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日々雑感

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#夏

お見舞いには行かないよ

お見舞いには行かないよ

その男、信也という。

中学の同級生である。

プロ野球選手からとった名前だと聞いた気がする。
その選手が現役を引退した後も、信也の父親が野球ファンなのは変わらず、彼の兄はそのおかげで立教大学に通っているとも聞いた。
信也自身も兄を追って立教大学にいきたい、と中学時代は言っていた。

第一志望の高校に入り、入学後はラグビー部に入ったことは同窓生の誰かに聞いた。
かたや、ぼくは志望校にいけず、高校に

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ようやく冷やし中華をつくる

ようやく冷やし中華をつくる

ちょうど40年前、ぼくは中華料理店の厨房にいた。
「夏休みヒマだろ。オレの代わりにバイト入ってくれね?」
と言ったのは中学時代の同級生だった。
「代わりに、って、そんな簡単なものなのか、厨房って?」
「洗い場だから大丈夫だよ」

こういう話は、たいてい3割引になっているが、高校二年生のぼくは、まだ、その真実を知らなかった。
が、たしかにヒマだった。
とくべつバイトで稼ぎたいとは思っていなかった。

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今日もZERO1

今日もZERO1

午後、仕事帰りに連絡がきた。

今日、後楽園ホールまで行かねーか?

なんだよ急だな、ボクシングか?

いや、プロレスだよ、ZERO1

おぉ、火祭り、か、行くよ。

というのも前回、新木場での開催を記録したさい、ふと、noteに書いている人はいるのか?と思って検索をかけてみた。

すると、いた、レスラーが。
最近、更新していないみたいだけど。

ふむ、あの人か、と会場で見ていると、なんともいえな

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Nikonが…

Nikonが…

一眼レフの生産をやめたそうだ。
D7の開発を先送りにしたのが実態かもしれない。
D6以上に機能を詰め込んでも、操作性が悪くなるばかりなので、「D」ひと桁ボディの生産をやめるのは悪くはない。
今後の購買ターゲットをどこに定めるか?がカギになるのではないかと思う。
つまり、報道から退く結果になるのではないだろうか。

Nikonの衰退要因は、すごくわかりやすい。
新聞が各社カラー化して、コントラスト重

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プロレスZERO1に行った記

プロレスZERO1に行った記

知人に誘われてプロレスを観に行った。
ZERO1って団体の「火祭り2022」開幕戦なんだそうだ。

ぼくは「1・2の三四郎」を読んで育ったから、プロレス界の過酷さを少しは理解しているつもりではある。
いまだに「1・2の三四郎2」は全刊うちの本棚にならんでいる。
逆にいうと、そのていどの距離感なので、どちらかといえば縁遠い感じではあった。
思えば、会場に直接足を運んだのは、今回が初めてである。
観覧

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今年の梅酒

今年の梅酒

6月になった。
今年もとどこおりなく、6月である。

6月になるとスーパーの野菜棚に、青梅が並ぶ、一斉に。あたかも、就活学生に内定が出るように、6月1日は一斉に青梅が店頭に並ぶ。販売者間に協定でもあるのだろうか。
それを見ると、今年もこの時季かと思う人、この日を待ち望んでいたという人、関心なく玉ねぎが高いなと感じる方、さまざまであろう。

ぼくは、少し複雑な思いでこの日スーパーを歩いた。

15年

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書けなくなった

わからなくなった。

何がしたいとか、何がほしいとか、あまり、考えないほうだった。
こだわりがないわけじゃない。
けれど、こだわるよりも暮らしていくことが優先されて、長い時間を経た結果、捨てたつもりはないが、こだわりが削げていったように思う。

そして、気づくと、かろうじて暮らしているようである。

計画性が乏しいから、なのか?
それを考えると、計画性がないからこそ楽しいと思えるものがある。

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そういうものかな

そういうものかな

モテた時期があった。
ずいぶん前の話だ。
が、実感はなかった。
最近になって、あまり女子と関わる機会がなくて、あの頃はこうではなかったな、と思い返したりする。

その、モテた頃。
なにかと文章を戴いた。
年賀状はもとより、絵はがきだったり、ときにはラブレター見た様な内情を吐露する手紙もあつた。
それぞれの「作品」に思い出があってのことではないけれど、とくに理由もないので捨てずにおいてあった。

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いくつになっても女で男で

先日、エレベーターの中で女性と二人きりになった。
ビルの掃除を委託されている業者の方、歳のころは70歳くらいか?掃除のユニフォームは少し老けて見えるのでトシの判別がむつかしい。
背丈は150センチあるかないかで、背が高いほうではないぼくからも、見おろされるような具合になる。
よく顔を合わせるわけではない。
いや、会っていたかもしれないが、気にしたことはなかった。

なのに、たまたま髪の様子が目に入

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傘を考える

傘を考える

日本はじつに雨の多い邦である。
年間にならしてみると、3日に一度は降水がある。
が、愛着のある傘を持つ人は減る傾向にあるように思う。

ぼく自身も、永く使っているものは少くて、思い入れのあった傘はコンビニの傘立てにさしたら持っていかれた。

また、コンビニがあちこちにできて、すぐに安く買えるために、じっくり選んで、使用後は手入れする、という対象でなくなっている。
いまだ見たことはないけれど、どこか

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新宿へ

電車で渋谷を経由して新宿へ向かっている。
ちょっとした用事が新宿西口で待っている。
年に3回ほど、ほぼ定期的な用事ではある。
逆にそれ以外で新宿へいくことはほぼない。

それは、良いか悪いか、あるいは、幸か不幸かでいえば、良いことで幸いな用件である。
が、なにか気が重い。

と、用事の前に書いた。

そして今、用事が終わって、正確には用事に対峙しているときに判った。

ぼくは、生涯献血回数が200

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