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私がWebのデザイナーになった理由⑦(制作会社)

デザインプロダクションで様々な企業のブランディングなどに関わっていたところ、広告代理店時代からのお付き合いで当時もシステム関係のお仕事をお願いしていた社長からお誘いがありました。

システム系からはじまりWeb系の制作会社になっていた企業で、デザイン部の統括をしてほしいとのお誘いでした。

デザインプロダクションで自由にやっていた身としては、複数の若いメンバーをまとめる仕事ができるのか?と不安もありましたが、新しい事に誘われたのだから、その流れに乗って行くこともいいかなと思い、ちょっと悩みましたが結局はそちらに転職することにしました。

私は新しいデザインをするときはとにかくインプットインプット!と外に出て街中を探索したり、本屋さんを覗いたり、図書館に行ったり、これから出力する準備を自分のアタマとカラダに仕込みます。

新しく入った会社にはその文化は無く、みなさんお席に座って考えていらっしゃいました。
良いんです。それで良いデザインが作れるなら。

ただ私が入社した当時は前の会社と比べると満足なクリエイティブを提供できていないと感じました。
デザインを作るためのインプットが足りていないのかなと感じざるを得ませんでした。

デザイナーは良いデザインを作ることが仕事だから、どんどん本も買ってよし!就業時間中でも外に出てよし!
「あの子はいい子だよね」じゃなくて「いいデザインするよね」と評価される人になってね。と意識改革することがはじめでした。

当初はメンバーのマネージメント的なことが私の主な役割でしたが、なにぶん職人なので背中を見て覚えてほしいこともあり、アートディレクションやデザインも並行してやっていました。その方が楽しいし。

私が在籍した4年間でアウトプットもかなりよくなったと感じました。
私は環境を整備しただけです。
あとはみなさん勝手にやり方を見て学んで行きました。さすがでした!

最高に楽しかったお仕事は、某広告代理店さんと某飲料メーカーとの新商品のブランディングサイト。

ちょっとした流れからチャレンジングなことがはじまりました。

ターゲットを明確にするためにアパレル業界ではイメージマップと呼ばれるものを作ることがあります。
紙の上にイメージを想起できるような雑誌の切り抜きやモノ(例えばリボンやボタンなど)をペタペタ貼って、ターゲットのイメージを表現します。

この時は様々な活用シーンをWebサイト上でストーリーにしたかったので、シーン別にイメージマップを作りました。

代理店さんへ提案したところ、クライアントさんから「こんなサイトもいいね」とのご意見をいただいたとご連絡をいただきました。
おそらくイメージマップそのままの手作り感を気に入っていただいたのでしょう。

決めました。テーマはキリバリでのアナログ感で使用シーンを見せるWebサイトです。
OKをいただき制作がスタートしました。

使用シーンに合わせた小物をレンタル屋さんで借り、個別にスタジオで撮影。
撮影した写真とデザイナーに描いてもらったイラストをプリントアウトしてひとつずつ切り抜き。
そして切り抜いた写真をあらためてスキャンします。
スキャナと紙の間には影ができます。それをドロップシャドウにします。
これがアナログ感のキモでした。

それぞれの素材をWebサイトの画面にみたてた台紙に一旦手作業でレイアウト。その後、デジタル上でデザインデータを作ってもらいました。

今思い出しても細かい部分は「どうやったんだっけ?」と思うくらい試行錯誤をしました。

制作中は会議室を作業部屋にさせていただきメンバー数人で紙を切ったり貼ったり文化祭の準備みたいで楽しかったです。

別部署の人からは「なにやってんすか? 笑」と言われ、メンバーからは「これって修正入ったらどうするんですか?」ともっともな疑問をいただきましたが、なぜだかうまく行く自信がありました。

結果大変な修正はなく無事に納品。
喜んでいただけたようです。

この後にフリーランスになりますが、この時の広告代理店さんは今も大切なクライアントさんです。

続く

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