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たわごと #012 はびこる、自称オタク。承認欲求。ミーハー受動的性質。第3段

現代におけるオタクという言葉の使用例を列挙する。
用例採集から自称オタクというものがどういった存在なのか確認する。
ただし、ビジネスでオタクを名乗っている声優を始めとする著名人の例は除く。

この記事は第3段の記事である。
第1段では、オタクというものの定義について触れた(第1段リンク)。
第2段では、なぜオタクになりたがるのかの要因を列挙した(第2段リンク)。

この記事の建て付け以下の通りである。

  1. 用例

  2. オタクを名乗ることのメリット

  3. オタクを名乗ることのデメリット

1.用例

用例1
"はじめましてー。土間うまるです。私オタクなんです。"
[解説]
この場合、オタク=アニメオタク、という意味で使用している。
ミリタリーオタクやガンダムオタクのように明示しない場合、アニメオタクと捉えるのが一般的である。また、声優さんを知っっていて当たり前、新作のアニメをチェックして当たり前、流行り物のアニメを見ているのも当たり前で、ワンピース・ドランゴーボール・ジョジョ・エヴァ・ジブリ系を見ていない人間をオタクとは認めない節がある。

用例2-5
"君、アニメ見てるんだねー。オタク仲間ほしかったんだよねー!"
"今期のODD TAXI見た?面白いよねー"
"花江夏樹さんの演技ハマってたよねー!"
"え?ロゴ?上杉季明……。知らないケド……。"
[解説]
アニメをちょっと話題にしただけで、アニメオタクと決めつけてくる。
アニメに対する感想は非常に浅はか。感動したとか。めっちゃ泣いたとか。面白かったとか。そんなことしか言えない。
当然、声優ベースで話しかけてくる。
その一方で、監督やロゴデザインなどにはほとんど目を向ける人はいない。

用例6
"私オタクは卒業したんだぁ。なんかつまんなくなっちゃって。"
[解説]
オタクは卒業するものだと認識している。みどりごがおむつを卒業するかのような認識である。歳を取るにつれてやらなくなるものだと言わんばかり。
旧来のオタクは生来のものであり、オタクをやめるとかやめないとかそういった類のものではない。結局その程度の熱量なのである。
要するに最初からミーハーなのである。

用例7
"ゴチうさ終わっちゃった……。"
"ゴチうさ難民ですねぇ。"
[解説]
アニメが終了しただけで、原作漫画が続いているような場合でも原作を追いかけるようなことはしない。なぜなら、同時期にアニメを見ている人が居て、その人達と情動を共有することこそがゴチうさを見ている理由であり、内容そのものはそんなに重要視していないからである。傍証として、次期アニメが始まるとすぐに飛びつき、1週間後にはチノちゃんのことなど忘却の彼方へ消えてゆくのである。
他に"ゴチうさロス"などという言い方もある。
旧来のオタクであれば、アニメが終了しようと、原作が終了しようと、一人で何度も見返し、命尽きるまで見識を深め、考察し、その髄まで楽しむものである。人によっては個人ブログでそれらを発信することもある。

用例8
"推しのアイドルが私に手を振ってくれたんだよ!"
"僕には振ってくれなかった。もう推しやめよ……。"
[解説]
イチオシのアイドルのことを単に"推し"と呼ぶ。また、3Dのアイドルのみならず、2Dアイドル、更にはアニメキャラなどに対しても昨今は用いられる。
加えて、一部の自称オタクは、推しからの見返りを求めている場合がある。オタクであるならばコンテンツを腐らせない努力を無償でするべきだが、お金を払っているのだからサービスせよ、というお客様気取りが侘しさをにじませている。この問題はコンテンツ割問題(違法サイト使用問題)やコミケ一般参加者意識問題などと非常に似ている。

以上、僕の周りやネット上で容易に見られる用例である。
※ありとあらゆるところで見られるので、引用元は明記しない。

2.オタクを名乗ることのメリット

これまで列挙した用例などから、下記のメリットがあることがわかる。

  • 他者とのコンテンツ消費体験の共有

  • 承認欲求の充足

  • 自身へのラベリングによるアイデンティティの確立

  • 帰属欲求の充足

  • 博識になったかのような全能感の獲得

3.オタクを名乗ることのデメリット

下記のようなデメリットがある。
あるいは、あったと言ったほうがいいかもしれないが。

ときに、もはや上記のメリットがあるため、
最近では旧来のオタクも、オタクを自称する傾向にある。

  • 旧来のオタクから白目で見られる。
    間違った深読みや表層的な面白さにとらわれていることがバレる。

  • 自身をオタクだとラベリングした結果、オタク的な言動を求められているような気がして、心からの感情を屈曲させた形で自己表現することになる。

  • アキバへ赴き、期待値を下回っていると嘆く。

  • だんだん、自身が無産であることで居心地が悪くなってくる。

  • 批評的な立場を履き違えて、批判しかしなくなる。

  • 常に新規の情報や心からやりたい・みたいと思えるコンテンツ以外も消費していかなければならない気になってしまい、積んだものを消費することが、行動原理の中心となる。


以上が現代におけるオタクというものである。

今回は現状把握で終了(2000文字)。
長くなりすぎたんで、第4段へ続く。

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