#夏
お見舞いには行かないよ
その男、信也という。
中学の同級生である。
プロ野球選手からとった名前だと聞いた気がする。
その選手が現役を引退した後も、信也の父親が野球ファンなのは変わらず、彼の兄はそのおかげで立教大学に通っているとも聞いた。
信也自身も兄を追って立教大学にいきたい、と中学時代は言っていた。
第一志望の高校に入り、入学後はラグビー部に入ったことは同窓生の誰かに聞いた。
かたや、ぼくは志望校にいけず、高校に
ようやく冷やし中華をつくる
ちょうど40年前、ぼくは中華料理店の厨房にいた。
「夏休みヒマだろ。オレの代わりにバイト入ってくれね?」
と言ったのは中学時代の同級生だった。
「代わりに、って、そんな簡単なものなのか、厨房って?」
「洗い場だから大丈夫だよ」
こういう話は、たいてい3割引になっているが、高校二年生のぼくは、まだ、その真実を知らなかった。
が、たしかにヒマだった。
とくべつバイトで稼ぎたいとは思っていなかった。
プロレスZERO1に行った記
知人に誘われてプロレスを観に行った。
ZERO1って団体の「火祭り2022」開幕戦なんだそうだ。
ぼくは「1・2の三四郎」を読んで育ったから、プロレス界の過酷さを少しは理解しているつもりではある。
いまだに「1・2の三四郎2」は全刊うちの本棚にならんでいる。
逆にいうと、そのていどの距離感なので、どちらかといえば縁遠い感じではあった。
思えば、会場に直接足を運んだのは、今回が初めてである。
観覧
いくつになっても女で男で
先日、エレベーターの中で女性と二人きりになった。
ビルの掃除を委託されている業者の方、歳のころは70歳くらいか?掃除のユニフォームは少し老けて見えるのでトシの判別がむつかしい。
背丈は150センチあるかないかで、背が高いほうではないぼくからも、見おろされるような具合になる。
よく顔を合わせるわけではない。
いや、会っていたかもしれないが、気にしたことはなかった。
なのに、たまたま髪の様子が目に入