[創作論862] 鳥と騒音

交通騒音によってひな鳥の成長が遅れるだけでなく卵がふ化する可能性も低下するという研究結果が報告されました。

これまでの研究結果によると、過剰な騒音が繁殖中の鳥の巣作りや子育てに悪影響を及ぼすことや、騒音が鳥同士のコミュニケーションを妨げることが判明していました。
しかし、鳥がひなの時点から騒音を苦痛に感じているのかどうかや、騒音が鳥の生息環境や子育てをどのように混乱させるのかは不明でした。
今回研究チームは、鳥小屋で飼育されているキンカチョウを用いて実験を行いました。
まずキンカチョウの卵に対して5日間連続で、1晩あたり数時間にわたって65dBの交通騒音またはキンカチョウの鳴き声を聞かせました。
そして卵がふ化してひな鳥が生まれると、1晩あたり約4時間、最大13日間にわたって同様の音を聞かせました。
実験の結果、平均的な大きさの卵が交通騒音にさらされた場合、鳴き声にさらされた場合と比較してふ化する可能性が19%低下したことがわかりました。
また、通常であれば大きな卵の方がふ化しやすいにもかかわらず、交通騒音を聞かせると小さな卵よりもふ化しにくくなるという変化も確認されました。
ひなが成長するにつれて、交通騒音を聞かせた場合と鳴き声を聞かせた場合で発達にも差が現れました。
騒音にさらされたひなは他のひなよりもサイズが10%以上小さく、体重は15%以上軽かったとのことで、赤血球の濃度が低いことも判明しています。
さらに、ふ化直前からふ化して数日後まで交通騒音を聞かされたことによる悪影響は、ひなが騒音にさらされなくなった後まで持続しました。
ひなが成長して4年後の繁殖年齢になると、生後初期に交通騒音を聞かされた鳥は他の鳥の半分以下の子どもしか産まなかったとのことです。


驚きの研究結果ですね。
創作活動でも、騒音に注意したいですね。

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