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corosuke
2021年2月16日 22:00
ころがれる筆に影あり匂ひ鳥 / 八田木枯「匂ひ鳥」は鶯の異名だそうで。転がった筆。筆、としかないけれど。絵筆か?それとも、紅筆か。なぜ、転がったのだろうか?そこに、人影があるとしたら。誰と、誰なのか?何をしているのか?なんとも、艶めいた雰囲気を漂わせているのは、「鶯」でもなく「春告鳥」でもなく、「匂ひ鳥」だから。この、ことばの選び方ひとつで雰囲気が変わるのが、面
2021年2月8日 21:32
いつもかすかな鳥のかたちをして氷る / 対馬康子(NHK俳句1月2週目)氷の中には鳥がいて。わずかでも溶けてきさえすれば、少しずつ動き出す。中の鳥は、こころの芯とか、核となるところ。美しさ、情熱、真実。もうダメかも、とか。今は先が見えない、とか。こころが冷たくなるような現状があっても、まんなかのいちばん大切なところはきっと、氷が溶けたら羽ばたき、空へ、光へ飛び立つのだ。