[創作論848] 酵素駆動バッテリー

体内の酸素で駆動するインプラント可能なバッテリーが開発されました。

ペースメーカーや神経刺激装置などの植込み型医療機器は、従来型の電池で駆動するため、電池切れになると交換のための手術が必要になります。
今回研究チームは、この課題を解決するために生体内の酸素で作動する埋め込み型電池を考案しました。
電極はナトリウムベースの合金とナノ多孔質金で構成されています。
電極と体内の酸素が反応し、電気が発生します。
この電池をラットの背中の皮下に埋め込んだところ、2週間後には1.3~1.4Vの電圧が安定して発生し、最大出力は2.6μW/cm2でした。この出力値は医療機器を駆動するには不十分ですが、体内の酸素をエネルギーとして利用できることは実証できました。
ラット生体への影響を調べたところ、埋め込み周辺部位での炎症反応は見られませんでした。
また電池の化学変化による副生成物は、ナトリウムイオン、水酸化イオン、低濃度の過酸化水素などで、体内で速やかに代謝され、腎臓や肝臓に影響を与えないことも確認しました。
埋め込み直後の電気出力は不安定で、安定して出力するには、傷口が治り、電池周辺の血管が再生して酸素が供給されることが必要であるとわかりました。
このことは、この電池が創傷治癒のモニタリングにも利用できることを意味しています。


素晴らしい技術ですね。
創作活動においても、酵素の活用法を考えてみると面白いかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?