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「しりとり」で音楽を聴く試み(1)

ジャズを中心に文章を書いているわたくしですが、ふだんジャズばかりを聴いているわけではありません。ロック、ブルース、R&B、クラシック、ラテン、ブラジル音楽、アフリカ音楽、カントリーなどなど、雑多な音楽を好奇心のおもむくままに聴いてきました。

この間ふと、「しりとり」で音楽を聴く、ということをやってみたらどうなるだろう、と思いつきました。「しりとり」といっても、別にアルバム・タイトルや曲名の最後の字でつなげていくわけではなく、Aというアルバムとプロデューサーが同じB、Bに参加していたミュージシャンが参加しているアルバムC、Cに入っている曲をやっているアルバムD……みたいな感じで、なんらかの縁があるアルバムをつなげていく、ということです。

ジャンルや時代をなるべく広く横断できるとおもしろいと思うんですが、さて、うまく行くかな?

というわけで最初の一枚は、マイルス・デイヴィスの『クールの誕生』です。ジャズ・ファンに評判がよくない作品ですが、わたくしはこのアルバムを「20世紀の真ん中に置かれた宝石箱」だと思っています。

『クールの誕生』で作編曲を担当したのは、ギル・エヴァンス、ジョン・ルイス、ジェリー・マリガン、ジョン・キャリシ、そしてマイルス・デイヴィス。

その中のひとりであるギル・エヴァンスが編曲を担当したヘレン・メリルの『ドリーム・オブ・ユー』を聴いてみましょうか。

『ドリーム・オブ・ユー』の8曲目に入っている「Where Flamingos Fly」は、ギルの盟友である作曲家、ジョン・ベンソン・ブルックスの曲です。

アメリカのフォークソングをジャズ化したジョン・ベンソン・ブルックスのユニークなアルバム『フォーク・ジャズ U.S.A.』をご紹介します。

ここで演奏されているアメリカの伝承歌「Scarlet Town」をやっているジャズ・ミュージシャンということで、次は『クリス・シーリー&ブラッド・メルドー』を。

マンドリンのクリス・シーリーは「パンチ・ブラザーズ」のリーダー。彼らの2015年のアルバム『The Phosphorescent Blues』は大傑作!

『The Phosphorescent Blues』のジャケットはルネ・マグリットの「恋人たち」ですが、マグリットの絵を使った音楽アルバムはいろいろあります。ラスカルズの『See』もそのひとつ。


(次回に続きます)

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