The Lord of the Contracts Ⅲ ~意識のある場所~

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全ての数字が少なくなって返ってくることはたいしたことではなかった。30日→10日、3年を1年 など書かれいる数字は悉く短くなって帰ってきた。うちの会社のサイクルには関係なく。

損害賠償条項に関しは、常に揉める項目だと思っている。どの会社と結ぶにしろ。広く補償してもらいたい提供側と、できる限り範囲を限定したい受取側。ここはある意味致し方ない。双方譲れない部分だと思う。

注:条文はそのままではないです

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うちの案:

契約に違反して、相手方に損害を与えたときは、当該の損害を賠償する

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Mからの返送:

契約に違反して、故意または過失により相手方に損害を与えたときは、通常かつ現実の直接損害の範囲において当該の損害を賠償する

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うちの返信:

契約に違反して、過失により相手方に損害を与えたときは、通常かつ現実の直接損害の範囲において当該損害を賠償する。 ただし、故意または重過失による場合はこの限りでない。

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ひりひりするやり取りだ。双方、一歩も譲らないリーガルの戦い。単なる伝書鳩としてしか機能していない私は豆をつつきながら観戦していた。

しかし、ここで山が動いた。

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Mからの返送:

契約に違反して、過失により相手方に損害を与えたときは、通常かつ現実の直接損害の範囲において当該損害を賠償する。 

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一瞬のことだった。何が起こったかしばらくわからなかった。

函館出身の偉人グレイは、彼の著書の中でこういう言葉を残している。

Koi ni Koi Kogare Koi ni Naku (邦訳:故意に 恋焦がれ 故意に無く)

そう、故意がなくなっていたのだ!

つづく

サポートを頂けると大変ありがたいですが、頂けなくても問題ありません。基本的にしょーもないことしか書けませんが、温かい目でみて頂ければ嬉しいです。