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まぁ、そんなこともあるさ。~心の健康のために「あえて」放っておく力~

「仕事も人間関係もうまくいく放っておく力

を手にとった理由は、

最近、あまりに人の声(行動、態度)が気になったから。

作者の枡野俊明さんは禅のお坊さんであり、庭園デザイナーの方だ。

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作中の冒頭にもある通り、一般的には
「放っておく」という言葉には、あまり良いイメージはないかもしれない。

しかし例えば

  • LINEでお年賀の挨拶をしたけど、かえってこない

  • グループのメンバーのうち、1人だけ毎回スルー

  • 予約等が必要でいつまでに返事をくださいといっても無視

  • 会えば愛想が良いのに、社交辞令だったのか、約束が具体化しない

  • 職場が変わった翌日から連絡がつかない

  • 親切のつもりがキレられた(余計なお節介となった)

など

モヤっとするときには、「放っておく力」が効力を発揮する。

これを読んでくださる皆さんはそんなことで、って思うだろうか。
気にしない人にとっては些末なことかもしれない。

しかし、些末がゆえに

そんなことでモヤっとする自分が余計、器が小さいなと、みじめに思える。

直近で起きた出来事はこうだ。

1年間チームとして働いた仲間たちと、打ち上げをしようと企画したら、
20人以上の賛同と予定合致があった日を多数決で決めたにもかかわらず
当日までにアレコレの理由で5人にまで減った。
もちろん、大人として仕事や家庭の事情はやむを得ない…それは私にも充分わかる。

しかし、鈍感な私にわからないのは
ハッキリ断らない人の、「察して」といわんばかりのフェードアウト感だ。
当日まで予約入れてたり、予定していたりする側の気持ちは察しないのか。

また、当日に連絡が無いのでキャンセルと思っていたら、誰にも連絡しないで来ていたりする(そして誰にも会えなかったといって後で切れる)。

私はエスパーじゃない、と何度思ったか。

そこで、そんな私にさっそく刺さったページがあった。

約束は「破られて当たり前」
---それくらいクールに考える

p.74

「諦観というより鷹揚に」かまえておけばいい
と、作者の桝野さんが言う。
期待は裏切られて当たり前と思っておけば、心を乱されずにすみますと。

ほんとそれ。

そうだ、期待しなきゃいいのか~って思った。
今の私には「放っておく力」が必要だ。

「してあげたこと」はその場で忘れる

「受けた恩は石に刻み、与えた情は水に流せ」

ただし自分が親切やお世話をしてもらったなら、感謝の言葉をお忘れなく。

p.82~

↑ これって、欧米主流のビジネス書によく出てくるようなギブ&テイクやWin-Winとは違う
もう、期待もすんな、Giveしたことは忘れて、Takeにだけ感謝しておけば、そのうちまた良いご縁がまわってくるってお話だった。

この現代の日本社会では、期待しないほうが確かにしっくりくるかもなぁ。

余計なことに首を突っ込まない

(略) 「おせっかい」や「安請け合い」をしてると、いくら時間があっても足りないし、心身のエネルギーを消耗してしまいます。

自分にとって大事でないことは「どうでもいいこと」、自分にできないことは「やってもしかたのないこと」。

p.114~


禅の言葉も
端的で、はっとする素敵なものが多い。
今度、機会あれば「禅語」にも触れてみたいなと思った。

即今、当所、自己
「いま、この場で、自分がやるべきことをやりなさい」という意味

p.154

Amazonのレビューなんかにもある通り、
この方の文章ひとつひとつは、あたりまえのような言葉で、とても短い。
具体的にどうしろとは一つも書いていない。
(それがわずかに低評価をつけた人の理由だが、私はだからこそ、刻まれて読みやすくて良いと思う)

人生には「幸も不幸もない」

p.186

死なない命はないし、はじまったことはやがて終わる。
いいことも、悪いことも、いつまでも続かない
諸行無常。
だからそんなに囚われてどうするというようなお話。


自分の選択は「すべて正しい」

p.190

↑最近の、マクドナルド のCM、サムライマック「選んだ道」篇を思い出してしまった。
岸谷五朗さんが演じる上司?が会社を辞めて田舎に帰るらしく
「選んだ道を正解にしていくしかないよ。」というセリフを言う場面。

ここで堺雅人さんの「誰の名言ですか」の問いに
「俺かな」というやりとりが続く。

しかし
とうやら、俺の前に先人がいたみたい。「放っておく力」の中では
イギリスの数学者ルイス・キャロルが同様に言ってたと紹介されていた。
あの「不思議の国のアリス」の中で「どっちへ行きたいか分からなければ、どっちの道へ行ったって大した違いはないさ」と記載があるそうだ。

マックもアリス作者の言葉も、なるほど過ぎる。

外野の声は放っておく
(要約)誰に何を言われても
巨人の原辰徳監督「あの場面での最善策です」と胸をはればよいのです。

p.192

すべてを鷹揚に、「気にしない」は正直、自分には無理かもしれない。
けれど、この本・この言葉を知っていることによって
「あぁ、そうだ、気にし過ぎないようにしよう」って思い出せるだろうから
きっとこの先も、もう少し、人生に耐えられる気がする。


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