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一見ムダと思えるものに投資できるかどうかで長期的な成長が維持できるかどうかが決まる

会社の成長は一日にしてならず。目先のムダに固執せず、将来のムダを減らす。

経営者の中には「ウチの社員はレベルが低いから社員を教育してもムダだ」とおっしゃる方がおられます。

もちろん、社員の教育に力を入れたからといってすぐに業績アップにつながるとは限りません。また、中には「せっかく目をかけてやったのに」というように、苦労して育てた人材があっけなく転職してしまう場合もあります。

しかしながら、私が今までお会いした経営者の中で業容を着実に伸ばしておられる方は、例外なく社員教育に力を入れておられます

先日お会いしたある飲食店経営者の方は「社員は自分の好きな市場へ行って食材を見て食べてくる」という研修を毎年実施されていました。

良いものをお客さんに提供するには提供する側が本当に良いものは何なのかを分かっていないとダメという考えがベースにあるのです。

また、女性向けのファッションの品揃えが豊富なことで知られる「しまむら」ではバイヤーの人たちは最新のファッションを体感するために、毎年パリに出張に行っているとテレビでの特集で見ました。

つまり、超一流のものを自分の目で直接見て、触れることで良いものか、悪いものかを見極める目を養っているという訳です。

当然のことですが、大量に仕入れるので、目利きがダメだと仕入れた商品が売れず、大量の在庫を抱えて業績が悪化します。

この点、「しまむら」の場合は、社員をパリへ出張させるということを通して社員の目利きを強化し、売れそうな商品を大量に仕入れることで業務効率を上げているのです。

毎日の仕事が忙しい中、わざわざパリにまで洋服を見に行ったり、地方の市場に食材を食べに行ったりすることは時間のムダのように思えるかもしれません。けれども、​​​​​​​一見ムダと思えるものに人とお金と時間を投資できるかによって、長期的な成長を維持できるかどうかが違ってきます。

今や買い手の目も肥えているので、「安かろう、悪かろう」では、商品は売れません。

一定のレベルを確保し、それをリーズナブルな価格で提供することで、初めてモノが売れる時代。社員一人ひとりが良いものと悪いものとを見分ける目利きになることが求められます。

そのためには、多少効率が悪くても社員が目利きになるための教育が不可欠です。「ローマは一日にしてならず」と同じく、「会社の成長も一日にしてはならず」です。

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