[創作論919] チタンの製造法

希土類金属などを使ったチタンの効率的な製造法が開発されました。

チタンやチタン合金は優れた力学特性や耐腐食性を持つため、航空宇宙産業や化学プラント、医療材料などの特殊な分野で活用されています。
地殻中で9番目に豊富に存在する元素でもあり、さらなる幅広い活用が期待されていますが、鉱石中のチタンと酸素の分離が困難で、鉄やアルミニウムのように大量生産できないのが普及の障害となっています。
今回開発された技術では、希土類金属のオキシフルオライドの生成反応という新しいタイプの反応経路を利用しました。
特に、イットリウムとフッ化イットリウムを用いた場合、イットリウムオキシフルオライドの生成を通じて、酸素濃度が0.02質量%と極めて低いチタンが製造できることを確認しました。
これまでは、一度鉱石を塩化物などの中間化合物に変換した後、金属のチタンを製造していましたが、この技術を使えば、酸化チタン原料から酸素濃度の低い金属チタンやチタン合金を直接製造することが可能になります。また、不純物の酸素に汚染されたチタンやチタン合金のスクラップを、高純度の金属チタンやチタン合金にアップグレード・リサイクルすることもできます。
製造に使われるイットリウムやランタン、セリウムは、電気自動車のモーター用磁石に用いられるネオジムやプラセオジム、ジスプロシウム、テルビウムなどといった希土類金属の副産物として大量に生産されています。
現在、こうした副産物の希土類金属は供給が過剰となっており、チタン製造やリサイクルに利用できれば、資源の有効利用にもつながります。


素晴らしい技術ですね。
創作活動でもチタンを活用してみたいですね。

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