「お人好し」で終わってしまう人に足りなかったもの②
こんにちは!
こしあんです。
今回は、前回の続きでギバーがなぜ今成功しやすいのか?
その特徴を紹介します。
【ギバーの成功】
・インターネットの普及などで、ギバーが人目に付きやすくなった。
ひと昔前まではその人の仕事ぶりなど、「口コミ」のような人づてに伝わっていくものがほとんどでした。
しかし、今では人間関係や個人の評判が手軽に入るようになり、ギバーの人たちにとって信頼を築くスピードが上がったと言えます。
仕事の依頼をするときなど、会社の評判やスタッフの対応など調べてから連絡を取る人も多いのではないでしょうか。
あなたも何かサービスを頼むとき、同じ料金体制だったら評判のいい人を選びますよね。
・欧米の企業の半分以上がチーム作業
日本ではどれくらいの割合かはわかりませんが、チームで作業を始めれば必ず何かしらの役割がでてきます。
チーム内でギバーの人たちは情報を分かち合い、嫌われ仕事をし、仲間を助け、円滑に仕事ができるようにしてくれています。
チーム内での仕事が増えれば、ギバーはその価値を証明するチャンスに恵まれるというわけです。
またこんなデータもあります。
1980年代には、サービス部門は世界の国内総生産(GDP)の約半分を占めていましたが、1995年にはほぼ3分の2になり、現時点ではアメリカ人の80%以上がサービス業で働いているそうです。
あなたはこれだけサービス業に携わる人が多い中で、テイカー(自分の利益を優先させる人)からサービスを受けたいと思うでしょうか?
誰だってサービスが良かったり、感じのいい人、評判のいい人から接客されたいと考えます。
ギバーからサービスを受けたいと思うのは自然な事ではないでしょうか。
(ごく一部の「釣れない態度が好きな人」は除きますね。)
【人助けに必要な能力】
「人の役に立ちたい!」という気持ちを持っている人は多いと思いますが、人助けをするには自分のものの見方の外に出なければなりません。
よく「相手の立場になって」といったことも言われますが、もっと言えば、「受け取る側がどう感じるか」という自問がなければ、独りよがりになってしまいます。
そして、このような別の人の視点から世の中を見る能力というのは、幼い頃に発達するそうです。
カリフォルニア大学の心理学者ベティ・レパコーリとアリソン・ゴプクニはそのことについて、14か月と18か月の幼児を調査しています。
まず、食べ物の入ったボウルを2つ用意します。
ひとつにはクラッカーが入っていて、もう一つにはブロッコリーが入っています。
実際に幼児に食べさせてみるとブロッコリーより、クラッカーを好む傾向が強く出ました。
そのあと幼児は研究者がクラッカーを不味そうに食べ、ブロッコリーをおいしそうに食べる様子を見せられます。
続けて、研究者が手を差し出して食べ物をねだり、幼児はクラッカーかブロッコリーのどちらかを渡すことになります。
幼児は自分がおいしいと思っているクラッカーを渡すのか、それとも自分の視点の外に出て、自分は嫌いでもブロッコリーを渡すのか?
といった実験です。
結果は、14か月の子供はブロッコリーを渡しませんでしたが、18か月の子どもは渡すことがわかりました。
14か月の子どもは87%がブロッコリーではなく、クラッカーを渡し、18か月の子どもは31%がクラッカーを渡しています。
1歳半にもなると69%が自分の好きな物と違っても、他人が好むものを与えるようになっていたということです。
ギバーの人たちはこのように他人の視点で見るのが得意なので、協力関係で成功することができると言われています。
確かに、仕事を始めたばかりの頃や、仕事のノルマ・順位・成績が貼り出されるような会社では、他の人が競争相手にしか見えないかもしれません。
同僚が大きな成功を収めるとちょっと焦ったりしませんか?
嫉妬を覚えたり、自分が置いてけぼりを食らったような気持ちになり、まるで責められているような気すらするかもしれません。
しかし、ギバーの人たちは同僚の成功を応援します。
それは仕事がゼロサムゲームではないことを知っているからです。
誰かの作品が選ばれたとか、同僚が先に昇進したといったことは素晴らしいことに間違いはありません。
それで会社やその業界が発展して、面白くなっていくのではないかという風に考えるわけです。
【与える人が気を付けること】
ギバーというとなんでも無償で与え、欲のない人のように感じますがそうではありません。
ケアリング・カナディアン賞という地域社会への支援と人道活動に貢献してきた人に贈られる賞があります。
この受賞者の多くは何十年にも渡り、人に与え続けた人たちです。
カナダの心理学者ラリー・ウォーカーとジェレミー・フライマーはこの人たちを対象にギバーの原動力は何か?
という調査をしています。
ウォーカーたちは、25名の受賞者と性別、年齢、人種、学歴などの条件は同じですが、受賞者ほど与えていない「普通のひとたち」25名とを比較しました。
そして、この50名に様々な質問を行い、自己の利益追求と他者の利益追求をそれぞれどの程度抱いているかを評価しています。
結果は予想通り、受賞者たちは他者の利益追求のスコアが高いことがわかりました。
受賞者はインタビューの際、対象グループに比べ3倍以上「与えること」と、「人助け」について触れていたそうです。
しかし、意外なことに受賞者たちは自己の利益追求のスコアも高いことがわかりました。
大きな成功を収めたギバーたちは、対象グループの2倍、権力や業績の追求について触れていました。
影響力を手に入れ、認められ、意欲的な成果を達成することに関連した目標は受賞者たちのほうがおよそ20%も多かったんです。
つまり、成功しているギバーとは他者重視であるだけでなく、利己的でもあるということです。
最初に「ギバー」、「テイカー」、「マッチャ―」という3つのタイプに分けましたが、ギバーに関してはどうやらさらに2種類のタイプに分かれるようです。
ギバーの人は他者の利益追求のスコアが高いことは間違いありません。
しかし、自己の利益追求に関してはまちまちだったんです。
そして、それが成功できるか、搾取されて終わるのかを分けていると考えられます。
だから、他者の利益追求のスコアが高い「自己犠牲タイプ」のギバーの人は注意が必要です。
そのままではテイカーの人に利用されて終わってしまいます。
アダム・グラントは「他者志向」になるということは、受け取るより多くを与えても、決して自分の利益は見失わずに、それを指針に、「いつ、どのように、誰に与えるか」を決めることだと言っています。
また、カーネギーメロン大学の心理学者ビッキー・ヘルゲソンは、自分の幸せを顧みず与え続ければ、精神的・肉体的健康を害するリスクが高まることを発見しています。
しかし、自分自身のことも思いやりながら、他者志向的に与えれば、心身の健康を犠牲にすることはなくなるはずです。
なので、病的に他者に貢献してしまう人は、自分の利益追求も心がけてくださいね。
そうすれば、ただの「いい人」ではなく「成功したいい人」になれるかもしれません。
今回はここまで。
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最後までお読みいただきありがとうございます。
それではまた次回お会いしましょう。
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