EC事業のコスト構造(人件費)
■本記事の目的
前回までの記事で売上はどういう構造になっていて、その売上を上げるためにはどのような構造になっており、どのような施策が一例として考えうるかということを記載してきました。
次は、ECサイトにはどのようなコストがかかり、どのように下げれるのかについてnoteを書いていきたいと思います。
ECサイトで何にコストがかかるかというと、大きく3つのものにコストがかかります。
① 人件費(バックオフィス費)
② 広告宣伝費
③ 仕入れ費/管理費
今回のnoteでは人件費(バックオフィス費)についてどのような構造になっていて、何を下げればいいのかを考えていきましょう。
■人件費を分解する
人件費には主だってどのようなものがあるのか見ていきましょう。
・受注管理業務(発送業務含む)
・顧客対応業務
の2つになります。みなさんはこの2つの業務をどのようにやっていますか?
例えば、こんなことないでしょうか?自分で上記の業務をずっとやっているなんて。
(これが、なぜ良くないかということについてはあとで説明します)
今わざわざ2つに分解しましたが、受注管理業での人件費も、顧客対応業務での人件費もあまり本質は変わりません。
どちらも抱えている問題(課題)は実は同じなのです。しかも解決策も同じだと考えています。
具体的に見ていきましょう。
■人件費の落とし方
至って当たり前のことですが、業務を減らすか、仕事内容を簡単にする、給与を下げるなどの方法しかありません。
ただ、何からやっていくかが重要です。
まず、「売上を下げずに業務を減らすことができないか」+「仕事内容を簡単にできないか」を考えていきます。
そこで、まず最初にやることは、”簡易な業務フローにする”ことです。
すごく極端な図ですが、
この図は2つの要素を示しています。
「業務を減らすことができないか」はA〜Hの仕事があったときに本当にその仕事必要なの?ということを考えて、判断していきましょう。
なんとなくやっていることや、昔は必要だったからやっていたみたいなことが結構慣習になって残っていたりします。
そういうものはまず無くしましょう!次に今ある仕事を他のやり方に変更できないか?ということです。
今までお礼の電話をしていたのを、メールに変えてみるとかは、わかりやすい例です。
電話がつながるまで何度もかけていたのですが、メールを雛形を使って送るでも同じ効果だとすればこれはすぐに変えるべきでしょう。
Cのところに注目してください。判断すべきフローがなくなっていますよね。
これが、01で判断できるような簡単な判断だといいのですが、そうでない判断を強いるようなフローになっているのなら、それはやめた方がいいでしょう。
その判断をするために、給与の高い人(スキルの高い人)を雇ったり、何か素晴らしいAIロジックを開発する必要が出てきます。
このように下げれる人件費は、給与を下げる以上に、フローを作り直すことで容易に下がったりします。
最後は経営者の皆様の一番頭を悩ます「給与を下げる」ということです。
これは優秀な人の輩出になったり、今までの関係を潰したりとリスクしかないと思われる方もいるかもしれません。
上述したように、簡易なフローにできました。かかる時間も、作業の難易度も下がりました。だから、給与を下げよう。これは流石に皆様が心配するリスクがいっぱいでます。
例えば、こうするのはどうでしょうか。
かかる時間も、作業の難易度も下がりました。だから新たにバイトを雇用しよう。今までその仕事をやってくれていた社員は新たな価値創造をしてもらおう!
こういう風に給与をカットしていけばいいのではないでしょうか。
だから最初に問題提起した「こんなことないでしょうか?自分で上記の業務をずっとやっているなんて。」というのがよくないことだとお分かりかと思います。
今までは優秀な社員の例でしたが、それ以上に皆様の大事な工数をバックオフィスに時間をかけるのはもったいなすぎます。
■RPAや自動化などどう捉えるの?
近年、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーションの頭文字の略がRPAで、日本語を交えていうと、ロボットによる業務自動化)などのような言葉がよく散見されます。そのようなものを検討している方もいるかもしれません。
ここではいい悪いという話は置いておきますが、一つだけ経験として皆様にお伝えしたいのは、上記の人件費を考える上で「闇雲にRPAを入れることはやめたほうがいい」ということです。
RPAも入れる際は、フローを整えて、簡易にする場所はしてから入れないと開発コストもかかりますし、結局は全自動にはなれないというデメリットがあります。
■結論
今まで見てきたように、受注管理業での人件費も、顧客対応業務での人件費も同じ問題を抱えています。その問題を解決する一般的なツールが業務ごとに分かれているだけで、課題は全く一緒です。だからこそ、
「売上を下げずに業務を減らすことができないか」+「仕事内容を簡単にできないか」を実現する簡易な業務フローを作りましょう!
これが人件費を下げるまず一歩で、一番重要です。
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