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LEMUR-レムール-(漫画原作部門応募作品)1章

あらすじ
人は死んだら宝石になる、そんな世界に住むレーテ。彼は友人と共に「レムール」と呼ばれる化け物退治の仕事をし日々を過ごしている。
レムールとは、人が宝石になった時、その輝きが失われる前に時計塔に正しく保管されず未練の塊となってしまった化け物の総称。
レムールを祓うには時計塔に保管された宝石を噛み砕いて体内に摂取し、プレケス(レムールを祓う人の総称)特有の武具でレムールの核を破壊するしかないが、宝石を体内に入れることはその人の寿命を縮めることでもある。
それでも彼らがプレケスを続ける理由とは。
レムールは何故未練を残してしまったのか。
これは、小さな世界の小さな街で、死者の未練と向き合っていく少年の物語。

プロローグ(レーテ語り)
 |宝石を抱えて泣くベニの母
 |二人で寄り添いながら眠る少女たちB、C(にこやか)
 |ベランダor押し入れの壁にもたれ掛かる少女D(虚ろな表情)
 |必死な表情で手を伸ばすチェムノ(伸ばしている先は海、少女Fに向かって)
 |幼なじみのレムール全体図(逆光でシルエットのみ)
 |レーテ全体図(呆然や困惑の表情)(幼馴染を見ている)
この街では、人は死んだら宝石になる
小さい頃、誰かにそう教わった
教えてくれた人がどんな人だったか今は思い出せないけれどとても優しい人だった気がする
そしてその人は宝石の輝きが失われる前に時計塔(宝石を保管する場所の名前)へ保管しなければいけないことも教えてくれた
なぜなら、輝きが失われた宝石は____

1章
朝、レーテのアパートの周りにある木々で鳥が鳴いている
その鳴き声で目覚めるレーテ
直後にアラームが鳴りそれを止める
歯磨き、ご飯、着替えと朝のルーティンを済ませ家を出る
コンビニに寄り歩いて公園へ

公園で落ち合うレーテとチェムノ(チェムノ遅刻←レムールを祓うことに興味がないしかったるいから)
チェムノ「よっ!今日のレムールはどんなやつ〜?」(興味はないけど仕事だし聞いとくかくらいの感覚+陽)
レーテ「はぁ…遅刻してきて第一声がそれ?」
チェムノ「いいじゃーん、そんな堅いこと言わないの」
レーテ「もう…はい、今日のはこれ」(紙を渡す)
チェムノ(紙は受け取らずレーテの手元をそのまま覗き込む)「へえー。……でかそう」
レーテ「…… ツッコむとこそこ?」

情報収集へ
レーテ、歩きながらチェムノに話しかける
レーテ「必要な情報は三つ。何故亡くなったのか、生前はどんな人物だったのか、今、どうしてレムールとなって暴れているのか」
チェムノ「毎度そんな丁寧に説明してくれなくてもわかってるっつーの」
レーテ「君は毎度説明しないと適当に済ませるでしょう。それじゃちゃんと祓えないんだよ。いい加減情報収集くらい真面目にやってよ」
チェムノ「わかってるって。あー、俺あっち聞き込み行ってくるから、また後でな〜」(めんどくさいから逃げた)
と言いふら〜っと歩いていく
レーテ「ったく…」
チェムノに対して呆れながらもレーテも聞き込みに行く
得た情報
・レムールになった少年ベニは心臓病で死んだ
・体は弱かったが人一倍優しく、母思い
・母親と二人暮しだったから母親を守りたかった
・母親を守るために今も母親に近づく人間に危害を加えてる

〜回想(レーテたちが聞き込みで得た内容を思い描いている感じ)〜
病院のベッドに横たわるベニ
母親は仕事用の服でお見舞いにくる(すぐに仕事に行かなければいけないので)
母「体調どう?」
ベニ「だいぶいい感じだよ」(体を起こしながら)
母「そう、よかった」
ベニ「うん、だからそんな無理してお見舞い来なくても大丈夫だよ。むしろ母さんの方が顔色悪いんじゃない?」
母「私のことは気にしなくていいから。あなたは自分の体のことだけ考えてなさい」
ベニ「でも僕はいつも母さんに助けてもらってばっかりで...僕だって母さんのこと守れるようになりたいんだ」
母「ありがとう。その言葉だけで十分嬉しいわ」
母「私もう仕事に行くけどあなたはちゃんと安静にしてるのよ?」
ベニ「わかってるよ。母さん、本当に無理しないでね」
母「ありがとう、じゃあ、また明日ね」
ベニ、ベッドから見送る
ベニ「安静にしてろって言われてももう寝てるだけは飽きちゃったんだよなあ」
ベニ、ベッド横の棚から小説を取ろうとしたタイミングで発作を起こす
苦しみながらベッドから落ちる
最初は息が荒く、がっと自分の胸元を鷲掴んでいるが段々とその力が弱くなり呼吸も弱くなっていく
心電図フラット
〜回想終わり〜
母に話を聞くレーテとチェムノ
母は神妙な面持ち、真面目に聞いているレーテ、頬杖をついて聞き流しているチェムノ
母「私が…私が悪いんです。私があの子を手放してやれなくて、あの子がいなくなったことを受け入れてあげられなくて。宝石の輝きがまるで『僕はまだ生きている』って言っているように感じてしまって…あと少し、もう少しだけ一緒にいたいと思ってしまったんです」
レーテ「宝石の輝きは、生きていた頃の楽しかった思い出だと言われていますから…無理もないです。息子さんはまだお若かったですし…」
母「私がいつまでも未練がましいから…前を向けていないから、だから息子はあんな姿になってまで私を守ろうとしてくれてる。それが最近、痛いほどわかってきたから。だからもうあの子を楽にしてあげたい。そのためにどうか、プレケスさんのお力を…」
レーテ「わかりました。それではこれから…」
レーテ「祓います」(レーテ顔アップ)

レムールと対峙するレーテとチェムノ(場所は家(アパート)の玄関先)
チェムノ「(ベニのレムールを見上げながら)『私を守ろうとしてくれてる』って、レムールに生きてた頃の記憶はないって今時ガキでも知ってるのにな」
レーテ「それ以上言ったら怒るよ」
チェムノ「こわっ、冗談じゃん?ごめんて」
ヘラヘラしてるチェムノを無視してレーテがレムールに対し、ベニがレムールになったいきさつを語りかける
レーテ「君は......ただお母さんを守りたかっただけなんだね」
「お母さんに話を聞いたよ。君は誰よりも優しかった。だけど心臓が弱かったせいで死んでしまった」
「今お母さんの周りの人を襲うのはお母さんを守れないまま死んでしまったことに未練があったから?」
「お母さん言ってたよ。君がレムールになってしまったのは私が宝石を手放してあげられなかったからだって」
「母一人子一人だからって君に依存しすぎてしまった、ごめんなさいって泣いてた」
「君の想いが間違ってるとは言わないけど、君のお母さんは今も泣いている」
「そろそろ、終わりにしよう」
レムール、レーテを襲うでもなく黙って見つめる
チェムノ「(語りかけ終わったレーテに向けて)あー、終わった?もうやっちゃう?」
レーテ「そうだね。あ、雑にやるのはなしだよ」
チェムノ「わーってるよ」(←わかってない)チェムノ、宝石を噛み砕きながらレムールに近づく
レーテ「核は心臓、一撃で仕留めた方がお互いに__(負担が少ない的なことを言おうとする)」
チェムノ「(レムールに向けて)お前さあ...自分の母さんに近づくやつみんな攻撃してたんだろ?だったら俺らが母さんに近づいた時もちゃんと消しとけよ」(笑ってる)
チェムノ「消さねえから祓われるんだよ」(笑ってる)
レーテ「ちょっと、」(なんてこと言うんだという表情)
チェムノ「っはは!まあいいや。んじゃ、ばいばーい」(真顔で祓う)

祓われたレムール(ベニ)これでお母さんに迷惑かけなくて済むと感謝し(言葉は発さないが)、淡く光りながら消えていく(祓ってくれると思ったからレーテたちには自分から仕掛けに行かなかった)
天を見上げながら母泣く
何かを考えるようにレムールが消えた先を見つめるレーテ

レーテとチェムノが今回のレムールのことを振り返る
チェムノ「あんな姿になっても母さんのこと大事なんだなー」
レーテ「あの子はレムールになってまだそんなに時間が経ってなかったからね」
   「記憶は残ってなくても抱いた強い感情はまだ残ってたんだよ」
チェムノ「へー、そんなこともあるんだなー。(コンビニをチラッと見て)おっ、新作のフラッペじゃん!買ってっていー?」
レーテ「はぁ…どうぞご自由にー。ったく適当だなあ。本当に他人に興味ないんだね…」(伝書鳩に紙(報告書)をくくりつけながら)
(伝書鳩鳩飛んでく)
レーテ「さて、それじゃあ明日は遅刻しないでね?」
チェムノ「へいへーい。んじゃ、また明日」(←絶対遅刻するやつ)
レーテ「うん、また明日」
別々の道に進む二人の後ろ姿

1章完

2章はこちら
https://note.com/cor_gemila/n/n7d6d30e0b18c?sub_rt=share_pw

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