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第1章:マーケティングとは何か?答えなき議論の先へ

マーケティングについて、いろんな人がいろんな事を言っています。私はそれを眺めながら、どれも正解でどれも間違っているなぁと思っています。

今回は「「ふつうの人」のマーケティングとの向き合い方」の第1章として、私なりのマーケティングとは何について書いてみたいと思います。

その前に、まず教科書的な回答を書いておきます。

マーケティングとは、企業および他の組織1)がグローバルな視野2)に立ち、顧客3)との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動4)である。 (日本マーケティング協会 1990年)
1)教育・医療・行政などの機関、団体などを含む。
2)国内外の社会、文化、自然環境の重視。
3)一般消費者、取引先、関係する機関・個人、および地域住民を含む。
4)組織の内外に向けて統合・調整されたリサーチ・製品・価格・プロモーション・流通、および顧客・環境関係などに係わる諸活動をいう。

上記は文中にもある通り、日本マーケティング協会のものです。この定義は1990年に制定されたものですが、ここに至るまでに色々な議論がなされています。その過程が、同じページにリンクがあります。

その序文にこう書かれています。

言うところのマーケティングとは何かについては、人によって受け取り方にはかなりの相違がみられる。特に、マーケティングとセールスを同じだとみるむきもあれば、市場調査だとするものもある。これはマーケティング誕生のアメリカにおいても、他の諸国においても例外ではない。さらに歴史的にみると、同じマーケティングなる言葉の使い方にも時代的変化がみられて今日に至っている。

これは1990年当時のものです。まだインターネットがない時代です。ネット広告もSNSもyoutubeもない時代です。e-コマースもソーシャルコマースもInstaramショッピングも、D2Cすらありません。

今に比べると格段にマーケティングがシンプルだった時代の話です。それで、これです。越境だのインバウンドなど誰も考えず、オムニチャネルなんて、なにそれおいしいの?っていう時代ですら、人によって受けて取り方が違ったのです。

そして、可能な限りすべての事例、要件、状況を取り込んで作ろうとした定義がこれです。

マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。

この玉虫色の言葉が、マーケティングの定義です。何を言っているのかよくわかりませんね。

でも、修飾語を無くして、主語述語だけの文にすると、

マーケティングとは、総合的活動である。

になります。そうなのです、マーケティングとは総合的な活動なのです。

なにそれ!って思う人もいるかもしれませんが、たぶんこれが答えです。時代ともにかわり、業界、業種、サービス、B2B、B2Cによっても変わります。なので、全部正解で全部間違っているのです。この間違っているというのは、”自分にとって”になります。

格闘技に例えれば、空手もあれば、柔道、剣道、総合なんかもあります。ああ相撲もですね。打撃系、組技系、総合系や着衣なのか、裸なのか、素手なのか武器を使えるのかなどなど様々な分類があります。スポーツでなければ、古武術とか、護身術、逮捕術、軍隊などの白兵戦用などもあります。また、本来は格闘技ではないけれど、水上の格闘技とか○○の格闘技とかの名前で呼ばれるものもあります。プロとアマの違いなんかもあります。
これらにはスポーツ、興行であれば体重別とか性別とかがあり、さまざまなルールがあります。レスリングに相撲のルールを適応した時点でレスリングが成立しないように、各格闘技では固有の決まり事があります。もちろん、軍隊にはルールはないでしょうが。

つまり、格闘技をやっているというだけでは、どんなことをやっているか?がわかりません。格闘技はこうあるべき!と話も、ボクシングとムエタイでは全然違う話になります。

マーケティングも同じです。私はマーケティングをやっています!私はマーケターです!マーケティングはこうあるべきです!といっても、それが同じカテゴリーに属していない人からすると、はぁ~?となってしまいます。

それが今日、ソーシャルの中でマーケティングの話がうまく収束しない原因だと思っています。

ボクシングとレスリングの人が「足を使うのは反則だ!」というところに、ムエタイと空手の人が「いや足技は大事だ!」といい、剣道の人が「足はダメだし、手もダメだよ!竹刀じゃないと!」参戦して、他全員から「道具を使うのは間違っている!」と言われている感じです。

みんな自分のやっていることを名乗って話をすればいいのに、”私はマーケター!”としかいっていなにので混乱するのです。しかも、マーケティングにおいては、広告代理店系、ツールベンダー系、プラットフォーム系、マーケティングコンサル系などの自分たち直接事業をやっていない人達も参入して、マーケティングとは?を語り始めます。私はマーケターだと言って!

まさに「全員主役!」のHiGH&LOW状態です!

いや、本当にこの状態ですねw 全員が天下取ろうと群雄割拠してもう数が数えられないほどのトライブが存在しています。マーケティング用語が戦争用語というのもそういうことでしょうねw

M A R K E T I N G 

くらいの頭文字のチーム数なら、もう少し単純なのでしょうか?

話がそれました。そして、今回の最後に私の考えているマーケティングの定義を書いておきたいと思います。

バックオフィス以外、すべてマーケティング

以上です。

第1回は【マーケティング HiGH&LOW説】を唱えたことで終わりにしたいと思います。次回第2回はもう少しこの状況を整理してみたいと思います。タイトルは仮ですが、

マーケティングの種類と幅

みたいな感じで行きたいと思います。次回からは計画通り有料にするかもしれません。


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