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【渡韓】2年ぶりの異世界転生

最後に国境を超えたのはコロナ流行が激ヤバになる前ギリギリの2020年3月
高校の卒業旅行でグアムに行った
本当にギリギリだったのでグアムから帰った途端に緊急事態宣言が出てどこにも行けなくなった
帰ってからの予定も潰れまくって虚無の春休みを過ごしていたのを思い出した

数年経ってようやく渡韓VISA不要アンド友達が韓国に留学中という好条件に恵まれ、共通の友達からの誘いに二つ返事で航空券を予約した

韓国にはちゃちゃっと行って帰ってこれるイメージがあったが、K-ETAやQ-CODEの申請がマジでめんどくさかった
いや、本当はそんな手間がかかるようなことではないけれど、何か期日までにしなきゃいけない事というのは全て自分にとってめんどくさいので
荷物の準備も全然できず、前日の夜にバイトから帰ってから終わらせるなどのクズっぷりを発揮していた

他人に迷惑をかけているわけではないし自分が自分によってもたらされた苦労をすればいいだけの話だから
これが私の生き様です。

結局3時に寝て5時に起きました
これが私の生き様、、、

成田まで3時間も電車に乗ってれば尻の安否も危うくなる(3時間のフライトがまだ残されている事は考えない事にした)
やっとの思いで会えた友達はベンチに座っていて後光が差していて神々しかった

友達とは趣味が合うので一生喋ってる
電波を介しての会話も含めると断然自分の家族よりも多くのことを話している
それくらい心をおっぴろげにしてしまえる相手だ

保安検査を過ぎればテクニカリー私はもう日本にいない
エアプサンの機内に入ればそこはもう韓国
私たちは機内でひたすら韓国語で客室乗務員に話しかけられる
韓国の航空会社なんだから当然のことなのだが
まっっっじで何言われてるのかわからん!!
そう思えることが最高に楽しい
英語はわかるのでグアムに行ってもそんな思いにはならない
ありがとう
友達が持ってきてくれたガイド本巻末にあるかんたん韓国語講座だけ目を通すことにした

ここから私の異世界転生が始まっていたのだ

入国に必要な書類は足りているかずっと不安だった
実際は体温を計られてQRコードかざしてそれだけだった

異世界転生して一番はじめに必要なのはWi-Fiだ
私と友達はギリギリでいつも生きていたいので渡韓前日にWi-Fiの予約をした
日本で前日に借りられるWi-Fiは残されていなく、仁川空港で借りられるものを手配したのだがこれがまた良かった
1日300円くらいで無制限で使えた

Wi-Fiを借りるにも両替をするにも地下鉄の乗り場がどこか尋ねるにも、必ずはじめは韓国語で話しかけられる
為す術がなく突っ立っていると簡単な英語で話しかけてくれるようになる
多くの日本人がこれまでに韓国を訪れ、現地の人々もある程度対応に慣れていると思うが、ここは新大久保ではなく私たちが訪問している側なので、日本語で話しかけられることはまず無かった
空港で働いている人もみんなが英語を話せるわけでも無い
それでも私は世界共通語である英語の偉大さを知り、話せて良かったと思った

汗だく

仁川空港は島に建設されているらしく、電車は水辺を走っていた
ディストピア作品に出てきそうな団地群はPM2.5に汚染された空気に霞んでいて、西にピンクに光る太陽が沈みかけていた
まじで韓国ではなくタトゥイーンに異世界転生したのかと思った

電車は地下に潜って目的の駅に着いた
地上へ這い上がると都会だった 醍醐味が過ぎる
薄紫色の空に黄色の銀杏のコントラストが最高だ

韓国に留学で来ている友達と10ヶ月ぶりの再会を果たし、住んでいるところに案内してもらった
入口があるのは殺伐とした地下の駐車場らしく、これがとても「私は今韓流ドラマのセットに立っている」という気分にさせた
現地なのだが
部屋は3人で寝るのには明らかに狭く、カオスな感じだった
私はこの2泊3日だけ部屋に置かせてもらうが、友達はこの部屋で生きてきたのだと思うと全てが尊く思える
私も一人暮らしをしていたのでよくわかる

少し休んでからすっかり暗くなった街に繰り出た
夜の弘大はあまりにも賑やかだ
大きな通りから脇にそれる道には食べ物や花を売る屋台が止まっていて、人だかりができていた
私たちも1つの屋台に立ち止まり、韓国のおでんを食べた
昼のフライト前にサブウェイで食事をしたのが最後だったのでそれはそれは美味い
今ならなんでも美味く感じると思いながらも、口を滅多に開かず黙々と調理していたおじさんの腕は本物だと思った

美味すぎる出汁

体力を取り戻したらサモエドカフェに行ったり安い洋服屋さんをみたりして回った
洋服は本当に安くて、いい感じの服がどれもGUくらいの値段で売られている印象だった
いずれ必要になる洋服は安い店でたくさん買っておいたほうがいいだろ、と悪魔の囁きが聞こえたが、私が物欲を全て解放してしまうと地球を終わらせてしまうのでやめておいた

犬が世界を救う

弘大の散策はもう十分かなとなったところで、夜ご飯にポッサムを食べに行った
ポッサムにキムチスープや冷麺などが付いて、3人で45000ウォンはコスパ良すぎないか???口に入れるもの全てが美味しいんだが?と困惑しながらもモリモリ食べた
3人で1瓶だけ眞露をあけた
家でソジュを飲むときはショットグラスに入れてもちまちま飲んでいるが、ここは韓国のやり方に従って乾杯するたびに一杯ずつ一気に飲むようにした
一口飲むごとに体の暖かさがブーストされていって発火しそうだった
久しぶりにこんなに酔ったかもと言った友達はピンクのぽやぽやになっていた

韓国何食べても美味い

私はこれまでにアメリカには数回行き、それ以外にはシンガポールにしかいったことがなかったので、韓国は3カ国目の外国であった
英語が公用語でない国としては初めてで、特別な感覚に陥った
ハングルも記号にしか見えないし、人が何を話しているのかわからない環境に突然飛び込んだとき、私が感じたのは不安ではなく、自分はそれを理解しなくてもいいという自由だった
もちろん韓国語を使いこなせる友達のおかげでこの旅が成り立っているに決まっているのだが、何も知らなくても案外人は生きられるのだと悟った
韓国の街は賑やかでありながら、雑念を抱える必要がなかった
私はことあるごとに「めっちゃ面白いな」と友達にこぼしていたに違いない
声に出してしまうほど面白かったと思えた

3人で2人分のマットレスに川の字を作り、えも言われぬ満足感に浸りながら寝た

2日目につづく


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