30代新人声優がこの先生き残るには

新人声優って書いてしまったけど声優って名乗っていいのかも分からない。

名乗っちゃいけなかったら申し訳ない。

私は30代に入ってから突然声優になろうと決めた。

それまで別にアニメや声優さんが好きとかではなく(おじゃる丸とかおでんくんとかお願いマイメロディとかは凄く好きだったけど)、洋画とかも特別好きなわけでもなく。

演技自体にはとても興味があったし、小学生の時「耳をすませば」を何十回も見たときには声優になりたいと思った事もあったし口に出した事もあったけど、それは小学生特有の「なんとなくの憧れ」なだけで本当になりたいとかは思ってなかったと思う。

20代前半の時は今より更に馬鹿だったので漠然といつかROCK IN JAPAN(夏フェス)に出たいとか思ってて、だけど何の努力もしないまま終わって、そのあとはディズニーチャンネル、特に「ハイスクールミュージカル」という映画にハマって、その時はアシュレイディステイルやヴァネッサハジェンズみたいなスターになりたい(生まれ変わったら)と思ってたくらいで「吹き替え声優になりたい」とかそんな事は考えもしなかった。

xbox360Kinectを発売日に買った時にも「アイドルマスター 」を買ったけど、シミュレーションゲームが好きなので「アイドルをプロデュースできるゲームなんて面白そう」としか思ってなくてアイマスが当時から大人気だった事も知らなかったし、ゲームから聞こえてくる声は人間(声優さん)の声と認識した事すらもなかった。(ちなみに美希が好きだった)

20代後半はたまたま見たハンターハンターにどハマりして、毎日ハンターハンターの事しか考えてなく、ハンターハンターのソシャゲが出た時も「自分がどれだけハンターハンターが好きか他の人に知らしめたい」というよく分からない理由だけでゲームのランキング上位に何回かなったりしてた。

割とそんな感じで何も考えず中身のない人生を送ってきたと思う。

その途中途中、恋愛とかもしたけど人に言えないレベルで全然うまくいかず、気づけば30を過ぎてて、何もしてこなかった20代を後悔して発狂しそうになったときに、現実逃避でなんとなく乙女ゲームをスマホにDLしたら、めちゃくちゃどハマりして毎日楽しくて推しのキャラとかもできて、そしたらその推しの声をどんな人がやってるのか気になってその声優さんを検索かけたらその方の所属している事務所のHPに辿り着き、そこで「養成所募集」のバナー見て、初めて声優のなり方を知って衝撃を受けた。

誇れる事では無いが私は人よりかなりの無知で思い込みも激しいので、「養成所=超有名芸能人になる事が確約された人達を集めてレッスンする場所」=「自分には一生縁の無い場所」だとずっと思って生きてきた。

ついでに声優のなり方って原宿とかで良い声の人が声優事務所の人にスカウトされてなるもので、一般公募とかは特に無いのだろうと思ってた。なぜなのかは分からないけど、その声優事務所の養成所生募集のバナーを見るまでそう信じてやまなかった。無知って怖い。でも声優のなり方を初めて知れて嬉しかった。

それと同時に「声優になりたい」と心底思って、自分でもびっくりするくらい何年ぶりかの情熱が芽生えてしまった。

私は元々自己肯定感がかなり低く、実際見た目も性格も頭も良くなくて、極度の不器用。気が利かない。人見知りだしコミュ症だし得意な事が何一つなく、また20代の時の恋愛の失敗やトラウマもあって、自分の存在価値を真剣に考えても「誰かの引き立て役」くらいしか思いつかなかった。

でもそんな私でも人生で色んな人に何度も褒められまくってたのが「声」でそこだけは昔から少し自信があった。

声だけの世界なら少しは自分の事を好きになれるのでは?しかも色んな人間にもなれる。私が100回死んで生まれ変わってもなれないであろう美少女にもなれる。もう二度と戻れないけど死ぬほど戻りたい子供の頃にも戻れる。自分じゃない誰かの人生を歩める。容姿や年齢なんて関係ない世界。声優って最高では?私は声優になるために生まれて来たのでは・・・?

そんな勘違いの情熱が芽生えたその瞬間、即効で自分に合いそうな養成所(遠方でも通えて社会人でもOKで年齢不問なところ)をピックアップし、すぐに2カ所の養成所に体験レッスンに申し込み、結果今の養成所にお世話になる事に決め、色々あって業務提携をさせていただく事になった。

まさか乙女ゲームがきっかけで自分が声優になるとは。20代は虚無の世界だったのに今は驚くほど充実した人生を送っている。友達もたくさんできた。人生何があるか分からない。

とはいえ、声優の道を目指し始めてからまだ2年しか経っていない。技術も言葉のアクセントも危うい。だけどももう30代。

自分の同年代の声優さんといえば沢城みゆきさんや花澤香菜さんで、と言うことは彼女達と同レベルの技術を求められる事になる。

困る。

10代20代だったら、「まだ若いし先輩方を見て学んで次に生かそう!」で許される事もあると思う。けど30代ともなると演技の経験があろうがなかろうが「その歳でその技術?」になってしまうのではなかろうか?正直若い子が羨ましい。いや、努力すればいいだけの話なのは分かっているのだけれど、とにかくこの年代だと時間とチャンスが限られている。

「100回の練習よりも1回の本番!★」とかよく言うけど、その1回の本番に辿り着くまでが難関すぎる。

オーディションを見ても「27歳まで」とかがやけに多い。アイドルものになると「10代〜22歳」とかになってくる。一次審査は書類のみとかもあったりする。

さっき「容姿や年齢が関係ない世界」って書いたけど全然関係あった。養成所の申し込みもだいたい20代までっていうのが多かったから薄々気づいてはいたけど、がっつり関係あった。

自分で言うのもなんだけど、私は見た目20代とよく間違われるので、なのでどうにか20代って事にしてくれませんか?駄目ですか?そうですか。そんな事を思うようになってきた。ただでさえ隠したくなってきた年齢を更に隠したい気持ちになる。

「夢は叶う!元気出して!さあ皆で一緒に叶えよう!」系のキラキラした歌の「皆」って30代以降は除外されてるんだな。なんかそんな事思った。

色々卑屈でしょうもない事書いたけど、「じゃあ辞めれば?」って言われても「辞めませんけど?」になるけどさ!?!?!

目標としては、30代から演技の勉強始めて夢叶った人になって、同じように歳を重ねてからやっと夢を見つけられてこれから頑張るぞ!っていう人の希望になりたい。若くて可愛い子じゃなくても声優目指せるんだって勇気付けられるような存在になりたい。私の人生に希望と潤いを与えてくれた乙女ゲームの声優さんのように、誰かの人生が良い方に変わるきっかけになりたい。物凄く恥ずかしくてダサい事書いてるけどそんな風に思ってます。

ごちゃごちゃ年齢の愚痴書いてしまったけど、それでも頑張るぞ!って前向きな日記のつもりです。

頑張ります。



















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