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組曲「展覧会の絵」より 演奏させてみました

 ラベルの編曲で一躍有名になったこの曲、「展覧会の絵」ですが、作曲者のムソルグスキーの生前には出版することなく、また演奏されることもなかったといいます。

 ピアノ曲として作曲されたのですが、いろんな人が編曲していますが、私が初めて聞いたのも、ラベルの華麗なトランペットのソロで始まるものでした。ともあれ、ラベルの職人芸すごいです。かつて米国にいた時、愛聴していた地元のクラシック音楽専門FMラジオ局が、ある夏に24時間展覧会の絵どっぷりな特集を組んでいて、集められるだけ、時間が許す限り、いろんな編曲の展覧会の絵を流していました。その時に聴いただけでも、驚くほどたくさんの編曲版があって、聴き比べることができたのは、とても興味深かったです。でも、やっぱり、個人的にはラベルの編曲が凄いなぁと再認識した特集でした。もちろん、それぞれ聴きどころはあって、みんな凄い。

 で、私もラベルの編曲版を演奏してみたいかなぁと、かなり昔から長い間温めていました。ですが、何度も書き換えたりしながら、楽器も代わりながら、ようやく、まぁええか。。。と、ちょっと投げやりな動機ですが、ニコニコ動画に投稿してみたのが以下の演奏です。MIDIによるパソコンの演奏です。

一部、プロムナードをくっつけているので、全部で11に分けました。

まずはプロムナード。このトランペットのソロがとても印象的で、後の編曲にもとても大きな影響を与えていますね。きらきらしてます。

次は、Gnome。 ノームと読むはずなんですが…グノームのほうが通りがいいか。でも、この絵、ただの太ったおっちゃんやん。。。(失礼!)どうにもこうにも、低い弦の音が団子になっちまっていかんのです。テンポ遅くすりゃぁセパレーションよくなるんだけれど、それはそれで、私としては違う気がする・・・

次はプロムナードと古城。ここは、やっぱりラベルはフランスの人ですね。アルト・サクソフォンを上手に使ってらっしゃる。このサックスの音、もう少し甘い音色のほうがよかったかなぁ。いや、お友達のサックス奏者のA師匠いわく、「客席の一番遠いところにもきっちり音を届けないといかんのだ。しかし日本人は、どうも自分の周辺で心地よい音を鳴らして納得しとる。客席全部で心地よく聞こえないといかんのだと、コンセルバトワーユの先生は言ってたんだ」そうな。そうですが・・・なるほど。一理あるわ。って、この演奏とは関係ないですが。

次は、プロムナードとティルリーの庭〜遊びの後の子供の喧嘩。 これとっても難しくて、第一、ティルリーってロシアでもなんでもなくて、パリじゃん(いや、演奏には関係ないけれど)。この曲は、まじで難しいと感じています。音の組み立て、タイミング、テンション、、実は、ティルリーとリモージュが最後まで難航してて納得していないんですよね。


 続いては、ビドロ。牛車だそうですが、元になったハルトマンの絵は、どうやら抑圧さえた市民の怒りが・・・的な、ムソルグスキーの時代の危険な香りがする絵だそうです。レコードやCDのジャケットなどでは、船を引く人達の絵だったり。この絵もムソルグスキーやハルトマンと同時代の人の絵だそうで、よく使われていますね。牛どこ??  演奏は、ユーフォニアムのソロはいりま〜す。この楽器の使い方もまたとても印象的です。あぁ、でもね、ティンパニの音、ちょっと失敗したなぁ。。。もっと重い音がよかったかなぁ。マスタリング時に、ずいぶんと低音を削ったんですが、そのせいでヘッドルームは増えたんですが、バランスが悪くなってるや。ちょっと高音がぎゃーぎゃーうるさいです。すみません。


 さて、中盤は、また、短いプロムナードと「卵の殻をつけた雛の踊り」。これは個人的には冨田勲のアレですね。猫が狙って追いかけっ子になる。あれは凄く好きです。ラベルの時代に、もしシンセサイザーがあったらどうなってたんでしょうね? しかし、、この絵もおっさんだ。なんか、おっさん率高くないですか?


 次いで、サムエル・ゴールデンベルグとシュムイレ。お金持ちのユダヤ人商人と貧乏なユダヤ人と言われていますが、まぁ、そういうことで。ピッコロ・トランペットの音がちょっと耳に刺さってうるさいです。とても残念なのは、本来の弦楽器の音が、なんかどこかで聴いたことがある音に変わってしまっていることです。サーバでエンコードされるときにこうなっちゃったのかなぁ。咽び泣くような・・・という趣が、どこかへ飛んじゃいました。


 次のリモージュの市場。絵はなんとも可愛らしいちっちゃな絵みたいです。買い物かごを下げているので、市場でお買い物? とわかるぐらい。でも、この若い女性の絵って、実にロシア的な童話の挿絵みたい。マトリョーシカになりそうです。この曲も難しくて、納得できていません。


さて、いよいよ終盤に向けて・・・カタコンベと死せる言葉による死者への呼びかけ。どちらも怖いですね。 ですが、この金管楽器の響きもまた、とても美しいです。ちょっとこの演奏は力みすぎてますけれど。いちおう、あまり音が濁らないようにチューンしてはあるつもりですけれど。計算上、どうしても他の音との兼ね合いで濁る場合があるんで、そこはまぁ、適度に妥協するアルゴリズムを採用です。 死せる言葉による・・・の、弦楽器のミュート(コン・ソルディーニョ)付きのトレモロって反則でしょう。まるで遠くでコーラスが鳴っているように聞こえます。職人芸ですね。そういえば、ストラビンスキーの火の鳥の目覚めのシーンでも印象的に使われていました。


 さて、有名なバーバ・ヤガ、鶏の足の上に建つ小屋。この曲は楽しい。データ作るときも、演奏させているときにも、とても楽しかったです。もうちょっと弦楽器が松脂飛ばしまくってるって感じが出てもよかったんですが、やっぱりエンコードで飛んじゃうみたいです(手元のマスターでは、もっと松脂成分多め)。いや、実際にはそんなに真っ白になるほど松脂塗ると、後で駒の下とかべっちょりで大変なんですがw。それに、そんなことしませんってば。だいたい、ステージ上で松脂塗ってるシーンってほとんど見かけないですしね。たとえば、というぐらいの意味です。松脂・・・ さて、時計の意匠の絵でもあるわけですが、民話をもとにした題材なので、いろんな絵本が出ているそうです。


ふぅ、長くなってしまうのは常ですが、ほんとうに長いな。展覧会の絵の最後の曲は、キエフの大門。 これ、キエフの街が公募したそうなんですね。それで何人もの建築家がデザインを応募したと。演奏は、レベルとバランスが崩れていますね。まったく・・・もっと精進せねばと反省です。高域がぎゃんぎゃんうるさくて。。おかしいなぁ。。。マスターだと、そんなことないのになぁ。。エンコードされた状態を想像してもっときちんとバランス取らないといけない、という見本みたいです。 ちなみに、終盤に現れるプロムナードのメロディー部分ですが、ギャルド・レピュビュリケーヌ・ド・パリの昔の録音がとても華やかで大好きでした。あれはいい。とっても華やかできれいで。あの音、出せないかなぁ・・・

そんなこんなで、本当に、いったんまとめてから動画ファイルにして投稿するまでに半年とか、どんだけ時間がかかったのか。。。もちろん、最初のデータ作成なんぞ、何十年も昔のことですが。それで、この出来かぃ。。というのが実際、アマチュアだから許される贅沢なのかと。いぁ、言い訳です。本当は、なかなか本業が忙しくて精神的に余裕がなくて。。

また、何か投稿したらこちらへも書き残しておくことにします。

ニコ動じゃなくて、Youtubeに投稿しようかどうしようか、ここ数年ずっと悶々としています。

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