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「お人好し」で終わってしまう人に足りなかったもの①

こんにちは!

こしあんです。

あなたは「GIVE&TAKE」と聞くと、どれくらいの割合を思い浮かべますか?

どれくらい与えて、どれくらい返して欲しいと思うでしょうか。

ほとんどの人は「50:50」と考えるかもしれませんが、ギブ&テイクの関係において「どれくらい与え、どれくらい受け取るのが望ましい」かは人によって異なります。

もし、あなたが人により多くのものを与えているのなら「大きな成功」を掴むことができる可能性が高い反面、心無い人に搾取されてしまう可能性も高い状態です。

今回はそんな「お人好し」と言われている人についてのお話です。


【あなたはどのタイプ?】

組織心理学者のアダム・グラントはギブアンドテイクには3種類の人がいると言います。

①人に惜しみなく与える人を「ギバー」

②真っ先に自分の利益を優先させる人を「テイカー」

③損得のバランスを考える人を「マッチャ―」

例えば、「テイカー」は常に与えることより多くを受け取ろうとします。
成功するためには人より上に立ち、自分の能力を証明しなければならないと考えています。

テイカーの中では、世の中は弱肉強食で、食うか食われるかといった社会であり、そのため用心深く、自己防衛的だともいわれています。

つまり、自分の身は自分で守ると考えているわけです。

「ギバー」はギブ&テイクの関係を相手の利益になるように持っていき、受け取る以上に与えようとします。

ずばり!
とてもいい人です。

そして勘違いされがちですが、ギバーやテイカーを金銭的なことで測ることはできません。
例えば、「いくら慈善事業に寄付している」とか、「貰っている給料」で区別することはできないということです。
これを区別するための基準は、他人に対する態度と行動だといわれています。

簡単に言えば、テイカーは自分を中心に考えるのに対し、ギバーは他人を中心に考え、相手が何を求めているかに注意を払います。

このような言い方をすると、まるでギバーが聖人君子のように聞こえてきますが、イェール大学の心理学者マーガレット・クラークの調査では、親密な人間関係では大抵の人がギバーとして振る舞うことがわかっています。

あなたも家族や友人から何か頼まれごとをされた時、だいたい二つ返事で「いいよ!」と言っているのではないでしょうか。

そして、最後に最大勢力かもしれない「マッチャ―」があります。
マッチャ―は与えることと受け取ることのバランスを取ろうとするタイプです。

マッチャ―は常に「公平」という観念に基づいて行動し、人助けをするときは、見返りを求めることで自己防衛します。
貸しを作るのも嫌ですし、借りを作るのも好きではありません。
なので、相手の出方に合わせてギブ&テイクを五分五分に保とうとするわけです。

さて、3つのタイプを紹介しましたが、完全に「あなたは○○タイプです」と分かれるわけではありません。

それは、人が自分の役割や相手との関係によってこの3タイプを使い分けるためです。
職場ではマッチャ―になる人でも、家に帰ればギバーになる可能性もあるということです。

しかし、グラントが言うには、仕事では大抵の人が3つのタイプのうちどれか1つに当てはまり、人と関わっていると言います。

あなたがどのタイプに当てはまるかで、勤勉さ、才能、幸運と同じくらい成功できるかできないかを左右すると言われています。

あなたは職場ではどのタイプになりますか?

「いい人は成功できない!」と言われる世の中ですが、職場でどのようにふるまっていますか?
自分の利益を追求していく人が勝者となるのか、それとも持ちつ持たれつのマッチャ―がいいのか?

あなたはどのタイプが有利だと考えるのでしょうか。

【一番割をくっているのは、、、。】

あなたも知っている通り、明らかに他の2つのタイプに比べ、払う犠牲が大きいタイプは「ギバー」であることは間違いないでしょう。
どうしても、ギバーは自分の成功を犠牲にして、相手の利益を優先させているため仕方がないと言えるかもしれません。

ある調査によれば、成功から程遠い位置にいるのはほとんどがギバーだとも言われています。

カリフォルニア州のプロのエンジニア160名を対象に調査したもので、エンジニアたちが「どれくらいお互いが協力的か」という観点で評価し合ったところ、最も成功していないエンジニアがギバーだったそうです。

ギバーは会社全体で仕上げた仕事、報告書、製図の数やミス、締め切りの遵守、経費の無駄遣いの点でも最低点をつけられました。

これは、仕事ができないというより、他の人の仕事を手伝うあまり、自分の仕事が終えられなかったという面が強いようです。


その他の研究でも同じような結果が出ています。

ベルギーの医学生600人を対象にしたものや、アダム・グラントが調査した販売員に行われたものでもギバーの評価は低かったんです。
他にもギバーはテイカーに比べ、収入が平均14%低く、犯罪の被害者になるリスクは2倍に上り、人への影響力も22%劣ることがわかっています。

さて、ここまでのギバーは「良いとこなしのただのお人好し」で終わってしまっているような感じを受けますよね。
今までの話からすると、確かに成功から遠のいているのはギバーのような気がします。

では、実際成功を収めているのは残り2つのテイカーとマッチャ―のどちらかなのでしょうか?

先ほどのエンジニアを対象にした調査結果からわかったことは、一番生産性の低いエンジニアのほとんどがギバーであること。
そして、もっとも生産性の高いエンジニアも「ギバー」だったということです。

「どういうこと?」ってなりますよね。

この調査では、業績の質・量ともに最高点を獲得したのは、受け取るより多くを同僚に与える人々でした。

これは医学生を対象にした調査と、販売員に行なった調査でも同様でした。販売業では、一番売り上げの低い販売員は平均的な販売員よりギバーを示す得点が25%高かったそうです。

これはお客さんの身になって考えてしまい、あまり強引に販売することができなかったためです。

でも、最も売り上げの高い販売員もギバーを示す得点は同じでした。

売り上げトップはギバーで、テイカーやマッチャ―より平均50%も年収が多かったそうです。
この一見矛盾しているような調査結果ですが、あなたはどのように考えるでしょうか。

売り上げが高いギバーと低いギバーではどこが違うのか?

「お人好し」と「勝利者」の間には何があるのか。


【ギバーが最も成功するのはなぜ?】

一般的にはギバーの人たちは「お人好し」や「いい人」で片づけられてしまいますが、職種を問わずに実は意外にも成功者は多くいます。

もしかして、成功してから「与える人」になったのでは?と考える人もいるかもしれませんが、ギバーの人たちは「成功するのが先で、与えるのは後」ではなく、「先に与える人」こそが、後で最も成功していると言われています。

でも、与えるだけで成功するならギバーの人たちは全員が成功者になれるはずですが、調査結果からは二極化しています。

グラントは成功を分ける要素は、生まれ持った才能や素質というより、その戦略や選択に関係していると言っています。

誤解のないように言っておきますと、テイカーでもマッチャ―でも成功はできるし、している人もいます。
でも、ギバーが成功するときは、その成功がまわりの人々に波及していくおまけつきだそうです。

調査によればテイカーが勝つ場合、大抵他の誰かが負けることになり、妬まれやすく、何とか打ち負かしてやりたいと周囲から思われるそうです。
対照的にギバーが勝つと声援を送り、非難することはありません。

まぁ、基本的に自分がお世話になった人や、何かしらのアドバイスをした人には成功して欲しいとほとんどの人が考えるのではないでしょうか。

でも、与えることが望ましい結果を生むかどうかはその「与え方」にもよるそうです。
人を思いやることが成功と相容れない場合もあります。

例えば、ゼロサムゲームのようなものや、どちらか一方が勝つか負けるかという関係では与えることで利益を得ることはできません。

では、なぜギバーは成功できるのか?

それは、世の中の大半はゼロサムゲームではないからです。

「情けは人の為ならず」とも言えるかもしれませんが、最終的にギバーは見返りを手にすることになります。

ジョワ・ド・ビーブル・ホテルを創業した起業家のチップ・コンリ―は「ギバーであることは100メートル走では役に立たないが、マラソンでは大いに役立つ」と言っています。

しかし、最近ではギバーの人たちが成功するスピードは上がっているのではないかと考えられています。

次回はギバーがなぜ今成功しやすいのか?
その特徴を紹介したいと思います。

今回はここまで。

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最後までお読みいただきありがとうございます。

それではまた次回お会いしましょう。

※この記事は読んだ本をもとに考察し、私の経験したことなども踏まえて書いています。
そのため、参考にした本とは結論が異なる場合があります。
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