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こういう時期だからこそ、事実は何かを調べる習慣を

インターネットの本質は、”時空を超えて”情報が伝わることです。特にSNSの登場により、情報の拡散は一瞬で地球全体に伝わります。でも、それは正確な情報だけでなく、デマや捏造、勘違いを含んだものすべてが一瞬で伝播することを意味します。

またSNS、特にTwitterが登場し、既に十数年。いろいろとプラスの面がありつつ、もちろん全てのものがそうですが、マイナスの面もあります。特に今のような不安定な時世ではマイナスの面が大きくでる傾向が強いと思います。普段から自分にとって居心地よいタイムラインを作成を心掛けていると、ブロックやミュートを多用することになります。そうなると流れてくる情報が一定の傾向をもったものだけが流れてきて、それがあたかもすべて正しい情報に思えてくるということがあると思います。


買い占め、買い溜めの話

先日の都知事の会見で今週末の外出を控えてくれという発信がされていらい、スーパーの品薄を伝える情報がテレビやインターネットニュース、SNSでも大きく取り上げられています。

そこででてくるワードは「買い占め」と「買いだめ」です。

コロナを巡る騒動では、マスクや消毒液、トイレットペーパーなどの紙製品を買い占めて、メルカリなどで転売が問題になっていました。今はだいぶ解消されてきたところがあります。これが背景にあると思います。

しかし今回は買い占めなのでしょうか?土日に外出できないとして、その2日分の食べ物をその前に買っておこうと多くの人が動いていると思います。しかし、スーパーの在庫は一定です。店に置ける商品の数も限りがあります。そこに通常の倍の人が、特定の時間に一気にきたらどうなるでしょうか?店は混むし、特定の商品は一時的に品切れになるでしょう。

また人数でだけでなく、通常なら夕飯の材料だけ、明日の朝ご飯くらい買っている人が、金曜日の夜と土日の3食分を買ったらどうなるでしょうか?今回、週末の外出を控えろと言われているので、土日の6食分も買う人が多いはずです。乱暴にすべてをカップラーメンにしようとすると、

1食1個 × 6食 =6個

になります。なので、一人でも6個が必要になります。それが通常の倍の人数が普段の買わない2日分のものを買ったらどうなるでしょうか?また、これは一人暮らしの人の話です。これが夫婦2人、4人家族、2世帯7人家族家族だったらどうなるでしょうか?

1食1個 × 6食 × 1人 =6個
1食1個 × 6食 × 2人 =12個
1食1個 × 6食 × 4人 =24個
1食1個 × 6食 × 7人 =42個

単純計算で上記になります。は?わかるよ、そんなことは!馬鹿にしてんのか!と言われるかもしれませんが、でもこういうことが実際に起きており、これを買い占めと呼んでいる人がいるのです。上記、私のTwitterを貼りましたが、通常の2日分の買い溜めをしている人を見て、これを買い溜めといっていいかはちょっと疑問ですが(おそらく2日分だけなら通常の買い物の範囲)、買えなかった人が他の人が買い占めているからだ!となっている構造だと思います。
また、今は、東京はいつロックダウンが起こるかもしれない!ということで、2週間程度の備蓄をしなければという精神が働いているかもしれません。(上はカップラーメンを人数分で書きましたが、体育系部活の男子高校生が2人いるうちはコメが月に10キロとか普通に消費されますからね)

自分が買えなかったから、誰かが買い占めをしていると考えてしまうのはしかたないことかもしれませんが、食料品の買い物は「場所と時間帯」を選べば、必要なものは買えるはずです。生産も物流もとまっていないのだから。また”不要不急”の外出は避けるという話なのであり、食べ物がないのは必要な外出なのだから、どうどうと出かければいいのです。(状況に応じて)


和牛の話

これもなんだかなーと思っている一つです。中身については、上記を見ていただければいいと思いますが、本当にうわべの情報だけで騒いでいる人が多すぎます。

これと全く同じレベルの話です。各業界団体は自分のところを守りたいので現金支給ではなく、自分のところ限定で使えるものが欲しいのです。現金なら用途は自由なので、他の業界にお金が流れるので。それを自民党の中の各部会(農林部会、水産部会など)が自分の業界団体限定で使えるものが欲しいと政府に要望を出そうという話です。

自民党は政権与党ですが、政府と自民党は別です。そこを混同して、政府が和牛なんて!景気刺激策なのに!という頓珍漢なツイートがでて、ソースを確認せずにこんな時に和牛かよ!という拡散の仕方をしています。別のところでも書きましたが、叩いていい認定をうけたところは無条件に叩いていいという空気がTwitterの中にはあるので(これも一種の同調圧力)、一般の人も公式認定受けた人も、かなりの有名な方も何もチェックせずに政府を叩く様式美をみせています。

じゃあ、なぜこんな時に、和牛券とかお魚券なんて事しか言わない人たちが国会議員をやっているか?については、そういう議員たちを業界団体が国会に送っているからです。議員から見れば出身・支持母体の推薦をうけているからその団体の利益になるように活動するのは当然です。俗に言う族議員ってやつです。でも、これは日本だけでなく世界中で普通のことです。銃トラブルが多いアメリカの個人保有が規制されないのは、かの有名な全米ライフル協会があるからです。

結局、組織をつくって普段から選挙活動に協力して、自ら投票に行くことをやっている人たちはこういう時に強いわけです。

もちろん、政府がこのまますべて鵜呑みにして実行するとは考えにくいですが、そういう提言ができるようにしていないといけないわけです。いや、そんな人が国会議員になる人がいるのがおかしい!と言っていても法律を作るのは国会議員の仕事なので、そういうおかしいことを是正する法律をつくる国会議員を国会に送らなければならないのです。結局は普段からの行動が全てです。

でも、畜産関係とか漁業関係者が大変なのは事実で、飲食店よりもキツイ状況は確かだと思います。牛だけでなく、豚や鶏も同じですが生き物なので、簡単に生産調整ができなし、飼っているだけでコストはかかり続けます。


ワニの話

先日ワニの話も長々と書きました。

これこそ情報の取捨選別についてのリトマス試験紙みたいな話で、誰も情報の真偽などはどうでもよく”電通案件”として消費してしまいました。またワニが電通が関係なとわかってからも、そんなことは全くどうでもいいよう電通を批判するツイートが散見されました。

昨日は徳力さんが書いていましたね。テーマは別ですが。

いや、電通なんて関係なく、純粋にワニについての余韻に浸る時間もなく、死んだワニがワッカをつけて追悼!っていうことをアナウンス始めたことにガッカリしたというのもあるかもしれませんが、確かにそこは大変残念なポイントだったと思います。関係者の想いが強すぎた結果だったと思っています。

人は見たいものしか見えない

結局、人は自分の見たいものしか見えません。人は分かり合える人としか分かり合えません。それは致し方ないことだと思っています。それを言ったら身も蓋もなく、このnoteのタイトルも意味ないじゃん!と言われるかもしれません。

ただ「真実」は人の数だけありますが、「事実」は1つしかありません。

事実は、起こったことそのもの、客観的な事柄なことです。一方、真実は主観的な事柄の捉え方のことです。なので、ある事柄について、起こった事実は1つですが、それについての真実は関係者の数だけあります。
(そういう意味で、コナン君は間違っています。)

最終的には本人の受け止め方、理解がすべてになります。そこは変化しようがありません。しかし、事実は何か?ということを、まず自分なりに調べて見るというのは誰でもができるはずです。自分のタイムラインに流れてきたものをそのまま鵜呑みにはせず、まず、そのトピックになっているワードで検索をかけてみて、どういうものがあるかをざっと見るだけで違ってくることもあると思います。もちろん変わらないこともあるでしょうし、何か1つの意見で盛り上がっているときは、その他の意見は数が少ないので埋もれて見つけることができないかもしれません。

でも、それでいいのです。そういう行動が基本動作となって習慣づけられるようになるだけでも違ってきます。自分だけにカスタマイズされたタイムラインの外ではどう言われているか調べるだけで情報へのリーチが変わってきます。

SNSではテレビの情報は偏っていると言われがちですが、インターネットの中の情報も偏っている可能性があります。いや、それはネットの中には偏った情報だけしかないということではなく、いろいろな情報があるけれど、自分が受け取っている情報が偏っている可能性があるということです。それはつまり自分向けにカスタマイズされた環境下の情報が偏っている可能性があるということです。

一般的に言われる事が、自分にも当てはまっているかは別の話です。テレビだった見る番組を選べば有益な情報がたくさんあるはずです。

こういう時期だからこそ、事実、事実は言い過ぎ感はありますが、より正しい情報は何をちょっとだけでもいいので、調べてみるのはいかかでしょうか。

サポートを頂けると大変ありがたいですが、頂けなくても問題ありません。基本的にしょーもないことしか書けませんが、温かい目でみて頂ければ嬉しいです。