
正解は、「1. 長島ダム駅」です。
アプト式機関車は、アプトいちしろ駅~長島ダム駅間で活躍します。
そもそも、アプト式とは何でしょうか?
アプト式はスイッチバックやループ線と同じく、山岳地帯など急勾配を攻略するための技法の1つです。
坂が急すぎると鉄道車両が坂の下まで滑ってしまう恐れがあるので、急な坂は避けようという話をこちらの記事でもしました。
急勾配になることを避けて、坂をなだらかにする技法が「スイッチバック」や「ループ線」でした。
しかし、アプト式は違います。
アプト式は、歯車などを利用して急勾配を滑らないように進む技法です。
距離を短くするために、スイッチバックやループ線にはせずに急勾配となる直線的なルートにします。
急勾配を滑らないように進む技法は、アプト式だけではありません。
ラックレールと呼ばれる歯形のレールと機関車に付いた歯車(ピニオン)を噛み合わせて急勾配を昇り降りする鉄道を、ラック式鉄道といいます。
アプト式は、ラック式鉄道で使われる技法の一種でありカール・ローマン・アプトという人が考え出しました。
アプト式を日本の鉄道で唯一採用しているのが、大井川鐵道井川線です。
アプト式機関車が活躍するのは、アプトいちしろ駅~長島ダム駅の1区間となります。
短い間ですが、長島ダム周辺の風光明媚な景色と共に急勾配が楽しめます。
ちなみに、井川線(いかわせん)が旅客営業を開始したのは1959年ですが、アプト式機関車が走り始めたのは1990年からです。
それは何故かと言うと、長島ダムの建設に伴って井川線のルートを変更する必要があったからです。
長島ダムの建設に伴い、アプトいちしろ駅(旧・川根市代駅)~接岨峡温泉(せっそきょうおんせん)駅間を新ルートで建設することになりました。
新ルート建設に伴い、アプト式機関車が活躍する急勾配区間と長島ダム駅に加えて、ひらんだ駅、奥大井湖上駅も新たに開業しました。
ルートの検討段階ではループ線を用いる案もあったそうですが、最終的には急勾配&アプト式機関車の案が採用されました。
こちらは、長島ダム駅の様子です。
写真の右側に見えている大きな機関車が、アプト式機関車です。
こちらは急勾配を登ってきた後の写真で、役目を果たしたアプト式機関車を切り離しているところです。
アプト式機関車は、アプトいちしろ駅~長島ダム駅間のみで連結されるもので、他の区間では連結されません。
長島ダム駅は名前の通り、長島ダムのすぐ近くにあります。
アプト式機関車が活躍するアプトいちしろ駅~長島ダム駅間では、長島ダムの大きな水門をご覧になれます。
ひらんだ駅は、平田の集落にある駅です。
ところで、平田のことをみなさんは何と読んだでしょうか?
この平田は"ひらた"ではなく「ひらんだ」です。
平田駅にすると"ひらたえき"と読む方が多いだろう、ということから駅名もひらがなで「ひらんだ駅」となっています。
奥大井湖上駅は、接阻湖(せっそこ)の上に建つ駅です。
テレビなどでも見たことがある方も多いかもしれません。
奥大井湖上駅の様子などは、こちらの記事でも紹介しています。
良ければご覧ください!(サムネイル画像は井川湖です)
ところで、井川線のアプト式機関車は2021年1月現在は日本で唯一です。
しかし、日本初ではありません。
かつて、信越本線の碓氷峠でアプト式機関車が活躍していました。
碓氷(うすい)峠は、横川駅~軽井沢駅の区間で通った峠です。
横川(よこかわ)駅は、駅弁の峠の釜めしでも有名です。
元々の信越本線は高崎駅~新潟駅を結ぶ長い路線でしたが、現在は分断されJR信越本線と呼ばれる区間は短くなっています。
どのような形になっているか気になる方は、是非調べてみてください!
現在、かつてアプト式機関車が活躍していた横川駅~軽井沢駅の区間には、「碓氷峠鉄道文化むら」や遊歩道の「アプトの道」が整備されています。
これらの場所を巡り、かつてアプト式機関車が活躍した頃の信越本線に思いを馳せるのも良いかもしれません。
ここまでご覧いただきまして、ありがとうございました!
明日以降の「勝手に鉄道検定」も、よろしくお願いします!
勝手に鉄道検定やコラム、エッセイなどが面白いと感じていただけた方は、サポートしていただけると大変嬉しいです! サポートいただいたお金は、旅行や書籍購入のための資金とさせていただきます。