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「成長のキーはD&Iにあり!」イベントレポ

こんにちは!株式会社CORE広報です。

株式会社COREでは、採用戦略の立案から採用広報、ライフイベントを考慮した制度の導入、女性リーダー育成に向けた研修導入などを丸ごとサポートする、伴走型人事代行「with Runner」を運営しています。

近年、日本の企業にも浸透しはじめているD&I(ダイバーシティー&インクルージョン)。性別や国境、価値観などの様々なバックグラウンドを持つ人材を受け入れ、個々の能力が最大限に発揮できる環境を整えようという考え方です。

しかし、D&Iの重要性を認識する一方で、コストやリソースの面から「スタートアップにそんな余裕なんてない……」と頭を抱える採用担当者も多いのではないでしょうか。

今回お招きしたのは、株式会社LIBZ 女性ボードサーチ事業責任者の江成充さんと、株式会社アマテラス 代表取締役CEOの藤岡清高さん。スタートアップにどのように多様性を取り入れ、企業成長につなげていけばいいのか。業界の最前線で活躍されているおふたりに、D&Iの観点での経営や採用に焦点を当て、具体的な戦略や成功事例についてお聞きしました。


【登壇者】
株式会社CORE 代表取締役CEO 尾崎莉緒
女性特化のビジネスマッチングサービス『CORE』を運営中。

株式会社LIBZ 女性ボードサーチ事業責任者 江成充さん
2021年夏からLIBZ 女性ボードサーチ事業を立ち上げる傍ら、複数社のエージェントマネジメントのアップデートを通じた採用力向上サービスも立ち上げ中。

株式会社アマテラス 代表取締役CEO 藤岡清高さん
2011年に株式会社アマテラスを創業。志ある起業家とスタートアップ参画希望者との出会いを創出することで、スタートアップ企業の成長を支援している。

企業におけるD&Iの課題と改善策

スタートアップがD&Iを考える機会が少ない理由は?

藤岡:自社の理想の姿から「逆算」して採用を考えられる経営者が少ないことが、原因のひとつとして考えられます。

スタートアップの経営者は採用のプロではないため、目先の売上をアップさせるために「売上にコミットしてくれる人材」の採用優先度を上げることに注力しがちです。その結果、「30人の壁」と言われる集団から組織へと変化するフェーズで、グローバル企業を目指していながら社内は日本人ばかりになっていたり、多様性を掲げていながら性別が偏っていたりする状態に陥ってしまうんですよね……。

江成:たしかに。他にも、事業成長が売上だけで語られるケースが多いことも要因のひとつですよね。世の中を変革させるには「成果」と「進化」の両軸が必要です。

しかし、成果だけを求められる環境では、昼夜を問わず働くことがコミットメントとして捉えられてしまい、D&Iを考える機会がなくなるのだと思います。

D&Iと向き合えるようになるにはどう変えていくのがいいのか

藤岡:1つ目は、逆算思考を持つこと。企業を最速最短で成長させるためには、組織がまだ小さい段階から将来を見据えた採用準備を進めることが欠かせません。ただ、経営者ひとりだけで考えるのは難しいので、成功者の声を聞き、成功事例を取り入れるのがおすすめです。

2つ目は、成長を見据えて長期的なアドバイスをしてくれるVCさんと出会うこと。目先の売上だけを重視するのか、売上を上げるための基盤づくりにも重きを置くのか、経営に影響を与えるVCさんの意向が成長のカギになります。

江成:意識変革には時間がかかるので、まずは体感から変えていくのがいいと思います。変化スピードが早いスタートアップだからこそ、まずは周囲の話に耳を傾けるという行動を取り、小さな変化をもたらしていくことが大事です。

周囲の意見を取り入れるためには具体的にどんな行動が必要か

江成:採用面談や社内の1on1を通じて、自分の認知を客観視してみること。周囲とフラットに話していると、まわりの意見を受け入れているつもりでも、実は自分の考えに導こうとしている瞬間に気がつくんですよね。

自分の考えが正しければ事業はもっと成長しているはずですし、経営者とメンバーで情報の解像度や見えている時間軸の長さが異なることは当たり前です。まずはその前提に立つことから始まるはないでしょうか。

藤岡:経営者仲間や先輩などとのつながりを持つことですね。やはり人はそんなに簡単には変われない生き物なので……。痛い思いをしたときや失敗したときに、周囲に無用な忖度をすることなく適切な意見を言ってくれる人がいるかどうかが大事なポイントであると感じています。

D&Iの重要性と影響

多様な視点をもたないことのリスクとは

江成:事業成長の妨げになることです。

これまで様々な企業様に伴走してきましたが、社内の声やお客様からのフィードバックなど、良い情報だけでなく悪い情報も共有しているところは成長スピードが早いと感じます。

「自社に関わる情報を透明度高く開示しているか」が、周りの意見を聞くことやD&Iに意識を向けることの1つのトリガーになる。そこができずに企業成長がストップしてしまうこと自体がリスクですよね。

藤岡:おっしゃるとおりですね。多様性を取り入れるには「組織文化にできるかどうか」が肝だと思っていて。山を乗り越えるために耳が痛いことも言い合えるか、伝えてくれた人をきちんと評価する体制が整っているかなどですね。

たとえば、組織やチームの関係性を対象にした「システムコーチング」で企業が蘇った事例があります。そこではより良い企業にするための発言をする際に、みんなが「今からエッジトークします」と一言添えるんですよ。社長をはじめとする経営陣からも「誰かエッジお願い!」と伝えるなど、言う側にとっても受け止める側にとっても心理的安全性を担保している。企業が成長するには嫌なことでも話し合って乗り越える必要があるので、「言ってもいいんだよ」という組織文化を醸成できているのは素晴らしいですよね。

D&Iを取り入れたことで変わったことは?それ以前にあった課題は?

江成:弊社は大前提として、女性が活躍しやすい職場なら男性も活躍しやすいと考えています。

過去に成果だけを追い求めていた時期もあったのですが、メンバーが疲弊したり、「果たしてこのサービスをお客様に提供して良いのか」とや良心の呵責に苛まれたりする場面が増えてきて。

コロナ禍を経て様々な改善を重ね、働き方のベースもリモートワークに移行しました。ただ、離れて働くことには当然メリットもデメリットもあります。非言語が伝わりにくいオンラインだからこそ、その難しさを埋めるためにインフラとしてテキストコミュニケーション検定などを設けてみた結果、性別問わず優秀なメンバーが集まるようになりました。

ダイバーシティーは性別や国籍で語られることが多いのですが、本質は「考え方の多様性」にあります。多様性を取り入れる過程で生まれた“難しさ”に対しても、どのようにアプローチしていくのか向き合ってきたことで、弊社はフラットに変化できたのだと自負しています。

あとは、企業が経営者の強みで成長してきた場合、その強みが天井になってしまうケースってよくあるんですよね。だからこそ、同じ知見を持っていても、違うフィールドで活躍してきた人や、経営者が考える“正解”に対して「本当に顧客のためになっているのか」とシンプルな問いを立てられる人を迎え入れることも必要だと思います。

御社における働きやすい環境と理想的なママさんの働き方

働きやすい環境をつくるために大切にしていることとは

藤岡:働きやすさを実現するには、期待される成果を出すことがすべてだと私は思っていて。弊社はまだ規模が小さいので、ポテンシャルよりもスキルや経験を重視して採用しています。

優秀なメンバーのなかには、ママキャリアのロールモデルになるような女性がいるんです。子育て中で時間に制限があるなかでも成果にコミットしてくれているので、その方にはしっかり裁量権をお渡しするようにしています。

そうすると、短時間で成果を出すことを良しとする文化が浸透していくんですよね。早く帰宅するママさんに「すみません」を言わせないとか、「何も悪くないから謝るのはダメだよ」と言える組織に自然となっていく。ロールモデルとなる人を正しく評価することが、多様な働き方を実現するうえでも重要だと考えます。

育児をしている女性の働き方の理想とは

江成:理想はないのかなと。同じママさんでももっと働きたい人もいれば、今は家庭で過ごす時間を長く確保したい人もいる。求める働き方は人によって異なるため、主語を大きくしないことが大切です。向き合う人が働きやすいか、お互いにwin-winの関係がつくれるか。それ以上でもそれ以下でもないのだと思います。

メルカリでは最初の段階でどんな働き方をしたいかをヒアリングするそうですね。

藤岡:「ママさんだからこの働き方であるべき」なんてものはないですもんね。その人の要望に合わせてカスタマイズするのは大変かもしれませんが、制度やビジネスモデルが固まりきっていないスタートアップだからこそ柔軟な対応ができるのではないでしょうか。

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株式会社LIBZ:https://career.prismy.jp/
株式会社アマテラス:https://amater.as/

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