見出し画像

空気を読まないKY社員が多いのも問題ですが、空気しか読まなくて、数字を一向に読まないのはもっと問題

「デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)」

藻谷浩介氏が11年ほど前に書かれたベストセラーですが、その本の中に出てくる一つの言葉が「数字を読まない(SY)」。

空気を読まない(KY)」は時々耳にしますが、「SY」という言葉を知ったのはその時が初めて。なかなか新鮮な響きがありました。

「デフレの正体」で取り上げているテーマは日本経済ですが、会社経営においても「数字を読まない(SY)」で済ませることはできません。

先日お会いしたある出版社の方。私と同じく銀行の出身者なのですが、子供向け絵本の出版が中心の会社では、「まわりは皆『ファンタジー』を語っている」とのこと。

つまり、

・その本は何部売れるのか
・どのくらい売れたら採算に合うか

と考えている人はごく少数派。

本の編集に携わっている多くの人たちは

・子供たちがいかに楽しんでくれるか
・皆に夢を与えてくれる話かどうか

が関心のマトらしいのです。

ただし、その会社の場合、

・伝統ある会社であり、一定のブランド力がある
・手元の資金が豊富であり、当面の資金繰りは心配ない
・少数派とはいえ、きちんと数字を読んでいる人がいる

という条件が備わっています。このため、たとえ大半の社員がSYであっても、会社の経営に支障がないという訳です。

会社が事業を長く続けていくには2つのCが必要です。

一つはCash:お金。そして、もう一つはConcept:コンセプト

「会社は何をやるのか」というコンセプトがないと、お客様から選ばれません。けれども、いかに良いコンセプトを掲げていても、商品が売れないとお金が回らなくなり、事業を続けていくことができません。

この点、特に発展途上の中小企業においては「SY社員が多いと業績を伸ばしていくいくことが難しい」のが現状です。

KY社員が多いのもそれはそれで問題ですが、空気しか読まなくて、数字を一向に読まないのはもっと問題。

社内で打合せするときも、社長の顔色ばかり気にするのではなく、「数字をきちんと読んだ上で、 冷静かつ客観的に議論する」習慣を身につけましょう。

なお、「社員が自分の顔色ばかり読んで、数字を一向に読まない」と日頃感じておられる社長さんは、一度「社長専任の社外チーム」にご相談ください。


サポートは、マインドの感情とマネーの勘定を整えることで、自己成長につながる研究費に活用させていただき、得られた気づきをnoteへの記事に投稿する形で還元します。