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エドノミー®

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自然からの恵みの範囲内で、人々が心豊かに暮らし続ける社会は、現代の世界が目指しているあり方です。そのための知恵は、150年ほど前の江戸時代の日本の各地に存在していました。その知恵…
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記事一覧

見えないところを把握して、適切に人の手を入れて豊かな自然を維持する考え方を学び、先祖たちに思いを馳せる

🌸2023年5月1日〜7日の振り返り GWの怒涛の中国地方日本海側リサーチのあと、体力・知力ともに色々とアテられたのか、実は体調を崩していた。そのため、今更ながらのアップ。 ・玉利くんを始めとするKyoto Kitchenのメンバーらと一緒に「土中環境」著者の高田宏臣さんをゲストに招いた「プラネタリー ヘルス アクション」主催のワークショップに参加。初めての高田さんの圧倒的な熱量を浴びる。 大山のパワー、それに対する人の無知な営みと環境の破壊、土中環境改善から人の心の改

2023年度 #1 地域には学びの沼がある

いろいろな学びがある日々が続いているので、週報的にその週に起こったことや考えたことなどを書いていくことにした。 🌸2023年4月1日〜8日の振り返り ・4月1日に会社設立10周年記念パーティーでいろんな人と再会する ・来てくれた「お蚕友の会」のメンバーたちと京北・滋賀を訪ねる ・ドイツとのプロジェクトに向けて、竹を縄で結ぶ方法を教えてもらう ・DESIGN WEEK KYOTOの今後について語り合う 🍻10周年記念パーティーをLiv:raの小森さんと合同で開催。年度末の

京都のモノづくりをアップデートするデザインとは?北林 功 × 井登 友一対談イベントレポート

人間中心デザイン・UXデザインの分野で、20年以上実務家として活躍してきたインフォバーン取締役副社長 井登 友一が上梓した初の単著『サービスデザイン思考 ―「モノづくりから、コトづくりへ」をこえて』。IDLは、この一冊を軸に様々なゲストと共にイベントを開催し、多様な視点から「デザイン」や「モノづくり」について対話を重ねています。 本記事では、2022年12月に開催されたイベント「京都のモノづくりをアップデートするデザインとは?」をレポート。文化ビジネスコーディネーターとして

様々なモノづくりが交差するUmekoji MArKEtが正式オープン

5月17日、弊社オフィスが移転しましたビル「Umekoji MArKEt」のオープニングレセプションが開催されました。 ビルの概要 テクノロジー、工芸、食、アートなど様々な「ものづくり」に関わる方々がここで交流することによって、新たな文化が生まれていくような場になるように、少しでも貢献して参ります。 また、立地している梅小路エリアは「丹波口」とも呼ばれる地域で、名前の通り古来から京都府北部・中部と京都とのゲートウェイ的な場所です。今も京都北部・中部に繋がるJR嵯峨野線と

現代に活かす、エドノミーな暮らしの知恵−衣①

COS KYOTO代表・エドノミー®研究家の北林 功です。エドノミー®には現代の社会に活かしていくべき、自然風土の中で育まれた地域の暮らしの知恵がたくさん眠っています。足元にあるそんな叡智や事例を「衣」「食」「住」「遊」「創」といった切り口から、ご紹介していければと思います。 無駄を出さない設計思想 現代の洋服は、生地から服になるまでにおよそ3割が裁断くずなどとして利用されず捨てられていると言われます。生地が生み出されるまでの膨大なエネルギーも考えると、衣服の地球への負荷

葭(よし)刈りワークショップの下見へ行ってきました!

今週末に開催する葭(よし)刈りワーショップに先駆けて、先月下見に行ってきました。場所は滋賀県近江八幡にある円山地区。バームクーヘンで有名なたねやさんのショップ、「ラ コリーナ近江八幡」からほど近い場所に葭田があります。葭(よし)とは、すだれなどの原材料として使われているイネ科の多年草。すだれだけでなく、屋根材やついたて、燃料や肥料など人々の暮らしを支える重要な資源として琵琶湖の湖岸で栽培されてきました。たくさんあった葭農家さんも、需要の減少とともに少なくなり、現在円山地区にあ

竹のある暮らし

 今や日常生活の中で、竹を使う機会はほとんどないかもしれませんが、戦後プラスチック市場が拡大する以前の暮らしの道具は、木などの植物で作られたものがほとんどでした。中でも「竹」は木に比べると生育が格段に早く、しなやかで扱いやすく、中が空洞になっていることもあり、様々な使い方ができるということで、日本人の生活の色々な道具に利用されてきました。 ・家屋の土壁の下地、外装、内装材などの建築材料 ・華道や茶道、筆、笛や尺八などの楽器、扇子などの文化道具
に ・ざるや傘、提灯やお弁当箱な

「あいだ」を再生する。里山リジェネラティブ・ツーリズム −11月20日-21日京北エドノミーエクスペリエンスレポート

里山は、都市と自然のあいだに存在し、日本人は日本の暮らしにおいて自然の恵みを暮らしの中にいただきながら暮らしてきた。単に食べ物や資材など生活の糧を得るだけでなく、暮らしを彩る道具も含めて自然の一部になりながら暮らしてきた、まさにエドノミーの知恵が詰まっているのが里山と言える。エドノミーエクスペリエンスは、こういったエドノミーの知恵を体験を通じて知識だけでなく肌感覚で学ぼうという主旨で、志を同じくするIDEAS FOR GOOD、京北のROOTSと一緒に開催した。 (ツアープロ

ものづくりの本質

今回の沖縄出張で訪れた、壺屋のやちむん通り。 焼物と書いて"やちむん"。沖縄でとれる土を使って職人の手で生み出されてきました。那覇市立 壺屋焼物博物館で見た職人さんたちのビデオには、大地の恵みである土を使って職人の手で成形を行い、窯に入れて焼き上がりを待つ間、祈りを捧げる職人さんたちの姿。 大地の恵みを受けてものづくりをする。 そこには、単なる「労働」や「仕事」を超えたものがあるように感じました。本来のものづくりの根底にはこうした、大地の恵みを使わせていただいているという

地域を深く辿ることは、地域の未来を考える近道

亀岡での学び先日、京都の奥座敷とも言われる亀岡市に言ってきた。僕の妻の実家もあるのでもう一つの故郷のような街だ。ただ、故郷のように感じるのはそれだけではない。風景やそこに脈々と根付いてきたであろう歴史や文化に何か懐かしさを感じるのだ。今回は、今後亀岡のものづくりやその背景にある文化・風土・歴史を体感していただく学びのツアー(「ラーニングツーリズム」と呼んでいる)の実施へ向けて企画を練っていくためのリサーチのために訪問した。ご一緒しているHarvest Journey Kame

Edonomy な食卓① ぬか漬け

こんにちは、北林佳奈です。Edonomyを食から考えるnote「Edonomyな食卓」。今回取り上げるのは、ぬか漬けです。 漬物自体は、奈良時代から食べられていた記録があるそうですが、ぬか漬けが始まったのは江戸時代初期。精米技術が発達して、玄米から米ぬかを分離できるようになってからのことだそうです。ぬか床が発明された経緯は不明ですが、発祥は北九州だったと言われています。当時、白米が普及し始めるとビタミンB1が不足し、脚気が流行するのですが、ビタミンB1を豊富に含むぬか漬けは

「共感が感動を生む」ために考えておくべき「5つのP」(もしくは5つの「ど」)

2016年に「DESIGN WEEK KYOTO」をスタートし、京都のものづくりの現場をオープンし、交流を促進することの重要性を発信してきた。そこで大事にしているのは、単に製造の様子を見せるのではなく、「作っている人の思い、理由」といった心をオープンすることだ。心をオープンすることで、良い交流、思いへの共感、そして感動に繋がっていく。 この重要さをTEDxKyotoやMilan Design Weekでもお会いした尾原和啓氏が「プロセスエコノミー」で詳しく書かれていた。

地域限定旅行業免許取得!COS KYOTO が目指すこれからの旅行とは。

COS KYOTOの北林佳奈です。 この度、COS KYOTOが旅行業を取得しました! 今こんな時代に旅行業?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも今、こんな時代だからこそ、リアルな体験がもたらす力、効果は大きいと私たちは考えます。 今後もしばらくは、海外や遠方へ気軽に行くことはできず、オンラインでのやりとりが主流となるでしょう。そのため、オンラインでのコミュニケーションの方法もどんどん高度化され、大半のことはオンラインで済ませてしまえる、そんな時代になるかもしれ

「エドノミー®」の3つの原則(仮)

1970年にオムロン創業者の立石一真氏が国際未来学会で発表した「SINIC理論」、そして1972年にローマクラブが発表した「成長の限界」でも示されたように、それから50年経った今、不幸なことに予測通りに推移している。SINIC理論が示すような良い形で自然社会を迎えていくためにも、国際社会が議論を重ね続けてようやくMDGs、そしてその発展型で2030年に達成すべき目標ということでSDGsが形になった。 欧州が引っ張る形でこのSDGsを達成しようということで、「サーキュラーエコ