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創造性は組織の至る所に存在する

ドイツの社会学者であり文化理論家のAndreas Reckwitzというひとは、著書 ”The Invention of Creativity”で


創造性(Creativity) = 新奇性(Novelty) + エステティクス(Aesthetics)

Reckwitz, A., & Black, S. (2017). The invention of creativity : modern society and the culture of the new (A. Reckwitz & translated by S. Black, eds.).

だと言っています。

ここで言うエステティクスとは感性や感覚のことを指していて、必ずしも表面的・視覚的な美しさを意味しません。エステティクス概念の源流にはカントなどの西洋哲学があるのですが、かなりざっくり説明すると、既存の合理性や意味体制を疑って一旦棚上げし(中断とも言います)新しい意味を問い直す、純粋に感性・感覚的な行為とでも言えるものです。

つまり、Reckwitzが前述の自著で言っているのは、「創造性とは、既存の常識や合理性を束の間棚上げして、そこに何か新しいものを見出そうとすること」だということです。

「創造性」とか「クリエイティビティ」なんて聞くと、何かすごい人が常人では思いもつかないような突飛なことを突然思いつくといったことや、天才的な芸術家があるとき天から降ってくるようにインスピレーションを得て革新的な作品をつくりあげる、みたいなことをイメージしがちですが、そうではないということです。 昨今企業においても、専門性の高い一部の限られた職種の人たちを「クリエイティブ人材」と称する動きがありますが、さきほどのReckwitzのクリエイティビティ定義に依拠すると、どんな職種、どんな役割、どんな仕事に携わるひとであっても創造性を発揮することはできるし、むしろ現代においては創造性は特権ではなく義務ですらある、ということをReckwitzは言っています。

そんな話を、HRや組織開発、経営企画のお仕事に携わっていらっしゃる方々向けに7月19日(水)の昼下がりに神泉(株式会社インフォバーン東京本社)にてお話する催しを現在企画しています。詳細決まりましたら、追って続報いたしますので、ご興味ある方はぜひご一緒ください。


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