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期待を超える資金繰りを達成するために必要なこと

建築家の安藤忠雄さんが以前日経新聞の「私の履歴書」で、大阪で桜を植樹した際のエピソードを紹介されていました。

1口1万円の寄付で4億5,000万円を集めるという安藤さんの呼びかけに、元財務大臣の塩爺こと塩川正十郎さんも協力されたとのこと。

その塩川さん。当初寄付を「300人分集める」と言って安藤さんを驚かせましたが、最終的にはなんと800人以上の寄付を集められたらしいのです。

そして、塩川さんがおっしゃったのは「政治家は発言以上のことをしないと信用されない」。

人の期待以上のことをさらりとやってしまうことがすごいですね。

さて、残念ながら、塩爺の姿勢は後輩の政治家の先生たちにはうまく引き継がれていないようですが(笑)、資金繰りに関しても、様々な「期待」というものが寄せられます。

「あと半年ぐらいは大丈夫だ」とか、「この商品が売れたらなんとかなる」といった経営者の期待。

さらに、「この資金繰りなら支店長も認めてくれそうだ。」とか、「これなら2年後には上場できるかも」といった銀行員や投資家の期待、などなど。

しかしながら、往々にして資金繰りに対する「期待」は期待外れに終わるケースが多いように思います。

いくつか理由はありますが、一つは「資金繰りに対する期待が実際に動く人の腹落ちしていない」ということがあります。

銀行との交渉途中でよくあるのは、一度提出した会社の資金繰り表に対して、銀行員の方から、「もう少し短期間で返済できるようになりませんか?」とか、「この資金繰りでは審査部がOKしません。もっと売上を伸ばす形で資金繰り表を作り直して下さい」と言われて、資金繰り表を修正するケースがあります。

この場合、首尾よく融資の審査が通って銀行からの借入に成功したとしても、経営者の心の底には、「この売上の達成は相当厳しいけれど、お金を借りるためには仕方がない」「まあ、最後はなんとかなるだろう」といった気持ちが残っていたりします。

このようなケース、6ヵ月後、場合によっては3ヵ月も経つか経たないかのうちに、当初の計画通りに行かず、また、資金繰りに問題が生じて・・・という事態になることが多いように感じます。

つまり、「この資金繰りでなんとか回して下さいね」という銀行からの期待に対して、経営者の側に、「あの資金繰りは審査を通すために、(やむなく)提出したもの。自分が当初考えているものとは違うし」という甘えもあって、そのギャップが計画通り行かないという結果につながります。

つまり、自分に対する他者の期待を自分の中で消化しきっていないため、きちんと結果につながっていないのです。

期待以上の資金繰りを達成するためには、まず、その資金繰りを経営者の中できっちりと腹落ちさせるのが基本。精神論的に聞こえるかもしれませんが、かなり大切なことだと私は考えています。

なお、資金繰りをしっかり回したいとお考えの方は「社長専任の社外チーム」に一度ご相談ください


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