ソフィストから哲学者が生まれた。プラトンによって。納富信留『ソフィストとは誰か?』をよむ(2)。
アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫)を交互に読んでいくという試み。今回は、納富先生の第1部第1章「“ソフィスト”ソクラテス」を読みます。
摘 読。ソフィストという存在を考えるとき、ソクラテスはその対極として位置づけられてきた。とりわけ、20世紀前半の哲学史研究者たちによって、ソクラテス以外のソフィストたちが「ソクラテス以前」(実際に生き、活動していた時代とはズレがあっても)とされたことで、ソクラ