草ww破滅部活動日記♯81日目 最終話 それぞれの明日
放課後の校長室、張り詰める空気。
校長先生と国分先生がソファーのとなりで立っている。右側のソファーにスーツを着た2人の男性、その向かいに椿と道久、一星に要が座っている。
〈国分先生〉そろそろ話して貰えませんかね?
〈津野〉これは失礼。私は津野快音、こちらは田場風太郎と申します
津野は名刺を出した。みんなは受け取る。
名刺によると、レコード会社の者だ。津野さんはディレクターで田場さんはアシスタントだ。
椿たちに相談したいことがあるということで、集まった。何故このようなことが起きたのか。
それは文化祭にある。
2日前、文化祭の椿たちの演奏を津野さんと田場さんが見ていた。どうやらなにかを感じたらしく終わった後に、声を掛けてきた。
そして、2日後の今日話をすることになった。
〈津野〉ご相談というのは今この場にいる4人の学生をアーティストとして迎えたいと考えております。
どうでしょうか?
〈要〉アーティスト?
〈津野〉ええ。我社にて音楽活動してみてはいかがでしょうか
〈一星〉なんだ、その話か。すみません僕は大丈夫です。剣道があるので
一星は立ち上がって校長室を出た。
〈校長先生〉まあ一星くんはしょうがないな。君たちはどうする? この件は親とも話をしないと行けない
〈要〉私は考えたいです。お店のほうもあって。嬉しい話ではありますが
〈道久〉僕はどうしたらいいのか……
〈椿〉おれは……
〈津野〉君たちは部活をしているそうだね。どうだね? 音楽は人を救うことも楽しませることもできる。
そんな職業を目指す気はないか?
〈椿〉音楽で人を…… でも音楽は詳しくないし、よく分からない
〈津野〉君はもう音楽が好きだ。よく分からないのは当たり前だ、我々はサポートをする
〈国分先生〉あの、とりあえずこの話は時効にしといてこの子たちに時間与えて貰えませんか?
親のこともあるし、出前要はお店のこともあります
〈校長先生〉そうですね
国分先生は生徒のことを想い、考えたことを話した。
〈津野〉そうですね、分かりました。では少し考えて見てください。なにかあれば差し上げた名刺にある電話でご連絡ください。
もし、可能であれば最初高校卒業までは東京支社で、その後は沖縄の本社に来て欲しい
〈国分先生〉ありがとうございます。わかりました。椿たちは先に部室に戻ってなさい
〈椿〉わかりました
椿たちは校長室から出て、部室に戻った。先生たちは少し話をする。先生たちは難しい顔をしていた。
その後、部室に戻った3人の前に国分先生が来る。一星は剣道部に行っている。
〈国分先生〉大丈夫か? 君たち。急な出来事で戸惑ってると思う。これは君たちの人生だ、親とよく考えて決めるといい、まだ時間はある
この日はもう帰ることにした。各々家に帰る。
椿たち話をする。
どんな決断をするのか。3人はこれに関しては頭を抱えた。
どのようにしたらいいのか、今後の人生に関わる事だ。そして迎える行路。
────────── 部室
椿は部室に向かった。その途中、要に会った。
〈要〉おつかれ。あの話どうする?
〈椿〉おれは決めた。道久がきたら話すよ
〈要〉わかった
部室には国分先生と道久がいた。
〈国分先生〉お前たちか。どうした? そんな難しい顔して
〈椿〉先生、おれ決めたよ
〈国分先生〉要も決めたのか?
〈要〉はい、決めました
〈国分先生〉そうかお前たちも決めたのか、道久も決めた
〈椿〉そうか
〈国分先生〉それでどうするんだ?
〈椿〉おれは音楽をやってみようかと思う
〈要〉私も
〈道久〉君たちもか、僕もやってみる
〈国分先生〉…… そうか本当にやるんだな?
〈椿〉はい!
〈国分先生〉わかった。私は音楽に詳しくない、だからどんな世界なのかは知らない。だが、厳しい世界に変わりはない。やると決めたのであればやり切れ!
3人は揃えて大きな声で返事をする。
〈国分先生〉さてと、校長先生に会いに言ってくるよ
頑張るんだぞ
国分先生は部室をでて、校長室に向かった。その時の顔はどこか安心したような顔を浮かべていた。
この決断がいいのか悪いのかは分からない、3人はその道を選んだ──────────
6年後、幕張メッセ。
ひとりの身長が低い女性が会場に入る。
その女性は男性と来ていた。
〈スカイラー〉楽しみだね!
〈一星〉ああ、そうだな
会場に入ってすぐ、人にぶつかりそうになる。
〈スカイラー〉ごめんなさい! て、先生? 久しぶりです!
〈国分先生〉お、久しぶりだなー 2人とも
〈一星〉先生も見に来たんですか?
〈国分先生〉そう、凄いビッグになったねあの4人
〈一星〉そうですね
と、ここでフェスが始まる。
〈要〉初めまして! The sound heart! 仲間よ!
バンドは演奏を始めた、臨場感のある音。その新曲はみんなの心に届く。
メンバーはギターの要、ベースの椿、キーボードの道久、ドラムの瑠乃。
あれから活動を続け、幕張メッセという大舞台でライブすることができた。
椿たちは愉しく、ライブをしている。この道でよかった。
スカイラーはなぜか泣きそうになってしまう。
『仲間よ、いつまでもいつまでも最高の味方で』
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